|
カテゴリ:あのころ
子供のころ、私には憧れの女性が何人もいた。 チビでちんちくりんだった私(今でもそうです)は テレビっ子だったので、アニメの中に登場する美しい人に憧れを抱いていた。 銀河鉄道999のメーテルや宇宙戦艦ヤマトの森雪の 顔から飛び出るくらいに長い睫毛や素晴らしく長い手足のスタイルの良さも美しい顔も とても素敵だったし、他にも色々と憧れたキャラクターはいたが 私がその中でも一番憧れていたのは・・・ エースをねらえ!のお蝶夫人だった。 お蝶夫人は完璧な人であった。 ものすごい美人でスタイルが良い。 頭も良い。テニスも上手い。 どんなときもお姫様みたいに素敵な縦巻きカールが乱れることがない。 高校生なのにとにかく大人で落ち着いている。 素敵なお父さんがいて(権力者っぽかった)、お金持ち。 お城のようなお家に住んでいる。 全てにおいて素敵だった。 同じ人間とは思えない完璧さであった。(漫画だから人間じゃない)
お蝶夫人は、その頃の私のように狭いお茶の間のちゃぶ台でご飯を食べたりしない。 日差しが降り注ぐ広いお部屋の大きなテーブルで優雅な食事をする。 私のように三ツ矢サイダーを買って酒屋さんからもらった ドラえもんのグラスなんかで飲み物を飲んでいたりしない。 当時の我が家では見たことがなかったワイングラスらしきものや 素敵なティーカップで上品に飲み物を飲んでいる。
お蝶夫人の部屋は広く、お部屋の中も素敵である。 そのお部屋にいるときも完璧である。 椅子に腰かけて読書をしていたりする。 私のように地べたにゴロゴロしながら漫画を読み 終いには顔に畳のあとをつけながら寝てしまうなんてことはない。 当時の私の部屋にあった椅子なんて安い座椅子だった。 背もたれの部分を一度前に倒すとフルフラットになり、 そこからカチっカチっと安っぽい音を立てて2段階くらいに 背もたれ部分が固定されるようになっていた。 あるときは座れ、またあるときは倒れて寝られるなんて これぞ魔法の椅子だと買ってもらって大喜びしていた。 そしてその座椅子の背もたれ部分に趣味の悪いTシャツを着せて オシャレな椅子になったと喜んでいた。 お蝶夫人なら絶対そんなセンスの悪いことはしない。 というより座椅子なんて買わないし、座らない。
お蝶夫人は寝る格好も完璧である。 ネグリジェにガウンを羽織っていたりする。 私のようにおなかが冷えるといけないからといって パジャマのシャツをパジャマのズボンの中に入れていたりしない。 ましてや半纏など絶対に着ていない。
お蝶夫人は本名も完璧である。 竜崎麗香である。 まさにお蝶夫人のためにあるような名前である。 名前からして間違いなく上流階級である。 苗字も名前も完璧に素敵で、 子供のころはそんな名前だったら良いのになぁと羨ましがっていたが その名前はお蝶夫人だから良いのであって 私がもしかして偶然にも竜崎という姓に生まれ 親が血迷って麗香などという美しすぎる名前を 私に付けなくて良かったと今は心から思う。 そんなことになったら完全な名前負けで もっと悲しい人生になったに違いない。
もし・・・お蝶夫人が実在してそのまま歳を重ねているとしたら どんなに素敵なおばさまになっているだろうか・・ お蝶夫人のドキュメンタリーとか 情熱大陸とか見てみたいわ~
でもあの頃は何とも思わなかったが 高校生で結婚もしていないのに お蝶夫人・・夫人て・・ すごいなぁ、誰が付けたのか。
結構な年数を生きてきて友達も皆結婚し誰かの妻になったけど 私のまわりで○○夫人て呼ばれている人、いまだに聞いたことがないな。
何年も前に買った小さな木靴。 気に入って買ったはいいけど飾る場所が定まらないこと数年・・ いまだに行き場が見つからず階段のサルに持ってもらうことにしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 14, 2011 02:40:21 AM
コメント(0) | コメントを書く |