セルティックがスパルタク・モスクワとの欧州チャンピオンズリーグ予選3回戦をPK戦の末に制し、2年連続で本大会出場を決めた。フル出場したMF中村俊輔(29)はPK戦のキックをミスしたが、気持ちを切り替え本大会での雪辱を誓った。なお、30日に1次リーグの抽選がモナコで行われ、セルティックはACミラン、ベンフィカ、シャフタル・ドネツクと同組になった。
精密機械に珍しく狂いが生じた。普段は正確無比な中村の左足が、この試合では違っていた。前半27分に左足クロスで先制点をおぜん立てしたところまでは良かった。しかし後半に入ると3本立て続けに決定機を逃す。後半37分にはDFラインの裏に飛び出し、2度もGKとの1対1のチャンスを迎えながら外すミス。さらに1分後には、左サイドからのグラウンダーのクロスを真ん中でフリーで受けたものの、ボールはバーのはるか上を飛んでいった。
極めつきは、90分で決着が付かずにもつれ込んだPK戦。2人目に登場し強いシュートを右上に蹴ったが、バーに阻まれた。「決定機は2、3回あったけど、どれもゴールにできなかったのは残念。こういうときはある。入るときは入るしね。でも、チャンスを常に決めておかないといけないけど」と反省しきり。
それでも、チームはPK戦を制し、2年連続で本大会への切符を手にした。中村もこの日の雪辱を果たすチャンスを得た。初出場となった昨季は、イングランドの雄マンチェスターUに対しホーム、アウエー戦でいずれも直接FKを決め、チームを初の決勝トーナメント進出へと導き、敵将のファーガソン監督から絶賛された。
「これでやっとCLに出られる。また6試合、レベルの高い試合ができる。CLでは強いところとやりたい。いいプレーをして輝きたいというのもあるけど、いい選手のプレーをグラウンドで感じたいという欲求の方が強い」と中村。飽くなき向上心を持つファンタジスタが、今季もその精密機械の威力を大舞台で披露する。
中村は年々成長している。
欧州の一流選手として認められるチャンスである。