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2010.02.22
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カテゴリ:感想
 ひたすら地味。存在感がなく他人に気付かれない少女小春原日和。貧乏アパート桜乃日和荘に暮らす彼女は、管理人である僕に言うのだ。「わたしを…おにーちゃんの手で…“おとなのじょせい”に、して、ほしいんです…っ」と。そこには、名門お嬢様学校に入りたいという彼女の夢があったのだが、その道のりは限りなく険しく・・・

 『乃木坂春香の秘密』シリーズの五十嵐さんの新シリーズ。五十嵐さんの物語は初めて読んだのですが、思っていた以上にコメディタッチでした。
 そもそも、他人に気付かれないという小春原日和の性質自体がコメディそのものなのですが、そのほかの登場人物もなかなかのもの。特に桜乃日和荘に住む三人の住人はいい具合にダメです。
 もっとも、こんな登場人物の中で一番目立っているのは、あまりに平凡で桜乃日和荘唯一の普通の人、主人公の佑介だったりします。この辺がなんとも不思議なところです。

 ただ、お嬢様学校を目指すというストーリーはいいのですが、実際読んでみるとコメディの割に地味で、可もなく不可もなく感じてしまうのが残念でしょうか。やはりストーリーがベタベタだからでしょうか。気付かれないわけではないでしょうが、日和同様目立たない作品のような気がします。決しておもしろくないわけではありませんが、ちょっと微妙かな。期待が大きすぎたかな。

 新シリーズと銘打つ割にこの1冊である程度の区切りを迎えてしまい、はたしてこの後どういった展開につなっていくのか、少々不安ではあります。おばあちゃんの数珠の件があったり、新たな友人ができたことからも舞台はあちらに移っていくのでしょうが。いずれ『黄昏色の姫君』とか『姫乃宮の最終兵器』なんて呼ばれるのですから、そこまで楽しませてほしいですね。
2010年2月16日読了





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Last updated  2010.02.22 20:44:53
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