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2005/03/15
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カテゴリ:フライトの話
何を隠そう、私は機内でアナウンスをするのが大嫌い。

今まで日記を読んでくださってる方ならご存知かと思うけど、私は小心者。
そんな私が400人の前でスピーカーを通してしゃべれる訳がない。
緊張して、声が震え、しまいには頭が真っ白になる。

名誉のために(爆)念のために言わせてもらうけど、今のとこまだクレームはない。
お客様に呼び出されたことはない。
多分、今まで運が良かったのだと思う(苦笑)。

でもとりあえず自分の弱点を知った上で、恥をかきたくないので自分だけの秘密兵器を用意してる:

私だけのスーパーアナウンスブック。

入社すると最低限のアナウンスが載った小さな本が渡される。
「ご搭乗の挨拶」や「飛行時間の説明」「もうすぐ到着だよ」ぐらいしか載ってない、あり得ないヤツ。
こんなスムーズなフライト、なくない?と思うぐらい、サンプルの文章が少ない。
しかもビミョーに日本語がおかしい。
外資なので恐らく海外で翻訳してもらった、って感じである。
そのまま読んだら失礼にあたるんじゃないかと思うような内容。

そんな本を片手にいつアナウンスの順番が回ってくるんだろうという恐怖におびえてた時期があった。
まじめな性格の私はそのXデーがくる前に準備しておこうとある日、自己流に書いたアナウンス本を作ってみた。
その翌日出勤したら、お見事当たった。
アナウンスデビューの日となった。
(神様は本当にいるんだと確信した日だった)
自分で作ったのがあったから読みやすかったけど、練習がちゃんとできていなくてぎこちなく、
最後には「かわいいアナウンスだね」と同僚に言われた。

「かわいい」というのはアナウンスにおいては褒め言葉ではない。

それからはと言うと、フライトごとにその日担当の人の言葉に耳を傾けるようになった。
人それぞれ、スタイルも違うし言い回しが違う。
いいと思ったことは全てメモって自分のアナウンスに少しずつ取り入れてみた。

パクリだけどたくさんの人のパクリをつなげるともう誰のものでもない~♪

(みんな、ありがとう)(笑)

そして今まで聞いたことがないけど「もしこうなったら」のためのアナウンスも考えたり。
今のアナウンスブックは仕事に行くとき、いちばん大事なもの。
もし荷物が盗まれたら財布や貴重品より、アナウンスブックがショックだと思う。
しっかり者の私はそれを見込んで3セット違うところに用意してる(笑)。

昨日また新たに収穫したパクリをプリントしてアップデートしてた。
改めて全部読んでみると面白すぎる。
一度も使ったことのないアナウンスで、この先も使わないことを祈るヤツ:

「送水管凍結のため飲料水がない」アナウンス
「酸素マスクが落ちたけど大丈夫」アナウンス
「爆弾がしかけられてるらしい」アナウンス
「雷による損傷」アナウンス

もう準備万端。
何でもかかってこい~、と言いたいところだけど、
私がアナウンス担当じゃなくて良かった!!と思うことがしばしば。
スーパーアナウンスブックに用意してなかった事態は毎月のようにある(涙)。

ある日、お客さんが機内にお持込になった犬のカゴの大きさが微妙に機材に合わず、
貨物室に乗せることになり、アドリブアナウンスが:

 ○「出発が少々遅れます。ごめんなさい」アナウンス

(しばらくすると)

 ○「貨物室に移動させたけどこれから水をつなげるのでちょっとお待ちくださいまし」アナウンス

(更に時間が経ち)

 ○「水をつなぎに行ったらなんと2匹もいました~。
1匹ずつそれぞれのカゴに分けないといけないので別のカゴを持ってくるまで時間がかかるんだよね...」アナウンス

アナウンス中に他のお客さんから「犬を殺せ~」なんて言う人もいた。
(痛)

アナウンスはいくら事前に用意しようと思っても予想外のことが起こるのである。

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Last updated  2006/03/05 12:06:18 AM
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