三千鴉の恋歌 #26 あらすじ
三千鸦杀 Love of Thousand Years第26話「愛する人のため」傅九雲(フキュウウン)は霊灯の灯心だった。妖王から真実を聞いた覃川(タンセン)は驚愕し、崩れ落ちるようにへたり込んでしまう。「そりゃ〜お前に言えるはずがない まあ〜お前を霊灯から引き離すためには嘘もつくだろう、己の命が惜しいからな? お前の亡国の恨みなど、奴の長〜い命に比べたら取るに足らぬ ひどい仙人もいたものだ〜ここまで身勝手とはな?お前の真心を踏みにじったのだ でも傅九雲はもう虫の息だ、お前の顔を見て悪あがきされたら面倒だが、 真相を教えたのは何も知らずに騙されている一途なお前が哀れだからだ」すると泣き崩れていた覃川が妖王にすがりつき、九雲に会わせて欲しいと懇願する。妖王はおとなしく燃えるよう九雲を説得するなら会わせると条件を出したが、そこへ何も知らずに亭渊(テイエン)が現れた。そこで妖王はこの機会に亭渊も片付けようとしたが、覃川が止める。「羅(ラ)国帝女が天原国皇子の命乞いか?」「…いいわ、彼に会わせて」亭渊はついに覃川の正体が驪国の帝女・燕燕(エンエン)だと知った。一方、左紫辰(サシシン)は氷の扉に閉じ込められた玄珠(ゲンシュ)を見つけた。しかしどんなに割ろうとしても氷はびくともしない。その時、洞窟が揺れて崩れて来た。玄珠は紫辰だけでも逃げるよう訴えたが、紫辰は諦めずに血まみれの拳で氷を殴り続ける。するとついに氷にヒビが入った。|ω・`).oO(かんざしで刺せば良かったんじゃ…妖王が覃川を連れて火口へ戻って来た。驚いた九雲は来てはだめだと叫んだが、覃川は岩に横たわっている九雲の元へ飛び降りてしまう。「九雲、苦しんだのね…教えて、あなたは灯心なの?」「そうだ、隠すつもりはなかった、そなたを死なせたくなくて…でもそなたの意思は固かった 小川、霊灯をそなたに渡すと決めた時に決心した 霊灯をともすなら、そなたには知らせずに燃え尽きようと…」覃川は九雲の深い愛情に心打たれ、思わず抱きしめた。「私も一緒よ…」すると覃川が白紙仙術で仙鶴を招喚する。仙鶴はその身体を燃やしながらも、2人を無事に火口まで送り届けてから燃え尽きた。九雲は戦える霊力などなかったが、覃川を守るため果敢にも妖王に襲いかかった。しかしまともに掌(ショウ)を受け、激しく吹き飛ばされてしまう。妖王は九雲に駆け寄る哀れな覃川を眺めながら、不敵な笑みを浮かべた。「驪国帝女よ、肉親が死ぬのは見たであろう?…次は愛する者だな?」驚いた覃川は傷だらけの九雲を抱きしめ、燃えないようかばう。妖王はそんな2人めがけて一撃を放とうとしたが、その時、ふもとで待っているはずの白(ハク)公子が立ちはだかった。「やっぱり僕が必要だろう?」「小白!」「ぶはっはっはっは、白月星雲鏡(ハクゲツセイウンキョウ)か、たかが仙鏡が出る幕ではないわ!」妖王はあっさり小白を投げ飛ばし、九雲を黒煙で捕まえ引き寄せた。覃川と小白は九雲を救おうと妖王に立ち向かったが、近づく間もなく吹き飛ばされてしまう。「傅九雲、仲間を助けたくば早く灰になったほうが良いぞ?」覃川はなす術なく呆然と座り込んでいた。するとふいに師匠の言葉を思い出す。…白紙仙術の究極の境地に達するには身を差し出すのです…いつか分かる時が来るでしょうそこで覃川は短剣を握りしめ、自分の心臓を突き刺してから白虎を招喚した。九雲は妖王が白虎に襲われている隙に覃川の元へ駆け寄った。しかし白虎も火口へ突き落とされ、激怒した妖王は全員を始末しようと溶岩を集め始める。驚いた小白は最後の力を振り絞って九雲たちの前に立つと、妖王が放った炎を全て飲み込み、一気に吐き出した。すると激しい熱波を浴びた妖王は思わず霊灯を落とし、そのまま火口へ消えて行く。こうして九雲と覃川を守った小白だったが、白月星雲鏡は粉々に割れた。( ;∀;)えーっ!しゃぉばい…その頃、紫辰はついに氷を割ることに成功、玄珠を救出した。一方、眉山(ビザン)君はようやく火口へ到着したが妖王の姿はなく、九雲が意識のない覃川を抱きしめている。「何があった?!」「私を救うために自ら心臓を突き刺したんだ」そこで眉山は仙術で覃川の心臓を封じ、一刻も早く下山するため小白を探した。しかし九雲が小さな鏡の破片を見せる。破片にはもはや小白の姿は映らなかった。