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カテゴリ:狩猟
初めての 猪解体 猟友会の人からの連絡で箱罠に掛かったイノシシを捌くので見に来いと言う。 昔、鶏を2羽解体した体験がある。一羽目は頚動脈を切るときにためらって深く刃を入れられなかった。2度目は躊躇なく切ることができた。 だが食べる段になってまったく食欲が湧かなかった。ところが渋々口に入れてみると案外に旨く、その後は少し抵抗はあったものの食べることができた。 今回、罠に掛かったのはまだ子どの猪だった。それでも20キロは優にある。これを殺すのかと思うと気持ちが騒いだ。 「自分の田畑の猪にやられた作物を思い出せば殺れるだろう」 「…… 」 鶏の解体の比ではない。 肉屋で売られた豚肉や牛肉も、誰かが屠殺しているのは頭では理解できていても、いざ自分で手を下すのはつらいものだ。 罠から逃げ出そうと鉄柵に思い切りぶつかり鼻から血を出していた。前後の足をくくって動かなくなったところを首の頚動脈をナイフで切った。実際に殺すところは生臭く気持ちがいいものではない。腹を割り内臓を切り離す。他の内臓に比べ胃が異常に大きかった。 次に吊るして皮を剥ぐ。途中からナイフを渡された。死んでいるとはいえ不気味だった。毛はゴワゴワしていた。引っ張りながらナイフを当てると白い皮が簡単に切れた。
罠の狩猟資格を取るというのは、ここまでやることなんだ。捕まえて後は他人任せを決め付けていたが、これはきつい。食うか食われるかまでの必死さが足りない。すごく大きなことを突きつけられた。でも、鶏の解体と同じようにいつかは慣れてしまうのだろうか。それが恐ろしい。
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