テーマ:最近買った 本・雑誌(6926)
カテゴリ:お題なし
別冊太陽の「入江泰吉のすべて-生誕100年記念-」を買った。
入江泰吉という人は、奈良・大和路を取り続けた写真家である。 ひょんなことからこの人のことを思い出したのだ。 何かのコラムに、興福寺の阿修羅像のことが書いてあった。 「私は、阿修羅像のあの優しいお顔が大好きです。」 …う~む。優しいか、なぁ? 憂いを含む顔だと思うのだけど…優しさも感じなくはないけどね。 このことをダンナに話した時のこと。 「私、小さい頃から家にあった大和路の写真で、阿修羅像がすごく好きだったのね。ずーっと見てて、高校の修学旅行で初めて本物を見たときは感激したんだよ」 ということを、本屋に行くまでに話していた。 そして本屋に着き、たまたま見かけたのが、「入江泰吉のすべて」だった。 「ん?あ!この人だ!」 そう、私が小さい頃から見ていて大好きだった写真を撮った人なのだった。 とても懐かしく、手にとって見る。 あの阿修羅像の写真もあった。そしてもう一つ私の好きだった写真も載っていた。 東大寺戒壇堂の広目天像。眉をひそめ、目を細めて憂いの表情を浮かべる仏像なのだ。 穏やかな顔をされた菩薩像や観音像よりも、なぜかそのような仏像のお顔に惹かれる。今の私の感性の一つを作ったのが入江泰吉の写真だったのだ。 奈良は母方の伯母夫婦が住んでいるところで、小さい頃から何度となく通った土地である。お寺さんにも連れて行ってもらったこともあるし、奈良に行くこと自体がとても好きだった。 ダンナは京都の人なので、年に1回くらいは京都に帰ることがあるが、私にとって馴染み深いのは京都ではなく、奈良なのだ。 そして、今回買ったこの本を読んで、なぜ奈良が好きなのかがよくわかった気がした。 私の好きな奈良は「大和路」のなかにあるのだということを。 そして、入江泰吉が撮った「大和路」の写真に、伯母の家、近所の風景を重ねあわせ、郷愁を覚えるからなのだと。 とてもいい本を買った。 写真集を手に入れてみよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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