カテゴリ:お題なし
今日は以前から時々お邪魔している安比塗漆器工房さんからお知らせを頂いていた
「漆と私。-八幡平市安代漆工技術研究センターOB26人展」を見に行ってきました。 安代漆工技術研究センターで2年間の研修を終えて、独立されている作家さんたちの作品展です。 私の好きな作家さんが何人か出品していらっしゃいました。 漆器は昔から汁椀を使っていましたが(母が好きだったので) 自分で気に入ったものを買うようになったのはここ数年の話。 気に入った漆器を探しているうちに、安比塗漆器工房さんにもお邪魔するようになりました。 買ったのはこの2品。 椿皿は溜塗りのもの(右の黒っぽい色)が欲しくて。 お弁当箱は、今は仕切りをはずして使っています。 私が好むものは朱よりは溜塗り、拭き漆のもので、オーソドックスなもの。 以前の記事にも載せたことがありますが、応量器を使いたいくらい。 ま、私のことはさておいて。 展示スペースは盛岡市の南昌荘というところ。 こういう展示をよく開催しています。 今回は奥のほうのスペースでの展示でした。 お椀や箸、お猪口などの伝統的なものから、名刺入れ、ブローチ、漆でプリントしたTシャツなどもありました。 どれも作家さんたちが一つ一つ手がけたものばかり。 けれど、どうもしっくりいかない思いに囚われてしまいました。 作家でもないし、素人でしかない私が言うことではないのかもしれません。 お椀やお重などの伝統的なもので、全面的に漆で塗ったものにはあまりそういうことは 感じなかったのですが… 名刺入れや調味料入れなど、開いて使うものの中身の木地の扱いがお粗末だったこと。 木地は塗りも何もせずに木材がそのまま出ているのですが ふたを開けた時点で、中の木地に漆のはみ出たものがところどころについていたのです。 そして作家さんも同じ人ではなく、違う人なのに、同じようににじんでいたり べとっとついていたり。 ダンナと一緒に見に行ったのですが、同じことを言っていました。 特にダンナはもともと美術を志したことがあったので、とくに厳しい。 「これに値段つけるんか?」とぼそっとつぶやいていました。 漆器をもっと気軽に使いこなして欲しいという作家さんの思いはよくわかります。 けれど、それとは明らかにかけはなれた作品のように見えるのです。 外見はきれいですけど、使うときに必ずふたを開けるものの中身がきたない。 しかも値段も数千円~1万円以上するものがです。 とても惜しいと思いました。 実用品だからそれくらいで、などと思っていらっしゃるのではないと思うのですが… 好きなものを見に行ったはずなのに、なんだかがっかりして帰ってきてしまいました。 漆器をもっともっと手軽に使ってもらいたいと私も思っているのに… 塗りの器に唇をつけたときの優しさ、温かさは漆器にしかないものです。 もっと大勢の人に漆器の美しさ、丈夫さを知った上で普段使いにしてもらいたいと思います。 それには使い心地の良さと、「大事にしたい」と思わせる美しさがものをいうと思うのです。 細部にまで心を込めたものを作っていただきたいと思うばかりです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[お題なし] カテゴリの最新記事
|
|