カテゴリ:フライトの話
9.11の同時多発テロ事件から3年以上も経つけど、ある「緊張感」のようなものは今も感じられる。
9.11以降、特に感じる変化の一つは、自ら機内の様子・他のお客様の様子を見張っているお客様が増えたこと。 我々も搭乗手続き中からずっと目を光らせて異常はないか、不審な行動・様子はないかチェックしているが、多くのお客様も目を光らせているよう。 そして私たちにその不審に感じることを知らせてくれる。 とてもありがたいことである。 実際に危険人物ではないことが判明するのだが、念のためにその気持を伝えて頂いたことにはとても感謝している。 ○例えば編み物をしてる人を見て、編み物用の針が危険だと感じるお客さん。 プラスチックや木製、金属製のものもあるけど、確かにあのとんがった棒というのは、どうなんだろう、と思う。 セキュリティー上、機内に持ち込んでいいものといけないものはどんどん変化していくけど、少なからず矛盾を感じることがある。 こういうことは会社に伝えている。 ○近くに座っていたお客さんが長い間席に戻っていない、という報告。 大抵散歩してたとか、ギャレーで客室乗務員と話しをしてただけだが、お手洗いで倒れてたかもしれないし、どこかで隠れて不審なことをしてたかもしれない。気づいて念のためにお知らせしてくれるのはありがたい。 ○9.11直後、アメリカの空港が再開した翌日にアメリカ行きのフライトに乗務したとき、そのフライトに限って(それまではなかったし、それ以降もない)毛布をカーペット代わりにしてメッカ(イスラム教の聖地)に向かってお祈りをしてるお客様がいらした。周りのお客様はかなり不安な気持になっていて、我々にもそのむね伝えた。 ○日本人の男性の50代、60代~ぐらいのお客様で時々フィッシング(?)用のポケットのたくさんついたカーキ色のベストを着ている方を見かける。このベストに反応を示した外国人のお客様がいらした。出発前に私を呼んで、「I don't feel comfortable with what he's wearing」と不安をおっしゃった。 ○最近言われたのがある若い男性がリュックをしょったままうろうろしているとのこと。とても怪しいと感じたお客様が何度も最新情報を伝えてくれた。「今本を読んでいる」「本のタイトルが怪しい」。私たちも念のためにずっと注目していたけど、確かにリュックをしょったまま歩き回るのは珍しいけど不審者と決め付けることもできない。とりあえず常に目を光らせておくしかない。 ○自ら「不審な行動に見えるかもしれないけどそうじゃないから」と出発前にご親切に挨拶してくださった方も。どうやら政府の機密情報のドキュメントを運んでいたらしく、いかなる場合にも手を離してはいけないらしく、トイレに行くにもものすごいカバンをいつも持ち込んでいた。 どういう人が不審者なのか、一目では分からない世の中になってきたのは残念だけど、私と一緒に見張って(?)下さるお客様がいらっしゃるのはとても頼もしい。 いつもありがとう! 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/02/02 10:30:44 PM
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