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ベストセラー『悩む力』やテレビの討論番組などでも有名な 熊本出身の政治学者・姜尚中(カン・サンジュン)さんの 自伝的小説。 戦中に朝鮮半島から渡ってこられた 姜さんの母(オモニ)・禹順南(ウ・スンナム)さんを主人公に 全篇、エッセイ風に綴られている。 貧しさ、差別、移り変わる時代風景。 そのなかを「何とかなるけん」と立ち向かってゆくオモニ。 作中には健軍、鶴屋、立田山、恵楓園、熊本駅・・・と 熊本人ならおなじみの地名や固有名詞が登場し、 この地で確かに生き抜いた、ひとりの女性の姿を 思い起こさせる。 テーマの柱でもある人種問題については 私は知識も浅く、気の利いたことなどはいえないけれど、 (是非を問うものではなく、 だってそれはそれこそいろいろな立場の人がいるわけで) 激動の時代をかけぬけたオモニやオモニのまわりの人々の生き様から 何かを感じ取るための読書になったのではないかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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