カテゴリ:お題なし
本屋さんで見つけたこの本。
100万人のキャンドルナイトの提唱者の辻信一さんと 「昔の女性はできていた」や「鬼ババ化する女たち」を書いた三砂ちずるさんが 対談をして著した本です。 副題が「ゆるやかにしなやかに男と女の性と愛」となっています。 もともとお産についての本をよく読んでいたので この手の本はなじみが深いです(子供はいませんが)。 女性にも男性にも読んでみて欲しい本です。 このなかに「タッチ・イズ・ラブ」という章があります。 そこで紹介されているフィリス・K・デイヴィスの詩(訳 三砂ちずる)をご紹介します。 「わたしにふれてください」 もしわたしがあなたの赤ちゃんなら どうぞ、わたしにふれてください 今までわたしが知らなかったやさしさを あなたからもらいたい おふろにいれてください おむつを替えてください おっぱいをください きゅっとだきしめてください ほおにキスしてください わたしの体をあたためてください あなたのやさしさとあなたのくれる快楽が わたしに安心と愛をつたえてくれるのです もしわたしがあなたのこどもなら どうぞ、わたしにふれてください いやがるかもしれないし、拒否するかもしれないけど 何度もそうしてください わたしがどうしていやがるのかわかってほしいから おやすみなさい、と抱きしめるあなたの腕が わたしの夜を甘くしてくれる 昼間に見せてくれるあなたのやさしさが あなたの感じる真実を伝えてくれる もしわたしがあなたの思春期のこどもなら どうぞ、わたしにふれてください もう大きくなったんだから、なんていわないでください あなたがわたしにふれるのをためらうなんて 思いたくはない あなたのやさしい腕が必要です あなたのおだやかな声を聞きたいのです 人生は困難なもの、とわかったいま、 わたしの中の小さなこどもがあなたを必要とするのです もしわたしがあなたの友達なら どうぞ、わたしにふれてください あなたがだきしめてくれると わたしはあなたにとって大切な人だとわかるから あなたのやさしさが、おちこんでいる私も、 かけがえのない存在であることを 思い出させてくれるから そしてひとりではない、と思い出させてくれるから わたしにやすらぎをくれるあなたのありよう、 それだけがわたしが信じられるもの もしわたしがあなたのセックスの相手なら どうぞ、わたしにふれてください あなたは、情熱さえあれば、十分と思うかもしれない でも、あなたの腕だけが、わたしの恐れをとかしてくれる あなたのやさしくおだやかな指先をください あなたにふれられて、わたしが愛されているということを 思い出すことができる わたしは、わたしなのだ、ということを 思い出すことができる もしわたしがあなたの大きくなった息子なら どうぞ、わたしにふれてください わたしには、 抱きしめるべきわたしの家族はもういるのだけれど それでも、傷ついたときには、 おかあさんとおとうさんにだきしめてほしい おとうさん、あなたといるとすべてがちがってみえる わたしが、たいせつなわたし、であると 思い出すことができる もしわたしがあなたの年老いた父親なら どうぞ、わたしにふれてください あなたが小さかったときに わたしがあなたにふれたと同じように わたしの手をにぎり、わたしのそばにすわって、 わたしを力づけてください わたしの疲れた体によりそい、あたためてください わたしは随分しわくちゃになってしまったけれど、 あなたのやさしさに力づけられる どうぞ、何もおそれないで ただ、わたしにふれてください フィリスはアメリカ人のカウンセラーだそうです。 日本人の私とは感覚が違うところもありますが この詩に書かれていることは、人として大切なことなんだなと思います。 最後の部分で、自分の父を思いました。 私にとって父は畏怖する人物でした。 20代後半に家庭内のゴタゴタで父に自分の心情を吐露するまで。 昭和1桁の生まれなので、「優しさあふれる」という表現はできない人。 睨みを利かせたり、時には叩いたりということで自分を表現してきた人。 子どもの頃には、母が先に亡くなったとして、自分と父と兄だけになったらどうしよう と本気で心配して、泣いて眠った夜もありました。 自分もだんだん大人になり、妙な強さを身につけたある日、 家庭内別居していた父に向かい、自分の意見を初めてはっきりと言ったことがありました。 それ以来、父に対して持っていた畏れがなくなりました。 畏れを克服したのだと思います。 今では父の弱さもわかるようになりました。 その父を労わってあげようと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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