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Neko月@ Re:野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』(06/14) 深い。 面白い。 はまる。 読む。 サ…
shiba_moto@ Re[1]:土橋真二郎 『ツァラトゥストラへの階段3』(09/12) しばたさんへ コメントありがとうござい…

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2010.06.26
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カテゴリ:感想
 バレー部のキャプテン桐島が、突然部活をやめた。その波紋は幾人かの生徒へと広がっていく。桐島に代わってリベロとして試合に出ることになったのは風助。桐島のプレイを見ながらいつも自分の動きをシミュレートしていた彼にとっては、待望の舞台だった・・・

 第22回小説すばる新人賞受賞作。
 五人の主人公が語る5つの物語。誰もが、桐島がバレー部をやめた影響を大なり小なり受けているのに、桐島はついに一度も姿を現さないという、一風変わった設定。その設定から想像したのは『田村はまだか』でしたが、当然まったく違う話です。

 まだ大学生という大型新人が書いただけのことはあり、高校生の気持ちがかなりリアルに伝わってきます。たとえば、桐島がやめたことでリベロとして出場する機会をつかんだ風助の、出られることへの複雑な思い。いつの間にか本気になってしまった竜汰を諦めきれない亜矢の思い。
 もちろん、似たようなことを自分たちも一度体験したからということもあるのでしょうが、それをリアルと感じさせる力、きらきらとした輝きがありました。
 自分の置かれた位置、立場。そういったものもかなり考えた時期だった気がします。上か下か、ここまではっきりとしたものではないかもしれませんが、似たようなこともあったかな。

 5つの話のうち、特に染みてきたのは「小泉風助」と「菊池宏樹」でしょうか。これはきっと人それぞれでしょうね。
 いま、この年齢だからこそ書けた物語のような気がします。だったら、読むのもきっと今が一番です。新しさと懐かしさが共存する小説です。
2010年6月8日読了





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Last updated  2010.06.26 17:53:43
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