こなたよりかなたまで
携帯の方は、別にメルアドが変わったわけでもないので、OKです>挨拶こなたよりかなたまでレビュー。~ストーリー~この話は主人公である彼方に感情移入ができるかどうか。それが評価に対して大きく分かれるところであると思う。彼方という主人公は普通のエロゲ・ギャルゲの主人公とは違い、しっかりとした己という者を持っているため、どのストーリーを通ったとしても、性格は変わることがない。むしろ、自分というものを貫き通す主人公である。その立場のせいか、その生き方を理解出来ない者もいるかもしれない。やはりそこが大きな分かれ目であろう。ヒロインの立ち位置は、日常(佐倉・いずみ&優)や非日常(クリス・九重)とはっきりと分かれているが、どのヒロインも設定をしっかりと活かされていて、投げっぱなしな設定などはない。メインヒロインはクリスであるが、どのヒロインもしっかりとキャラが立っている。そこもまたいい。日常の中に敢えて非日常を入れることで、日常のすばらしさ、ありがたみというのを際だたせているのかもしれない。やはりどのルートにもあって輝いているのは、前述した通り、彼方は己を貫き通すと言うことであろう。本当は弱く、心を曝け出しているように見ても、実は本当に大切なところは隠し、それを貫き通す。佐倉ルートでは特にそれが強く描かれていた。お涙頂戴な御都合主義的なエンドが一つもなかったのも僕的には評価が出来るところかも。未来ではなく、敢えて今を示すエンドばかりだったのがよかった。また、ストーリー展開では、いずみ&優ルートでは、未来ではなく、過去を示すというようなやり口も斬新で良かった。弱さがあるからこその強さ。彼方みたいな主人公はそういないと思う。何が正しいのか分からないが、自分を信じてそれを貫き通す。墓まで持って行ける超名作の一つであると思う。グラフィックとりあえず、少ない。このシーンではイベントCGが欲しかったなあと思えるのもある。耕介が彼方を殴るシーンや彼方に置いて行かれる佐倉のシーン。あとは九重さんの戦闘シーンとかももう少し欲しかったかな?絵は綺麗なのにもったいない。あと、立ち絵も板橋先生くらいはせめて欲しかった。音楽音楽はボーカルを含め、15曲。短いストーリーを引き立てるのには十分な数。OPの「imaginary affair」は間違いなく神曲の一つ。プレイ後に歌詞を聴けば間違いなく泣けてくると思う。EDの「こなたよりかなたまで」もいい。どちらも名曲である。声優はみんな上手い。特に一色さん演じる九重さんや風音さん演じる佐倉はあまりにも上手い。どちらも有名でありますし。システムオートモードがない以外は基本的なシステムは皆そろっている。ヒロインのセリフの色が違うのもグー。総評当たり前に生きることは難しい。今まで当たり前のように生きてきたからこそ改めて生きるのは難しい。そんな当たり前のことを痛感させてくれる名作。彼方に感情移入が出来る人は間違いなく名作になる。「思うように生きるのは難しいな、彼方…」というクリスのセリフにもある通り、本当に難しいと思う。人にお勧め出来る作品である。