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カテゴリ:読書
山本譲司著〝獄窓記”この本の存在は発売当初から知ってた。
著者は元国会議員、街の中でよくポスターを見かけてたし、なじみの顔で名前だった。 しかし罪人になった理由がよくわからなかったし、はっきり言って見る気はなかった。 それがなぜかまとめて彼の著書を3冊も借りてきた。 感動しましたね、彼の清い心と熱い心に。 刑務所での一年半の生活がリアルに描かれてる。 その罪と言うのだって政治家の間では暗にまかり通ってる話で、でも彼は言い訳をせず潔く罰を受けた。 当時は大っぴらにしなかった真実も書かれてる。 何よりも衝撃だったのは刑務所には障害を持った人たちがたくさんいた、という現実。 軽い知的障害や認知症、身体障害、それらの人たちがまとまって生活をしてる棟で世話係をしてたという。 彼らの介助、下の世話までしてた、トイレの掃除などは毎日・・・・ それを気負いもせず、思いやりを持って淡々と描いてる。 もともと福祉関係には熱心だったということですが国会議員だった人がそこまでやれるものかと心が揺さぶられました。 普通の人じゃないですね、神からつかわされてきたような人だと思います。 そして彼が一番訴えたかったことは、刑務所が社会からのけ者にされた行き場のない障害者たちは再犯を重ねざるを得ない最後の生きる場所になってる、そういう現実を世間に知ってもらいたいということだと思う。 彼らが社会で生きるための福祉の環境があまりにもお粗末だということを刑務所で目の当たりにしたということですね。 刑務所の中の生活なんて、映画で見るか何かの本でちょこっと触れられてるかしか知らなかったから衝撃でした。 この本が書かれたのは10年以上前ですが、彼は出所後、福祉活動に専念されてるようで、私はこんな激しく誠実な人をあんまり知りませんね。 最初から最後まで激しく心動かされた一冊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.03.08 22:16:40
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