テーマ:ペットの死(562)
カテゴリ:dogs
昨日はクックの命日でした。
ちょっと長くなりますが、 今日はクックのことを書きたいと思います。 どこかに、クックのことを書きとめておきたい、 ずっとそう思っていたから。 クックは私が12歳の誕生日に同級生からもらった犬です。 柴犬よりふたまわりほど大きい雑種の雌で、 母親から早く離したせいか、臆病で家族以外には 絶対なつきませんでした。 けれど家族には絶対服従で、何をしても怒ることはなく、 本当に家族の一員でした。 散歩は私の担当だったのですが、 だいたい庭に放してあったので 私も行ったり行かなかったり・・・ 今では考えられないことなのですが、 やっぱり自分のことが優先だったのです。 それでもやっぱりクックはかわいかった。 かわいかったというよりも、私の姉のような存在だった。 お座りしているクックにしがみついているだけで安心した。 自分の年齢が行くにつれ、 言わなくても目で想いが本当に伝わるような気がしていた。 ずっと元気で病院にいくのは予防接種のときだけ。 そのクックが12歳になる前の1月に突然ごはんを食べなくなり、 倒れてしまいました。 病院に駆け込んだら先生に今夜が峠ですといわれた。 その前からおっぱいが腫れていて乳腺炎かガンか、 きってみないとわからない、しばらく様子をみようといわれていたけど 何年かそのまま状態はかわらず、クックは元気だった。 けれどクックが倒れて、家族は手術を決意しました。 1日でも長く、一緒にいてもらいたいと思ったから。 手術でたくさんあったおっぱいをいっぺんにとった クックの傷の跡が痛々しかった。 おむつをしても、トイレをしに庭にでるという。 (晩年はほとんど家の中にいたので) 私はクックがそうしたいのならと、したいようにさせていたけど 今思えばそれがいけなかったのかもしれません。 クックはガンだった。傷口は癒えることなく、 そもまま潰瘍のようになり、後ろ足が壊死していきました。 本当に寝込んで動けなくなったのは、1週間くらいだったと思う。 ちょうど、私が大学を卒業して出版社に就職が決まり、 卒論が終わった1月からアルバイトに来て欲しいといわれていました。 朝7時前に家を出て、終電で家に帰る日々が続きました。 そうなることは分かったいたので 就職が決まったときクックの散歩はどうしよう、と真っ先に思った。 その矢先にクックが倒れたのです。 3月31日、その日も私は健康診断に行かなくて行けなかった。 次の日は入社式でもう絶対仕事は休めない。 私は、もうしっぽを振ることもできなくなったクックに いつものように「仕事にいってくるね」と挨拶にいった。 その何日か前からクックは痛がってキュンキュンと鳴くようになった。 病院の先生から「安楽死」という言葉がでた。 私は絶対首をたてにふれなかった。 けれど、その日、クックは私たちのために がんばっているような気がしてならなかった。 一生懸命首を上げるクックに私は泣きながら 「ごめんねクック。もう、がんばらなくていいよ。私は大丈夫だよ」 そういった。 するとクックの目から大粒の涙かこぼれた。 犬も確かに涙がでる。 けれど、後にも先にもクックの涙を見たのはあれが最後だった。 私は悟った。「ああ、これが最後なんだな」 それでも私は健康診断にいった。 その後は仕事に行くつもりだった。 病院で犬の鳴き声がしたような気がして 家に電話をした。家にいた妹がでた。 「クック、死んじゃったよ。眠るように息をひきとったよ」 私は会社を休み、そのまま家に戻った。 クックは私たちのために生き、 私が仕事を休める最後の日に旅立った。 最後まで私の気持ちを見通していた。 何も分からなかったのは私の方だった。 どうして私はあの時そばにいてやらなかったのだろう。 どうして仕事に行ってしまったのだろう。 後悔しても後悔しても取り返しがつかなかった。 私はどうすればよかったのか? 私が首を立てに振らなかったから、 クックの苦しみを長引かせてしまったのか? 私は仕事から帰ってきて いつもなでていたクックの頭のかわりに クックの骨壷をなでていた。 クックを抱きしめるかわりに骨壷を抱きかかえていた。 考えても考えても答えは出なかった・・・。 クックがいなくなってから 1年がたち2年がたち、いつまでたっても悲しみは癒えなかった。 もう2度と犬は飼わない、そう思っていた。 クックがいなくなってから6年がたち、 猫のチビが息をひきとった。 クックがいなくなってから9年がたち、 猫のたきが旅立った。 そしてだんだんと私の思いは変化した。 私もいずれ向こうにいくのだ。 クックは私たち家族を幸せにするという 使命をもってこの世にうまれ、そして命をまっとうした。 何より、クックが苦しいということは、もうない。 私もクックのように自分の命を生き切るから だから待っていてね。 必ず、また逢えるよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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