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カテゴリ:感想
恋には二タイプあるそうだ。気付いたら落ちているタイプと、出会った瞬間、一発で落ちるタイプ。女子と接することが苦手だった陽介は、そういった経験をすることは一度もなかった。だが、ちょっとしたことをきっかけに、彼には二つの出会いがもたらされ、運命は変わっていく・・・
第1回GA文庫大賞優秀賞受賞作。あまり詳しく表現できないけれど、いわゆるやり直しもの。ただ、かなり序盤で結末が想像できてしまうのが痛かったです。 想像さえできなければ、どうなるんだろうとワクワクしながら読めたのではないでしょうか。構成自体は悪くなく、タイトルにもなっているリセットを巧みに活用した、印象的な作品に仕上がっていた気がします。しかしながら、気付いてしまうと構成を生かした大きな魅力のひとつを失ってしまい、輝きが薄れてしまいます。これは残念でした。伏線が少々あからさますぎました。もっとも、伏線に気づかなければ唐突すぎるオチという印象を受けたかもしれませんが。 おそらく三度同じようなことを繰り返すためでしょうが、一回に費やす紙幅がどうしても少ない気がします。それゆえに、物語もややかけ足で、ちょっともの足りない印象。とくに女子と接することが苦手だった陽介がなぜかそれを克服したあとの行動や、あるいは各話に登場する女子が彼に対して心を開いていく過程でそれを強く感じました。構造面から見れば、もう少し深く掘り下げるためにも複数巻で語るべき内容だったかもしれません。 ただ、女性キャラはなかなか魅力的で、書き分けもうまくできていてよかったように思います。もしかしたら、純粋にラブコメでいったほうが合っているのかもしれません。次はそういうものを読ませてほしいと思います。 2010年2月11日読了
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Last updated
2010.02.17 23:03:34
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