燕雲台-The Legend of Empress-#42 あらすじ
燕云台 The Legend of Xiao Chuo第42話「姉妹の反目」皇太后・蕭燕燕(ショウエンエン)は先帝の死を悲しむ時間もなく政務に追われていた。そんな中、長寧(チョウネイ)宮に足を運んだが、寝台ですでに息絶えた渤海(ボッカイ)妃・玉簫(ギョクショウ)を発見する。枕元には遺書があった。…太后、申し訳ありません…陛下が崩御され生きる気力を失いました…陛下お一人では寂しいでしょう、私がお供します…太后、あなたに薬師奴(ヤクシド)を預ければ安心できます…お許しください、太后に全てを委ねて逝ってしまう私を…このご恩は来世でお返しします燕燕は乳母の腕に抱かれた薬師奴の顔を見ながら、まだ何も知らない赤子の行く末を案じた。一方、皇太妃・蕭胡輦(ショウコレン)は耶律喜隠(ヤリツキイン)の弔問に出かけた。趙(チョウ)王妃・蕭烏骨里(ショウウグリ)は棺からずっと離れず、涙も枯れ果て憔悴している。「大姐…遼では誰もが明扆(メイイ)の葬儀に奔走している、大姐だけが2人を弔いに来てくれた」胡輦は燕燕を恨まぬよう言い聞かせたが、夫と子供を殺された烏骨里の怒りは収まらなかった。「燕燕は大勢、子供がいて全員、無事なうえ、息子は帝位を継げたわ!…でも私は? 私には留礼寿(リュウレイジュ)だけ、たった1人の子だった…ゥゥゥ…」胡輦は烏骨里の無念を理解しながら、自分たちは一心同体の姉妹だと訴えた。しかし愛する家族を失った烏骨里の心にはもはや姉の言葉は響かない。…私と蕭燕燕はもはや姉妹ではない…その夜、耶律斜軫(ヤリツシャシン)は偶然、趙王妃の馬車を見かけた。「こんな夜遅くにどこへ出かけるんだ?怪しいな…」斜軫は従者の阿古(アコ)と追跡することにしたが、ふいに横道から想い人の蕭海瀾(ショウカイラン)が現れる。「またあなたなの?!」「誤解だよ~趙王妃の馬車が出かけるのを見たんだ」「でたらめよ!」海瀾は気を引くための嘘だと疑う。そこで斜軫は阿古を待たせ、海瀾を連れて馬車を探しに向かった。その頃、烏骨里は蜀(ショク)王府を訪ねていた。耶律道隠(ヤリツドウイン)は新帝の即位にケチをつけて以来くすぶっていたが、趙王妃から思わぬ提案を持ちかけられる。「大王、私はあなたを支持するわ…」烏骨里は皮室軍に対抗できるよう趙王府の精兵が支えると約束し、謀反をけしかけた。成功した暁には耶律李胡(ヤリツリコ)の斡魯朶(オルド)を譲るという。しかし道隠は考えさせて欲しいと返事を保留した。耶律斜軫と海瀾は蜀王府から出てくる趙王妃を見た。すると耶律道隠が馬車を見送り、何やら家職と話している。そこで2人は馬を降りて屋敷へ近づき、物陰から様子を見た。「李胡が残した斡魯朶は太祖の息子の斡魯朶のうち唯一、分割されておらぬ 王妃に謀反を持ちかけられたが、あっさり承諾するものか ふっ、まずは李胡の斡魯朶の一部を差し出させよう」斜軫と海瀾には詳しい内容まで分からなかった。しかし斜軫は大事なのは間違いないと確信、海瀾に皇太后に伝えて欲しいと頼む。すると海瀾が驚いた様子で斜軫の顔を見つめた。「あなたは普段はだらしないけど、真面目になると南院大王みたい」「みたいって…私は南院大王だぞ?」(  ̄꒳ ̄)私も斜軫が一番タイプです ←誰も聞いてないw烏骨里は蜀王から良い返事をもらえず落胆して屋敷に戻った。しかしそんな趙王妃を冀(キ)王妃・夷蘭(イラン)が出迎える。夷蘭は幽州で噂を耳にし、自分と同じように夫と息子を失った趙王妃の行動を推測して訪ねて来たと言った。「蜀王との交渉は難航したでしょう? 蜀王は利を見て義を忘れる、呉(ゴ)王は貪欲で好色、平(ヘイ)王は側女の言いなり… 手なずけたければそれぞれ対処しないと、私が諸王に話をつけるわ」蜀王に手を焼いていた烏骨里にはまさに渡りに船、似たもの同士の寡婦は同盟を結ぶことになった。翌朝、燕燕は韓徳譲(カントクジョウ)を呼んで烏骨里が蜀王と接触したと伝えた。徳譲は烏骨里が諸王と結託するつもりなら警戒すべきと進言し、力尽くで制圧するより順に攻略するよう提案する。また私的な集まりや夜間の外出を禁止することで諸侯たちの往来を阻むことにした。そこへ聖宗(セイソウ)・耶律隆緒(ヤリツリュウショ)がやって来る。燕燕はこの機に先帝が生前、聖宗を韓大人に託したと教え、これからは韓大人を″相父(ショウホ)″と呼んで敬うよう命じた。