馭鮫記 後編:月に愛を誓う#8 あらすじ
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第8話100年に一度しか現れない無量金雷に見舞われた雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)。三月は離殊を突き飛ばして逃したが、離殊はすぐさま戻って三月を抱きしめかばった。しかし危機一髪のところで天君・汝鈞(ジョキン)が仙令を放って2人を金雷から救ってくれる。2人は無事だったが、金雷が直撃した仙令は身代わりとなって砕けた。三月は天君が先帝の法宝を犠牲にして自分たちを守ったと知り、どう償えば良いのか分からなかった。しかし汝鈞は罰を受けるなら使うと決めた自分だという。「今日1人を見捨て、明日は千人、万人の命を見捨てれば、私は永遠に衆生を救えまい 仙令や神兵がなくとも、世を救う決意は揺るがぬ」こうして新たな悟りの境地を開いた汝鈞、すると急に仙令の破片が飛び散り、また新たな図を示した。汝鈞は玉露霊芝(ギョクロレイシ)が成熟したと確認、自ら摘み取って三月に託した。「紀雲禾(ジーユンファ)に届けよ、いずれまた会おう」汝鈞は三月たちを見送ると、しみじみこれが合虚(コウキョ)神君の言う″縁″なのだと感慨深かった。一方、雲禾は林昊青(リンコウセイ)と一緒に逃亡を決意、呪符を使って烙印の効果を消した。「長意(チャンイー)…私は行くわ」ちょうど同じ頃、林昊青に呼応した御霊師が敵陣に夜襲をかけ、長意たちを引き付けた。雲禾はその間に無妄窟(ブボウクツ)へ潜入、護衛を倒して林昊青と合流する。しかし思いがけず狐王・卿玄(ケイゲン)が狐族を率いて現れた。雲禾は狐王が目を覚ましたと知り驚いた。ともかく和睦のために逃して欲しいと懇願したが、狐王の目的は長意を惑わし娘を苦しめる雲禾を始末することだという。「林昊青と紀雲禾を殺せ!」その頃、長意と空明(コウメイ)は高台から戦況を見ていた。しかし御霊師は進んでは戻り、挑発しているように見える。「陽動作戦か?…しかし目的は?」すると洛錦桑(ルオジンサン)が現れた。「大変よ、雲禾が林昊青と脱走して狐王に見つかったわ」「狐王?」雲禾はこのままでは術の効果が切れ、長意に気づかれると焦った。そこで隠魂針(インコンシン)を招喚、自分たちを解放するよう脅す。狐王は雲禾が妹の霊力を奪ったと誤解し、思わず襲いかかった。驚いた雲禾は咄嗟に師兄をかばって盾になったが、その時、卿舒(ケイショ)からもらった霊力が反応、狐王は激しく吹き飛ばされてしまう。狐王は九尾狐の霊力が雲禾を守ったことに驚きを隠せなかった。実は霊力はおのずと主を守る。林昊青はこれで卿舒自ら雲禾に霊力を与えたことが証明されたと言ったが、激情に駆られた卿瑤(ケイヨウ)は2人を殺せと命じた。林昊青は咄嗟に結界を開いて別の洞窟へ移動した。そこで偶然、谷主を心配して探しに来た思語(シギョ)と合流するが、すぐ追っ手に囲まれてしまう。すると知らせを聞いた長意が現れた。「これが目的だったのか…全ては逃げるための手段だったとは…結界を緩めるべきではなかった」雲禾の計画は失敗、結局、衰弱した身体で再び湖心(コシン)島に監禁され、林昊青と思語は牢に閉じ込められてしまう。狐王は卿瑤の与えた霊力で一瞬、息を吹き返しただけだった。すでに霊丹が砕けて死んだも同然だったことから、空明はもうもたないと宣告する。奇鋒(キホウ)はこれも全て長意が紀雲禾を連れて来たせいだと八つ当たりしたが、長意はそもそもなぜ狐王の蘇生を隠していたのかと怪しんだ。「その間、雲禾を監視し、牢へ行くのを見届け、牢破りの罪で殺すつもりだったのか?!」その時、狐王がふいに意識を取り戻し、紀雲禾の殺害を謀ったのは自分だと明かした。狐王は霊丹が砕けた長意を救ったのは自分ではなく娘だったと明かした。あの時、卿瑤は人像(ヒトガタ)を失う覚悟で自分の霊力の半分を長意に与えたという。しかし卿瑤は恩を売ることを嫌がり、これまで父が助けたことにして隠していた。狐王は娘の恩に報いて欲しいと哀願し、長意に卿瑤と北淵を託して死んでしまう。林昊青と思語の牢に長意がやって来た。長意は全て林昊青の仕業だろうと激怒、頑なに雲禾は渡さないと拒む。すると林昊青は雲禾が計画を明かそうとしないのは長意を他人だと思っている証しだと指摘した。