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今期の直木賞受賞作を読了。 まぁ、タイムリーなものも読んどかなきゃな、ってわけで、 初めて中島京子の長編作品を手にする。 主人公・タキが昭和初期の女中奉公の日々を 手記にてふり返る、というカタチをとって 物語は進行してゆく。 途中、あまりにも淡々と進む内容に、 「普通に読みやすいけど、これが直木賞なら 物足りないなぁ」と内心思っていたところ、 この物語のポイントは、最終章! 緻密な取材の裏づけがあってこそのストーリー展開。 このラストにつなげるための伏線もなめらかで無理が無く、 読後感がいい、っていうのも好感が高いのかも。 時代背景、淡い恋心の描きかたもきれい。 とにかく着地がうまい、という印象が強い。 作者は2006年~2008年の3年連続、 吉川英治文学新人賞候補に上がっていた実力派。 今回は、満を持しての受賞といえるでしょう。 直木賞受賞作としては、2008年下半期の 天童荒太『悼む人』&山本兼一『利休にたずねよ』以来の 私のなかでのヒットだなぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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