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2007.02.11
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カテゴリ:演劇
松竹座


待ちに待ってたこの舞台、10日に観てきました!
もう、感激ですvv@@

出演:市川染五郎、阿部サダヲ、古田新太、秋山菜津子、真木よう子、高田聖子
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり

ストーリー:古の某時代、某国。
乱世の中、口先だけで世の中を渡ってきた野心に満ちた男、ライ(市川染五郎)の前に、朧の森の魔物たちが現れる。
魔物たちはライの望み、この国の国王になることをかなえる代わりに、彼の命を要求する。
かくして、頭は悪いが腕っ節の強さだけが取り得の弟分のキンタ(阿部サダヲ)と共に、ライの血塗られた闘いが始まる・・。

↓ネタばれありますのでご注意!!


シェイクスピアの「リチャード三世」を下敷きに、「酒呑童子伝説」の世界観に置き換えたものだそうですが、いやはや、染五郎さんの悪っぷりには色気すら感じてしまいました。
「リチャード三世」に比べると、「マクベス」なんてすごい善人ですよね。罪の意識にさいなまれるんだから。
ライなんて、何人騙して殺そうが、なんとも思ってないんですよ。
全ては自分が王としてのし上がることだけを目的としている。
恐ろしいです。ぞくぞく美しいほど恐ろしい。
でも、やはりそういう人は幸せにはなれないんです。壮絶に死んでいくのみ。
そういう運命なんですよ。
それを染五郎さんは見事に演じきってました。

サダヲちゃんがまたいいんですよ!彼の動きって、顔が見えなくても彼って分かりますよね。
あの、軽々とした若々しい機敏な動き。
歌も上手いし踊れるし殺陣も出来るし演技も上手いし~~v
また惚れ直しちゃいましたよvv
後半、死んでしまったと思った彼が再び現れて、「目が見えなくなった分、いろんなことが見えてきたよ」と言ったシーンでは私はほんとに涙をぼろぼろ流しながら泣いてしまいましたよ!@@
いえいえ、普通は泣くシーンではなく、他の人は別に泣いてたりしてないんでしょうが;;
あんなに信じきっていた人に裏切られて、でも憎みきっていない彼に凄いいとおしさを感じてしまった;;
サダヲちゃん、やっぱり上手いよ、あんたは!!

舞台はセットも美しくて凝っていて、舞台変転も素早くって、感心しきり。
そして雨!本当の雨(水)が降るんですよ!ジャージャーと!!
舞台中央から滝は流れ落ちるし!!!
話には聞いてたけどほんとに圧巻でしたねえ~~@@
あの衣装、濡れちゃうなあ~、足滑らないかな、あの流れる水はどこに落ちていってるんだろ、なんて色々気になってしまいましたが(^^;)上手く舞台設計されてるんでしょうけど。

そして花道!これがいいですよねえvv
役者さんたちが凄い真近に見えたし!!vv使い方もうまいなあ~~と思いました。

主人公ライの名は、「酒呑童子伝説」の中で、大江山に鬼退治に行く武将の一人、源頼光(みなもとのらいこう)からとってるんだそうですが、私はLie(嘘)からとってるんだと思ってました。サブタイトルも「Lord of the Lies」だし(^^;)

私、漫画「DEATH NOTE」の大ファンで、こんな悪党を主人公にする漫画なんて、新鮮~~とか思ってましたが、シェイクスピアなんて、はるか昔にそういう物語を書いてるんですよね。
改めてシェイクスピアって凄いなあ~~と最近思ってます。
これだけ時代が変わっても、年月を経ても、いいものは残っていくんだなあ、と思います。

シェイクスピアって、堅苦しいものではなく、その時代ではいわゆる流行テレビドラマのようなものだったんですよね、その時代の人々をひきつけるような話題性を持った。
だから、人間臭い。人間の本能、本質を描いている。
誰だって、自分が一番可愛いし、煩悩や欲望はいっぱい持ってるし。
そして、古の時代から、「正義ってなんだ?」という問いかけはずっとあるんですよ。
これは永遠のものかもしれませんね。
この作品を観てて、凄くそういうことを感じました。

ライは、多くの人々を騙して殺めてきた。キンタもその中の一人。
でも、彼自身、意識してなかっただろうけれども、キンタにだけは慈悲があった。
一思いに殺そうと思えば殺せたのに、目だけを傷つける様に仕向け、急所をわずかにはずしていた。
この部分に、私は涙出ました。このわずかな部分に、中島さん、いのうえさんの思いが入っているのかな、と思います。

一時も飽きさせない、スピーディで人間臭くて魅惑的なアクション時代劇です!!☆☆









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最終更新日  2007.02.12 01:07:17



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