いつまでたっても１７歳

現実は小説より奇なり。とはよく言ったもの。

私の知り合いに生活が大変で離婚し、生活保護を奥さんに貰わせ、そのお金で細々と暮らしている

男が居ます。（もう居ました。かな....）

バレないようにアパートも別々でしたが仲が良く、自分の甲斐性無しを恥じている男性でした。

しかし、奥さんの方が心の病になってしまい、病院を入退院の繰り返し。

それでも奥さんを大事にする姿は幸せはお金では買えないものなのだと言うお手本みたいで

私の憧れの御夫婦でもありました。

つい先日、『俺、引越す事になったわ...』と連絡が入り、それでは奥さんも一緒に近所に引越すのだと

思い込んでいた私。

『引越す時期は一緒にするの？』と聞くと

『今、また入院するんだ。置いて行くようになると思う』と

昨日、引っ越しの前に挨拶でも...と出かけると

『俺さ、親戚の会社を継ぐ事になってさ～生活が１８０度変わっちゃうよ～』と嬉しそう。

聞く所によると、私の勤めているスーパーでも取り引きがある大手メーカー

その話を聞いてびっくり。会社を継ぐ当てが無く彼に白羽の矢が立ったようで

それでは、生活も楽になるし奥さんとも復縁し、奥さんの心の病も良くなる事だろうと

『奥さんの事は退院が決まったら迎えに来るの？』との質問に

『あいつは連れて行けないんだ。心の病気も持ってるし、これから跡継ぎを産んでくれるような女性を見つけないとな。ははははは』

と笑ったのです。

私とそんなに年も変わらない彼を私は何時も尊敬の眼差しで見ておりました。

今度、生まれ変わったら、こんな心の広い人と一緒になりたいものだと言う憧れもありました。

でも、その笑い声を聞いた時、目の前が灰色になり彼の話してる声など聞こえませんでした。

それから、どうやって帰って来たのか覚えてません。

余りにも哀しく旦那と娘の前で泣いてしていました。

男とはそんなもの。

娘には自立して生活していけるだけの教育をしようと心に誓いました。

きっと世の中の男性がそんな人ばかりとは限らないでしょう。

でも、男なんてそんなもの。と言う言葉か頭の中をグルグルしてしまうのです。