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2010.04.06
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カテゴリ:感想
 ゴンドラ設置にむけて計画は順調に進み、いよいよ工事に入る。その前にと、迷宮街では祭りのようなイベントが開かれた。前線に立つ戦士たちが覇を競う最強トーナメントだ。その直前に、真壁と由加里はひとつの大きな決断を下していた。はたして・・・

 迷宮街を舞台とした真壁の活躍もいよいよここまで。ゴンドラ設置プロジェクトにともなう探索者たちと怪物との攻防戦が中心です。

 これはつらい。読んでいてつらい。おもしろいけれど、つらい。
 最初からずっとそうだったのですが、とにかく人が死んでいきます。あの人も、この人も、まさかと思った人まで。さすがにここまで読むといろいろな思い入れがありますから、なかなかつらいのです。でも、それぞれの死にはドラマがあって、それがいいですね。ストーリー上、無駄な死はないという感じ。もちろん、生き残った人にはまた相応のドラマがあって、これぞ群像劇です。
 群像劇といえば、今回も様々な登場人物に視点が変わります。その中には、今まででは考えられないようなケースも。これには驚きでした。でも、探索者たちの今後の在り方を考える上では、決して外せないパートでしょう。

 多くが省略されてしまいましたが、トーナメントも今回の重要な部分だったはず。真壁の成績はともかくとして、そこにはきっといろいろな人間模様が渦巻いておもしろかったはずです。ここはもっと読みたかったなあ。

 ということで、今回もとてもおもしろく読ませてもらいました。ただ、この結末はどうなのかなと若干の疑問も。きれいな形ですがこれで本当によかったのかな。
 真壁がやってきて、真壁が去るまでの迷宮街。でも、これだけの群像劇ですから語られなかった部分が数多くあるはず。そういったものを世に出してもらえたらうれしいです。

関連作:『迷宮街クロニクル 1 生還まで何マイル?』『迷宮街クロニクル 2 散る花の残すもの』『迷宮街クロニクル 3 夜明け前に闇深く
2010年3月20日読了





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Last updated  2010.04.06 11:46:02
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