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カテゴリ:感想
芸大に通う二見遭一は、撮影コースのアイドル画素はこびに誘われて自主制作映画に主演することになった。天才と噂される最原最早が監督として、彼を主演に選んだのだ。彼女のコンテに惹きつけられた二見は、不眠不休で二日間も読み続けてしまう。撮影は順調に進み、映画『月の海』は完成するが・・・
学生生活を謳歌する芸大生たちが自主制作映画を作り、その中で人間関係のしがらみや過去の苦い出来事などを、独特のボケとツッコミで解決し、明るく前向きに生きていく物語。 ずっとそうだろうと思って読んでいたのに、途中で世界は歪んでしまいました。 いや、確かに芸大生たちが映画を作る物語には変わりありません。ですが、読者を思っても見なかったところは連れて行ってしまうのです。この展開の変化はまったく見事としか言いようがありません。 また、一般的に天才とかカリスマとかを表現するのは難しいと思いますが、最原最早という天才はその能力を確実に文章で表現されています。天才が天才という言葉だけで終わってはいないのです。それがストーリー上無理なく表現されているのがよかったです。 もちろん、最原のボケと二見のツッコミという組み合わせは要所要所で登場し、読者をあきさせません。これだけでもなかなかのおもしろさでした。このボケ加減がまた効いているのだとも思います。 全体を通してみると、読者も天才・最原最早に惹かれて読む作品でしょうか。もちろん、丸二日間不眠不休で読むほどではありませんが。とにかく、次の作品をまた手に取りたくなる作品でした。オススメです。 2010年1月21日読了
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Last updated
2010.01.29 22:09:29
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