「雲禾との縁は尽きたのだ、手放せ、お前では守れぬ」「紀雲禾は私が守る!」林昊青は長意が出ていくと早速、瞿暁星(クギョウセイ)に伝令符を放った。狐王の死で北淵と万花谷は一触即発、何とか衝突を避けなければならない。一方、大殿に集まった狐族は狐王の復讐を果たすべく、紀雲禾を殺して開戦しようと声を上げていた。知らせを聞いた長意は騒ぎを鎮めるため凄まじい法力を放って狐族を圧倒、紀雲禾に手を出すことは許さないという。そして恩返しとして卿瑤に自分の半生分の霊力を一方的に返した。「その霊力があればこの戦いで命を落とすことはない、北淵は私が責任を持って守る これで狐王との約束は果たした、その代わり誰も私から雲禾を奪うことはできぬ!」↓スタイリストさん、もうちょっと何とかならなかったのか朱凌(シュリョウ)は瞿暁星が林昊青の命令に従って勝手に動いていることに激怒した。「逆らえば皆、寒霜(カンソウ)で死ぬことになるぞ?」「寒霜とは何だ?」その声は長老の東濂(トウレン)と木沢(ボクタク)だった。2人は谷主が捕らわれたと聞いて駆けつけたが、そこで思いがけず朱凌の口から″寒霜″という流言を聞く。しかし朱凌は説明するのも面倒だと言い放ち、瞿暁星に北淵を攻めろと命じた。木沢は谷主の命にしか従わないと猛反発、すると激怒した朱凌は木沢の寒霜を発動させてしまう。「素直に従うんだな、私に逆らえばどうなると?」瞿暁星は解毒薬を渡すよう頼んだが朱凌は無視、木沢は見せしめとして死んでしまう。卿瑤は長意の仕打ちに動揺したが、空明は長意を追い詰めたのは卿瑤だと指摘した。北淵の敵は本来、仙師府であり、万花谷でも紀雲禾でもない。しかし卿瑤は長意が林昊青と結託して父を殺した雲禾をなぜ守るのかどうしても納得できなかった。「…世に矛盾は多く、人の心は複雑だ、時には目で見るより心で悟るべきなのでは? 狐王はもういない、今後どう歩むべきかは自分でよく考えて決めるしかない」雲禾は昏睡し、寧悉語(ネイシツギョ)と再会した。すでに反発は心脈に迫り、余命はわずかだという。寧悉語はこれが万花谷と北淵の運命であり、雲禾には何もできないと言った。雲禾が目を覚ますと洛洛がいた。聞けば万花谷軍は朱凌が率いてすでに布陣しているという。卿瑤も敵討ちを叫び、今にも戦いが始まりそうだった。長意は雲禾を復讐から守るため恩返しという名目で半生分の霊力を卿瑤に渡したという。これまで運命に翻弄されて来た人生、雲禾は仙師が自分を手駒として使うつもりなら、徹底的に抵抗すると決意した。「洛洛、長意に会いたいと伝えてくれる?命が尽きる前に会いたいの…」洛洛は尊主の居所に駆けつけたが、長意は会わないと突っぱねた。「長意、前はあんなに素直だったのに、どうして心を隠すの?」「心を隠す?…隠しているのは誰だ?!」すると激高した長意は方術で洛洛を外に放り出してしまう。…雲禾、私は最初から間違っていたのか?…( ゚ェ゚)知らんがな長意に追い出された洛洛は回廊でばったり空明と出くわした。そこで願いを聞いてくれるならもう2度と煩わせないと誓う。「雲禾を逃して欲しいの」洛洛の涙を見た空明は情にほだされ、思わず同意してしまう。長意は雲禾に会う勇気がなかったが、外から雲苑を眺めていた。すると青(セイ)姫が現れる。「雲禾を自分のそばに置くことで満足できると思っていた しかし身体も心も弱り、生気のない姿を見ると考え違いをしていたのかと思う」「愛に正解も誤りもない、でも失って後悔するのは耐え難い苦痛になるわ」青姫は雲禾と長意には自分と違う結末を迎えて欲しいと期待したが、その時、万花谷軍の戦鼓が聞こえて来た。「前輩、行かなくては…この戦が終わったら紀雲禾を解き放ちます その時は2人であなたと酒を酌み交わしたい」雲禾は阿鳴(アメイ)に書簡を託し、全て終わったら渡して欲しいと頼んだ。そこへ突然、空明がやって来る。阿鳴は預かった書簡を持って帰ると、空明は洛錦桑に頼まれて来たと教えた。「北淵と万花谷が戦えば共倒れとなる、仙師と順徳(ジュントク)の思う壺だ それを阻止するため、君に手を貸そう」「昔のよう戦える方法はある?あるのでしょう?」確かに残った霊力を奮起させる丹薬があった。しかし体内の生気を全て失い、最後は激しい痛みの中で死ぬことになる。「自害と同じだぞ?」「護法としてそんな死に方も悪くないわ…」つづく( ๑≧ꇴ≦)師兄、ペース配分!結界を開いたならせめて林まで逃げて欲しかったわwww