最近こんな事件が有りました。毎日新聞記事から
◇公取委、改めて立ち入り検査
段ボール製品の販売を巡る価格カルテル疑惑で、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで公正取引委員会の検査を受けているメーカーの一部担当者が「各社の社長で話し合って値上げを決めていた」と話していることが分かった。公取委は各社トップが絡んだ全国的な大型カルテルの可能性があるとみて19日、メーカー十数社の本社などを改めて立ち入り検査した。
公取委は6月、栃木、群馬、埼玉3県で段ボール製品の価格カルテルを結んだ疑いがあるとして、大手メーカーの「レンゴー」(大阪市)や「トーモク」(東京都千代田区)など数十社と「東日本段ボール工業組合」(中央区)など約40カ所を立ち入り検査した。
関係者によると、その後、公取委が各社担当者らの事情聴取を進めたところ、一部の担当者が「各社の社長で話し合って値上げを決めていた」と話し始めたという。このため公取委は、カルテルが3県だけでなく全国で行われている可能性が高いと判断。実態を明らかにするため再度の立ち入り検査に踏み切った模様だ。
19日に立ち入り検査を受けているのはレンゴーやトーモクのほか「王子チヨダコンテナー」(東京都中央区)など。業界の全国団体である「全国段ボール工業組合連合会」(同)も対象になっている。
カルテルの疑いがあるのは、段ボール箱と組み立てる前の段ボールシートの販売。年間の市場規模は全国で約1兆5000億円で、検査を受けた各社でシェアの大半を占める。
各社は遅くとも数年前から値上げの幅や時期を話し合って決め、競争を制限した疑いがある。
昨年末から今年2月ごろにかけては、原材料の古紙の価格やボイラー燃料が高騰したとの理由で、段ボール製品を横並びで10%以上、一気に値上げしている。
段ボール業界を巡っては、82年に東日本、89年に東海と北陸の各地区で段ボール業者が価格カルテルを結んだとして課徴金納付命令を受けるなど、これまでに公取委から約20回の処分を受けている。【古関俊樹】
◇検査に全面協力
レンゴーとトーモクは「立ち入り検査には全面的に協力する。当社がカルテルに関わった事実はなく、社長が関与したこともない」、王子チヨダコンテナーと全国段ボール工業組合連合会は「検査を受けており全面的に協力する」と話している。