|
カテゴリ:里山の草花たち
ホールボディカウンター(内部被ばく検査)の結果 家を6時半に出て集合場所の保健センターに着くと6時40分、既に2台のバスが先行して出発していた。行先は茨城県東海村にあるにある(独)日本原子力研究開発機構の日本原子力科学研究所。車で往復6時間ほどかかる。今日は一日がかりで内部被ばくの検査を受けた。 身体の外から受ける外部被ばくは、線量計で1時間当たりの空間線量を測って24時間(1日)を掛けて、365(日)を掛ければ年間の線量が簡単に出てくる。自宅の中は0.3μSv/時、外は平均して0.65μSv/時だから、家の中で21時間過ごすとして2300μSv/年、外に3時間いるとして712μSv/年で合わせて3012μSv/年、およそ3ミリシーベルト。 ところが空気に含まれた放射性物質を吸ったり、放射性物質に汚染された食べ物を食べて体内に取り込み一部排泄され体内に残留した放射性物質がどれくらいあるかはホールボディカウンターという特殊な検査機器を使わないと分からない。 この検査機器は福島県下にもあるが汚染された場所ではバックグランドの放射線量が高いので遮断する鉛の壁を厚くしたり条件を整えないと精確な検査をが難しいという。茨城県くんだりまで出かけたのはそういう事情からだ。 さて検査結果だがセシウム137は460ベクレル(検出限界330ベクレルに対して)だった。セシウム134は検出限界値260ベクレル以下で検出されずだったがセシウム137の検出量から考えると限界すれすれの260ベクレル程度は有ると考えた方が無難かもしれない。合わせて720ベクレルが今、体の中にあるセシウム量ということになる。 この720ベクレルという放射性物質は身体にどれだけの影響があるのだろう。成人への影響をもとに計算するとセシウム134の260ベクレルは15マイクロシーベルト、セシウム137の460ベクレルは17マイクロシーベルト、合わせて32マイクロシーベルトだ。この数値なら、これまでの食生活をしていてなんら心配はない。 口からの摂取には相当に気をつけていたつもりだった。いつの間に入り込んだんだろう。考えられるのは原発が水素爆発して放射性物質が降り注いでいる、正にその期間、1日1時間ほど犬の散歩をしたり出歩いて空気中に漂う放射性物質を吸い込んでいたのだと思う。だが何が幸いするか分からないものだ。この時期、花粉症でたまたまマスクをしていたので吸引量が少なくて済んだのだと思う。 もう一つ経口から考えられるのは水や食べ物だ。水は検査結果で検出されていない。残るは自家製の野菜や果物ということになる。自給自足の野菜(ジャガイモ、トマト、キュウリ、ピーマン、ズッキーニ)はハウス内で栽培したし、そのハウスも5月まで屋根も腰回りも閉めたままなので中は直接汚染はされていないはずだ。実際に空間線量は家の中並みだった。ただ周囲から雨で流れ込むことは予想されるから注意は怠らないに越したことはない。路地で育てたブルーベリーはカリウムを施肥したのが功を奏したようで検査結果は22ベクレル/Kgでジャムにして安心して食べた。干し柿(生柿は検査結果は28ベクレル/Kg)も3倍に濃縮するとして100ベクレル/Kg以下だったので、これもけっこう味わった。露地物では表面を10センチほど削って除染した畑(空間線量0.3~0.4マイクロシーベルト/時)で栽培したトウモロコシ(未検査)も少し心配しながら食べたが、上の内部被ばく量からすると結果オーライだったようだ。 自分なりに判断したことは、これまではらった注意をしていれば食べ物については心配するほどのことはないと言うことだ。町では食べ物の検査態勢が整備されつつある。自分で作ったものは必ず検査してもらい検出限界値(100ベクレル/Kg)以下であれば安心して食べることにする。むしろ野菜不足、果物不足による健康への影響の方が心配だ。そして何よりも気をつけなければならないのは外部被ばくの方だ。ここで住むには先ずは部屋の中での線量が0.1マイクロシーベルト/時(年間1ミリシーベルト)以下になるように除染することが急務だ。 最後に今回の検査をした日本原子力研究開発機構のスタッフはとても親切だった。とことん疑問に応えようと時間を惜しまず真摯に向き合ってくれた。椅子型ボディカウンターへの精度に対しても不信感があったが本音を含め懇切丁寧に説明してくれ疑問が氷解した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|