九雲が覃川を抱いて立ち上がると、その時、瓶が転がり落ちた。すると瓶から香取(コウシュ)山主の叫ぶ声が聞こえる。山主は必死に靂渊(レキエン)に騙されたと訴え、命乞いした。しかし眉山はそもそも強欲な山主が全ての元凶だと断罪する。そこで火口に瓶を投げようとしたが、九雲が止めた。「これ以上、誰かが死ぬのは見たくない…」仕方なく眉山は瓶を火山に捨て置き、九雲の後を追った。九雲たちは桃源(トウゲン)鎮の宿に落ち着いた。覃川を手当てした眉山は九雲と部屋を出ると、あと少し深くまで刺していたら危なかったと告げる。「かなり消耗している、寿命が縮むかもしれん」「霊灯をともせば命はわずかだ、寿命など…」眉山は覃川もさすがに九雲を燃やそうとは思わないと言った。しかし九雲は自分が灯心と知っても覃川にやり遂げて欲しいという。「共に生き、共に死ぬなら怖くない… むしろ怖いのは彼女が私のために宿願と信念を捨て、苦しみの中で生きることだ」九雲の覃川への揺るぎない愛と理解に眉山は深く感銘を受け、ただ黙って九雲の肩をポンと叩いた。すると眉山がふとあの火山がおかしいと思い出す。「確かに、火山…妖王…」九雲は師匠の最期の言葉から手がかりを探した。…目の前の災いはわしが止めた…この先の未来の災いはもう抑えられん…今後はやつに近づいてはならん、霊灯を守るのだ、お前の命のために「″未来の災い″とは一体、何なのだ?」九雲は妖王がこうもやすやすと死ぬとは思えず、何か別の目的があって消えたと疑った。|ω・`),oO(師匠の″最期″の言葉って書いたの何度目かとw一方、亭渊は紫辰と玄珠を連れて鯪(リョウ)州王府に戻っていた。すでに香取山に連絡したため、明日には左相国(サショウコク)が迎えに来てくれるという。玄珠は沐浴しながら、自分を必死に助けようとした紫辰の姿を思い出して笑顔になった。しかしふと宮女たちの噂話が耳に入り、再び自尊心が傷ついてしまう。<一番上等の薬湯を使うなんて驪国の公主かしら?<じゃあ第二皇子に嫁ぐっていう?<違うわ、彼女は帝女じゃなく藩国の公主よ<え~っ!厚かましいわねえ~覃川は傷の痛みで目が覚めた。付き添っていた九雲は傷口が開いたと気づき、薬を塗ることにする。「…生きていたのね」「ああ、そなたのおかげだ、妖王は火口へ落ちたぞ、霊灯も戻った」「…小白は?姿が見えないけど」すると九雲は手鏡を出し、霊力を使い果たして眠ってしまったという。「休みが必要なんだ…」九雲は風呂好きの小白のため、手鏡をおけの中に浸けてやった。九雲は覃川を起き上がらせた。そこで上着を緩めて肩を出そうとしたが、覃川が慌てて拒む。「誰が包帯を巻いたと思っているんだ?」九雲が失笑すると、覃川は素直に薬を塗ってもらうことにした。「う″っ…」想像以上の激痛に顔をゆがめる覃川、すると九雲は左手を差し出し、自分の手を噛むよう勧める。「…こんな痛みを何度も経験して来たのね?」「そうだな」「痛い時は誰の手を噛んだの?…小白?」九雲はうっすら笑みを浮かべただけで、何も答えなかった。「もし霊灯をともしたら…とても痛い?」「…さ、済んだぞ」薬を塗り終わった九雲は何と答えたら良いのか分からない。「九雲、私…」覃川は辛そうに言葉を詰まらせると、九雲も黙って覃川を見つめた。しかし急に覃川の表情が和らぐ。「私、酥油餅(スーユービン)が食べたい…クスッ」( ;∀;)小川…その夜、玄珠は悪夢を見ながらうなされた。「寒い…寒い…紫辰…寒い…逃げて、紫辰…」付き添っていた紫辰は布団をもう一枚かけたが、玄珠の震えは止まらない。そこで紫辰は隣に横たわり、玄珠の手を握りしめて温めてやった。「1人の時はいつもこうだったのか?…今まで苦労かけた、これからは私がそなたを守る」すると紫辰は玄珠を抱きしめた。(  ̄꒳ ̄)紫辰…告白は起きてる時に言いなさいよ~翌朝、九雲は覃川を連れて酥油餅の露店にやって来た。覃川は自分も酥油餅屋を開きたいと話したが、そこへ店主が焼きたての酥油餅を持って来る。「良い時に来たね~ここは驪国の隣だろう?1年前は店でも家でも肉を食べられなかったんだ 妖魔が来るのが怖くてね~ それがどうしたことか、妖魔の大半が南蛮に行った、道士の話では妖王が戻ったらしい」「老板、焦げているぞ?」九雲は覃川の耳に余計な話を入れないよう、店主を追い払った。つづく( ๑≧ꇴ≦)餅が食べたい!でも糖質が高い(←そこかw