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Neko月@ Re:野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』(06/14) 深い。 面白い。 はまる。 読む。 サ…
shiba_moto@ Re[1]:土橋真二郎 『ツァラトゥストラへの階段3』(09/12) しばたさんへ コメントありがとうござい…

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2010.04.08
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カテゴリ:感想
 剣道にかける青春。福岡南に残ることを選んだ早苗は香織との対戦をのぞむが、そこまでには当然いくつもの障害が立ちはだかる。一方香織は、べったりだった後輩の田原美緒が自分と距離を置き平正眼の構えを使うことに戸惑い、反発する。ふたりの最後の夏の行方は・・・

 高校生活の三年間を剣道にかけたふたりの物語もいよいよ完結。今回は早苗、香織のふたりだけではなく、ほかに四人の物語が収められています。ちょっと邪魔な気もしますが、ストーリー上必要なところかな。特に福岡南の吉野先生の若き日の武勇伝や、平正眼に構えた美緒の真意は重要なポイント。うーん、なるほどと思ってしまいます。
 これらのエピソードが加わった分、早苗と香織の物語としての密度が薄まってしまったのは否定できないでしょう。これは仕方のないことですが、どうしてもふたりが登場する部分は割りを食って少なくなってしまいます。その辺が残念でした。バランスが難しい部分ですね。

 もっとも、早苗や香織のパートには相変わらずのおもしろさがあります。何しろ熱い。ふたりの剣道への、武士道への心が熱いのです。
 待ち望んだふたりの対決は万全の状態とは言い難いのが残念でしたが、その時できるすべてを出し切ったような熱い戦いは大満足でした。
 この先どういう道をたどろうとも、ふたりの友情に変わりはない、そう確信できる物語でした。香織はこれからも剣道を続けていくだろうし、早苗にも続けてほしいと期待します。でも香織の後輩になるというのはちょっとご遠慮かなあ。
 流れとしては3年で終わりかもしれないけれど、もう少し先まで読ませてほしい、そう思わずにはいられませんでした。

関連作:『武士道シックスティーン』『武士道セブンティーン
2010年3月23日読了





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Last updated  2010.04.08 21:42:47
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