カテゴリ:フライトの話
飛行機に乗ると離陸時・着陸時以外にも何度かちょっとした揺れでシートベルト着用サインがつく。
機長(時には客室乗務員)の判断により点灯される。 皆さんはこのサインをどう解釈してるのだろう。 私たち乗務員はシートベルトサインが点灯されると: 1.お客さんがシートベルトを締めているかどうか確認する 2.締めていない人がいれば締めてくださいと言う シートベルト着用サイン点灯中のお客さんのご着席と シートベルトの着用を確認することは航空法により私たちの義務である。 しかしこれがとても厄介なのである。 お客さんによってはこの「シートベルトサイン」の解釈が違うから。 「シートベルトをお締めください」と言うと、良く反論される: 「トイレに行きたい」 「足を延ばしたい」 「横になりたい」 「子供が寝てるので起こしたくない」 などなど。 お化粧室を使いたくて並んでいるところでも、シートベルトサインがつけば 私たちはお座席にお戻りになるよう、お願いしなければならない。 嫌がらせで言ってる訳ではないのに、やっぱりかなり嫌がられる。 「分かった、でも気をつけてね」とか「なるべく早くしてね」は絶対に言ってはいけない言葉。 難しい! お座席まで引きずり戻す義務はないけど1度は注意しなければいけない。 とても腹が立つのが: ○子供にシートベルトをさせない親 → 自分がどうなっても構わないのは勝手だけど、子供の命を危険にさらすのってどうかしてる。 ○荷物をいじるために立って上の棚を開ける人 → 自分は良くても揺れで荷物が周りの人に落ちたらどうするの?他人を危険にさらすのは絶対にいけない。 シートベルトを締めない理由は恐らく危険を感じないからだろう。 ちょっと揺れたぐらいで別に死ぬわけじゃないし~なんて思ってるからだろう。 そこが間違ってる。 機長は前方に飛んでいる飛行機や地上やレーダーからの情報と 長年の経験を頼りにシートベルト着用サインを点灯する判断を下す。 乗客の安全を考えてシートベルト着用のサインを点灯させる。 100回中99回は大したことないかもしれない。 けど、100回中1回は本当に危険な揺れ。 だからシートベルトサインが点灯されたら、今度こそ危険なときかもしれない、と思ってほしい。 私は何度か怖いと思う揺れに遭遇したことがあるけど運良くけが人が出るほどの乱気流はまだ体験していない。 しかし、同僚の多くは大きな怪我をしている。 我が社だけでも、乱気流による乗務員のけがは年間400人。 そのうち半分はしばらく仕事が出来ないほどのけが。 機内の天井に当たった人も何人もいる。 お客さんもそうして亡くなった人もいる。 これは本当に、本当に恐ろしいことで避けられるものなら避けたい。 お客さんは乗務員と違っていつでもシートベルトを締めて身を守るオプションがあるんだから、 是非つけていてほしい。 シートベルト着用サインが点灯されてなくても。 良かったら応援お願いします 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/02/02 02:52:38 PM
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