カテゴリ:フライトの話
出発の準備が整い、ゲ-トから飛行機がプッシュバックした。
滑走路へと移動し、管制塔からの離陸許可待ちの飛行機の中で一番目、先頭で待機してたそのとき。 乗務員呼び出しボタンが鳴った。 だいたいこういうタイミングでの呼び出しは間違いのことが多い。 我々は出発態勢に入るとよっぽど緊急な事態や安全運航に関わることでない限り、基本的には席を立ってはいけない。 しかし今回は遠く離れた私でさえお客様の様子がおかしいということが分かった。 具合が悪くて耐えられない様子だった。 出発もしていないから乗り物酔いのはずではない。 いちばん近くに座ってた乗務員がかけつけ、機長に電話をして飛行機を停めた。 お医者さんの呼び出しをしたら運よく二人もいらっしゃってお客さんを床に横にさせて診てくださった。 実際どのくらいこの状態でいたのか分からないけどこの間、 私たちの飛行機が滑走路を塞いでた為、他の飛行機が離陸できない状況だった。 管制塔からの要請もあり、機長は引き返すのかどうするのか選択が迫られてた。 ゲ-トへ戻ることにし、お客さんは救急隊員に運ばれ、お客さんの荷物を降ろす、給油を行うことになった。 結果的に出発が2時間以上の遅れとなった。 日本人のお客様だった。 体調が優れないときは自分の国に帰りたいと思うのが普通だろうけど、その気力も体力もなかったよう。 搭乗されたときは特に目立っておかしな様子はなかったのに45分後はなぜ急変したのだろう。 お医者様がお客さんにアテンドしている最中、あるお客様が乗務員呼び出しボタンを押した。 何度も事情を説明するアナウンスをしてるし具合が悪い方の近くに座ってたので緊急事態を見てるのにも関わらず、 「いつ出発するの?」 「いつ到着するの?」 「伊丹行きに乗れなかったらどうしてくれるの?」 「どのくらい遅れるわけ?」 ゲートへ戻って救急隊がストレッチャーを持って乗ってくるので全員着席のままでいるように、 とのお願いのアナウンスをしたにも関わらず4、5人立って上の棚の荷物をいじったり野次馬で通路に出てみたりする人が。 ブチ切れた。 普段は声が小さすぎて聞こえないと言われる私が大声で 「ご着席ください!!」と注意した。 こういう自己中な人って良心というものはないのだろうか。 私は別にクリスチャンじゃないけどキリスト教の教えで 「Do unto others as you would have them do unto you」 (人にされたくないことはしない....相手の立場になって考えてみる、とか) は人間として基本中の基本だと思う。 子供ができたらこれだけは徹底的に叩き込む予定。 こういう最低限のルールが守れない大人は恐ろしい。 良かったら応援お願いします 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/01/24 02:09:18 AM
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