斛珠夫人~真珠の涙~ #2あらすじ
斛珠夫人 Novoland:Pearl Eclipse第2話「元宵節の夜」方海市(ホウハイシー)は暗衛営の指揮使(シキシ)である方諸(ホウショ)の直弟子でありながら、出仕を許してもらえなかった。不満が募る海市、そんなある晩、偶然、師兄たちの話を小耳に挟む。実は皇宮の東門から西に5丈の場所に木があり、その後ろがちょうど死角になっているというのだ。そこで早速、覆面に黒装束姿で皇宮に忍び込んだが、呆気なく兄弟子・方卓英(ホウタクエイ)に捕まってしまう。(,,Ծ‸Ծ,,)<私より武芸のできない新米が護衛の当番に選ばれてるのに…ブツブツ今年も元宵節(ゲンショウセツ)がやって来た。灯会で賑わう都・天啓(テンケイ)、実は旭(キョク)帝・褚仲旭(チョチュウキョク)にとっても忘れることのできない大切な日だ。当時、褚仲旭は盟友の方鑑明(ホウカンメイ)と街へ出かけ、偶然、美しい娘とすれ違った。一目で心を奪われた褚仲旭は運命を感じ、その娘から強引に仮面を外してしまう。侍女は失礼な公子に激怒し、思わず声を荒げた。『無礼者!この貴人をどなたと…』『知っている、注輦(チュウレン)の紫簪(シサン)だ!…私は褚仲旭』それが2人の出会いだった。元宵節の晩、海市は師匠のため元宵を手作りするつもりだった。しかし暗衛営の陳哨子(チンショウシ)が指揮使を迎えにやって来る。落胆した海市はまた貴人のお出かけかとぼやいたが、師匠に叱られ、部屋から追い出されてしまう。「指揮使、護衛は必要ないという陛下の命に背いて暗衛営を動かせば、君臣の間に溝ができるかと…」「大微の皇帝は万世一系、血脈を守らねば…」方諸はその代わり皇帝に気づかれないよう配下たちに距離を保って護衛するよう指示した。褚仲旭は方諸と2人で賑やかな灯会に出かけた。しかしふと紫簪との出会いを思い出し、急に焦燥感に襲われて仮面を外してしまう。一方、海市も退屈しのぎに街へ出ていた。すると護衛当番のはずの卓英が現れる。「今日の持ち場は会仙楼(カイセンロウ)なんだが、賑やかな様子を見ていたらつい足がここへ…へへっ」その時、玉飾りの露店が目に留まった。店主の話では同じ玉から彫ったもので″永遠に共に…″という意味があり、恋人への贈り物に最適だという。卓英は霽風(セイフウ)館には独り身ばかりだと大量に買い占め、海市にもひとつ渡したが、海市はいらないと返した。褚仲旭が仮面を外したせいで人混みに紛れていた刺客が簡単に皇帝を見つけた。「陛下だ、そばにいるのは方鑑明だろう…今すぐ全員、ここに集めろ」その頃、褚仲旭は店先で元宵を食べている男女を見かけ、足を止めた。仲睦まじい2人の姿に自分と紫簪を重ねる褚仲旭、あの頃はこのまま2人の幸せな人生がいつまでも続くと信じて疑わなかった。「腹が減ったな…」褚仲旭は空いた席に座って元宵を食べることにしたが、方諸はいつ残党に狙われるかと気が気でない。その時、夜空に花火が上がった。海市は卓英と通りで立ち止まり、花火を見物していた。すると怪しい男と肩がぶつかり、海市はその男を追跡することにする。卓英はちょうど目の前の露店で絹糸を選んでいる美しい娘に見とれ、海市が消えたことにも気づかなかった。しかしふと目を離した隙に娘を見失ってしまう。付近を探し回る卓英、そこでようやく海市がいないと分かった。刺客が続々と集結、剣を片手に露店の方諸に襲い掛かった。方諸は皇帝を巻き込まないよう刺客を引きつけ通りで応戦する。その時、刺客を尾行して来た海市が露店にいる皇帝に気づいた。父の敵である皇帝に近づこうとする海市、しかし、突然、刺客に襲われてしまう。海市は瞬時に避けて後ずさりすると、師匠と合流した。「自分と陛下の身を守れ」「狙いは師父では?」「うるさい!」すると方諸は海市を元宵の露店まで放り投げた。恨めしそうに皇帝を警護する海市、そこへ待機していた暗衛営が駆けつける。「先に戻れ!」方諸は街から飛び出し、刺客を誘き出した。海市は師匠を追いかけようとしたが卓英が捕まえた。「戻れとの命だ」すると褚仲旭は自分を睨みつけていた少年に興味を持つ。「あの者も霽風(セイフウ)館の?」