米澤穂信 『氷菓』
気づかないうちに部室が密室になってしまった! 5週続けて返却された学校の50年史! 古典部の文集を隠し続ける壁新聞部長! 神山高校でおこる数々の謎を解くのは薔薇色ならぬ灰色の青春を過ごす省エネ人間・折木奉太郎。そして、文集作りの中、ついに封印された33年前の真実に・・・ 第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞した米澤穂信さんのデビュー作。雰囲気だけならコテコテのミステリというより、ミステリの形式にのっとった青春小説といったところでしょうか。突拍子もないような飛躍的な推理ではなく、前述のような日常の謎ものなので、高校の文化部や高校生活の雰囲気がよく出ているからだと思います。 第2作『愚者のエンドロール』はシリーズ続編のようです。近いうちに読みたいです。