スマホも快速"スマ駅"増えた 関西私鉄で進む無線LAN整備
産経新聞 10月11日(木)16時57分配信
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阪急塚口駅では9月から公衆無線LANサービスが使えるようになった(阪急電鉄提供)(写真:産経新聞) |
関西の私鉄各社が駅の携帯端末の通信環境の拡充に乗り出している。阪急電鉄は平成26年中に公衆無線LANサービスをほぼ全駅で使用できる環境を整備する計画で、9月には京阪電気鉄道が全駅で、阪神電気鉄道はほぼ全駅で使用できるように整備した。スマートフォン(高機能携帯電話)などが普及するなか、高速データ通信サービスを利用できる場所を増やすとともに、混雑時などの携帯電話回線の逼迫(ひっぱく)を避けるのが目的で、利用者の通信環境の変化に対応する。
阪急電鉄は9月29日までに神戸線の塚口、夙川など6駅でKDDIやソフトバンクモバイルなど3社のサービス提供を始めた。神戸線のほか、京都線や宝塚線で拡充。26年9月をめどに大阪市営地下鉄と共同管理する天神橋筋六丁目駅を除くすべての85駅でサービスが使えるようにする。
沿線のグループの商業施設などでも提供する。すでに「阪急三番街」(大阪市北区)と「阪急西宮ガーデンズ」(兵庫県西宮市)でKDDIなど2社のサービスが使えるが、今後は「ヘップファイブ」などに広げる。担当者は「高速通信でインターネットやメールなどを快適に利用してもらえる」としている。
同じ阪急阪神ホールディングスの阪神電鉄は9月29日から、阪神本線、なんば線、武庫川線などのほぼすべての駅(49駅)で阪急と同じ3社のサービスが利用可能になった。3月の阪神本線甲子園駅から導入し、「積極的に整備を進めてきた」(担当者)という。
また京阪電鉄も9月28日から全60駅でKDDIやUQコミュニケーションズなど3社のサービスを使える環境を整備。NTTドコモのサービスも年内には交野線と宇治線を除く46駅で使えるようにする。
このほか近畿日本鉄道は大阪上本町や大阪阿部野橋など10駅で展開し、南海電気鉄道も天下茶屋や新今宮駅など4駅で整備済み。南海は「今後の拡大を検討している」という。
無線LANサービスは大学や病院などの公共施設をはじめ、コンビニエンスストアや飲食店などに広がりを見せている。昨年から今年にかけてはドコモなどで通信障害が起きたこともあり、データ通信を分散させる意味でも利用できる場所は今後も増加が見込まれている。携帯電話事業者によっては未対応のサービスもあるが、鉄道事業者は「将来的には大手事業者すべてのサービスに対応したい」(阪急)と説明している。