「名は方海市、指揮使の弟子です…まだ若く世間知らずです、無礼はお許しを」陳哨子(チンショウシ)は慌てて拝跪し、謝罪した。方鑑明の暗殺は失敗した。全員が鑑明に殺されたと聞いた蘇鳴(ソメイ)は情報を漏らさぬための口封じだと気づく。「恐らく私が黒幕だと気づいたやもしれぬ…しかし陛下にも知らせぬつもりだろう」かつて逆賊を討った六翼将(ロクヨクショウ)のうち、今も朝廷に残るのは蘇鳴ただ1人だった。誰よりも皇帝に信頼されていると自負する蘇鳴、いくら皇帝と共に育った方鑑明でも自分には敵わないだろう。「全員、慎重に行動するよう命じるのだ」卓英は師匠のため薬を準備した。しかし持ち場を離れていた後ろめたさから、怖くてなかなか届けることができない。海市は仕方なく代わりに持って行くことにした。「宮中に忍び込んだ件はこれで帳消しね」すると海市は師匠がちょうど衣を脱いで身体を拭いている姿を見てしまう。帷(トバリ)越しでも分かる師匠の鍛え抜かれた大きな身体…。海市は初めて胸のときめきを感じ、薬を置いて慌てて出て行った。海市はこの日を境に師匠を男性として意識するようになった。何とも居心地が悪くなり自然と師匠を避けてしまう海市、しかし方諸は海市の様子がおかしい理由が分からず困惑する。一方、宮中には外交関係を結ぶ注輦から奏状が届いていた。褚仲旭はどうせ銭か穀物の要求だろうと言い捨てたが、蘇鳴は吉事だと報告する。実は注輦王が人質だった四弟・褚季昶(チョリチョウ)の帰国を許したというのだ。褚仲旭は久しぶりに心からの笑顔を見せたが、まだ話には続きがあった。「四殿下と一緒に緹蘭(テイラン)公主がやって来ます 大徴と注輦は代々、姻戚関係を結んでおり、緹蘭公主を陛下に嫁がせたいと…」すると褚仲旭の顔色が一変、妃なら大勢いると和親を拒否する。しかし蘇鳴は破談にすれば褚季昶の身が危険だと説得した。「注輦が大徴に歯向かうとでも?ありえぬ…それより蘇鳴、元宵節の日、朕は刺客に襲われた そなたは黒幕を誰だと考える?」「分かりません!(即答)」「…誰の仕業かは知らぬが、標的は朕ではなかった、ふっ、実に面白い」「陛下の威光に刺客も怯えたのでしょう」蘇鳴は決して尻尾を出すまいとこらえた。「…蘇鳴よ、注輦王に伝えよ、すべての要求に応じるとな」綾錦司(リョウキンシ)の典衣・鞠七七(キクシツシツ)が方諸を訪ねた。「公爺…」「清海(セイカイ)公はもうこの世にいない」「失礼しました、指揮使は昔と変わらず、清らかで俗世にとらわれぬのですね」七七の報告では、鵠庫(コクコ)の情報筋から左菩敦(サホトン)王が黄泉関(コウセンカン)に向かったことが分かったという。しかし瀚(カン)州は春と言ってもまだ雪の日もあり、行軍に適した時期ではなかった。「引き続き調べてくれ」「はい…元宵節に刺客に襲われたと聞きました、生捕りした者から黒幕を?」「全員、始末した」すると七七は頼みがあると切り出した。実は近頃、目の調子が悪く、物がはっきり見えなくなったという。そこで両親がいない姪の鞠柘榴(キクシャリュウ)を宮中へ呼び、才能があれば自分の後継にしたいと頼んだ。方諸は信頼できる鞠七七の頼みとあって了承する。この時、卓英はまさか元宵節で一目惚れしたのが鞠典衣の姪だとは知る由もなかった。方諸が奥殿に戻ると、中庭で卓英と海市がじゃれ合っていた。2人にとってはよくある兄弟のたわむれだったが、方諸はこれが海市の異変の理由だと深読みしてしまう。「卓英、来なさい」方諸は卓英と海市が恋仲だと誤解した。「海市は弟弟だぞ、分かっているのか?「もちろん、だからからかっているんです」「では灯会で何をしていた?(2人で密会してたな?)「ぁ…(サボって玉を買ったり、美しい娘を見染めたことか〜)」「2人も年頃だ、恋することを禁じはしない、しかし職責を果たしてから…」「師父!誤解です!私は色恋にうつつは抜かしません! 兄としての立場を保ち、威厳を忘れません!」「まあ、それならいいが…」その夜、方諸が海市の寝殿にやって来た。(((ʘ ʘ;)))師父?!「最近、眠れぬのでは?」「はい…まあ」「座禅を組む、お前は部屋で」「はい」すると方諸は回廊に陣取り、的外れにも邪念を追い払うよう説いた。つづく( ๑≧ꇴ≦)しふぉ~www