すると聖宗はひざまずき、相父に拝礼する。驚いた徳譲は畏れ多いと恐縮し、今後は聖宗を全力で支えると誓った。燕燕は子孫が多い蜀王一族を招き、子供たちを聖宗の学友にしたいと提案した。息子と孫たちは光栄な申し出を手放しで喜んだが、耶律道隠は愚鈍な子供たちで期待に添えないと難色を示す。「皆、耶律家の子孫で皇族なのだ 頻繁に参内して陛下と仲良くなれば将来、君臣として話もしやすい」屋敷に戻った蜀王妃は皇太后の気遣いを喜び、謀反からは手を引いて欲しいと頼んだ。そもそも家族がこうして平穏に暮らせるようになったのは先帝が釈放してくれたおかげだという。「太后娘娘のお言葉は正しいわ、あなたは年長ゆえ帝位さえ争わなければ厚遇されます もし平(ヘイ)王か呉(ゴ)王が帝位を得れば、あなたを排除するかも…」道隠は確かに時機ではないとあきらめた。燕燕は聖宗を連れて平王府の練兵場にいた。今日は天子の禁軍・皮室軍の中核とする勇士を選定するという。しかし平王府の私兵と精鋭の皮室軍の力の差は歴然、耶律隆先(ヤリツリュウセン)は皮室軍の力を見せつけられ尻尾を巻いた。古狸たちを懐柔した燕燕だったが、烏骨里を説得するのは至難の業だった。昔から人の話を聞かない二姐、すると韓徳譲が皇太妃に頼んではどうかと勧める。しかし燕燕は姉妹で落ち着いて話がしたいと言った。「李胡の系統が望んでいたものを私は与えられる、斡魯朶も正式に継がせるわ…」烏骨里は意気地のない老臣たちに激怒した。すると夷蘭が最後の砦、耶律虎古(ヤリツココ)の出番だという。そこに運悪く胡輦がやって来た。胡輦は入れ違いで帰った夷蘭を見て心配したが、烏骨里は同病相憐む者が語り合うことも許されないのかと反発する。「まだ怒りが収まらないの?…執着を捨てなければ結局、あなたが苦しむのよ?」「大姐…罨撒葛(エンサーグァ)を殺されて恨みはないと?燕燕を助けて後悔していない?! 燕燕の心は私や大姐よりずっと…非情よ」胡輦は烏骨里の言葉に何も言い返せなかった。涿(タクシュウ)刺史となって上京を離れていた耶律虎古が帰京した。すると早々に冀王妃が訪ねてくる。夷蘭は虎古の留守の間に皇太后の寵愛を受ける韓徳譲が増長していると訴えた。今や徳譲は南院枢密使の身で開府儀同三司と政事令総宿衛事に任じられ、しかも聖宗に″相父″と呼ばせているという。「奴婢が陛下の相父になったのですよ?!」虎古は机を叩いて激怒、さすがに相父はやり過ぎだと憤る。すると夷蘭は2人がかつて深い仲だったことを持ち出し、徳譲が皇太后を操っていると吹き込んだ。「韓家父子は昔から仕組んでいたのです、先帝の即位から太后の婚姻まで、全て父子の陰謀でしょう その過程で耶律家の英才が除かれていきました 韓徳譲の兄弟は全員、高位高官で大軍を握っています でも太祖の三支は人皇(ジンコウ)王の系統をのぞき、血統が途絶えました 帝位に最も近い親王が次々と殺された、陛下と太后だけとなればたやすく操れます」夷蘭は韓徳譲が始めた科挙でも仕官したのは漢人ばかりだと話し、徳譲が己の未来のために道をつけていると疑った。「その話が本当なら韓徳譲を生かしておけぬ…」そんなある日、耶律磨魯古(ヤリツマロコ)は先帝が定めた法を破り、かつての奴婢を強引に連行した。この暴挙に州や県は反発、耶律虎古の弾劾を求める。韓徳譲はなぜ州や県に本籍を移した者を捕まえたのか追及したが、虎古は堂々と奴婢たちが飢えと寒さのため戻って来たと嘘をついた。「私は気の毒に思って引き取っただけだ、疑うなら聞いてみたらどうだ? そもそも私が守るのは太宗と太宗以来の契丹の法だ」「未だ旧習にしがみつくなら朝堂を去り、遊牧でもせよ、勝手な真似は許さん!」「勝手な真似?私は契丹の重鎮だぞ?お前など黙っておれ!」すると虎古は帰ってしまう。一方、燕燕はようやく重い腰を上げ、趙王府へ向かった。二姐はわざわざ屋敷の前で燕燕を出迎えてくれたが、どこかよそよそしい。「二姐…私を恨んでいる?」「恨んでもどうにもなりません…喜隠は結局、死にました 喜隠は臨終で過ちを認めました、己の野心のため息子を失い、私の人生を台無しにしたと…」烏骨里はやけに冷静だった。するとふいに燕燕に腕をつかまれ、烏骨里は一瞬、たじろいでしまう。「ごめんなさい、喜隠を守れなくて…」つづく|ω・`)今さらまろこ〜誰と結婚したのかな? ←え?どうでもいい?w