|
カテゴリ:風起花抄~宮廷に咲く琉璃色の恋~全40話
风起霓裳 Weaving a Tale of Love 最終話「嫁ぐ日」 上元節、庫狄琉璃(コテキルリ)と裴行倹(ハイコウケン)は一緒に過ごせない代わりに手作りの切り絵を交換した。 于(ウ)夫人はこれでは自分がまるで2人の仲を引き裂く西王母(セイオウボ)だと苦笑い、そこへ蘇定方(ソテイホウ)がやって来る。 「実は守約(シュヤク)と賭けをした、守約が勝てば2人で外出してもいいぞ」 蘇定方は琉璃と背格好が同じ侍女を4人ほど集めさせた。 そこで琉璃を入れて5人にすっかり同じ白い外套を着せ、仮面をつけさせる。 一見すると誰が琉璃か全く分からないが、これが裴行倹との賭けだった。 「誰がお前か見抜ければ守約の勝ちだ」 すると于夫人は琉璃のかんざしを外し、別の娘の髪に挿してしまう。 蘇家は揃って灯籠祭りに出かけた。 仮面のせいで美しい夜景が堪能できず落胆する琉璃、その時、舞を披露する一団が一行を取り囲む。 その時、蘇定方は琉璃を連れ去ろうとする裴行倹に気づいた。 「(はっ)こわっぱめ!」 蘇定方は見事な軽功で裴行倹の行く手を阻んだが、仮面を剥ぎ取ってみると裴行倹の従者・阿成(アセイ)だと知る。 実は本物の裴行倹はすでに琉璃を連れて姿を消していた。 琉璃は裴行倹がなぜかんざしを挿していなくても自分だと見抜けたのか不思議だった。 しかし裴行倹はどんな格好をしていようと琉璃の姿はすぐ分かるという。 「君に会えない苦痛に耐えて来たが、こうして会うともっと苦しくなる…」 「苦しい?苦しいなら耐えなければいいわ」 すると裴行倹は琉璃に口づけした。 裴行倹は臨海(リンカイ)大長公主が琉璃に屋敷を贈ったことを知っていた。 確執があるとは言え河東(カトウ)公府に恩があるのも事実、別に屋敷を買えば盾をつくことになってしまう。 何より吏部(リブ)に移動すれば配下の宿舎も必要になり、今の屋敷ではまかなえなかった。 「屋敷を買おうと思っていたが手間が省けた、この件は私に任せてくれ」 屋敷も決まり婚礼を待つだけとなった琉璃、しかしまだ側仕えの侍女が見つからなかった。 そこで顔の広い伯父・安四郎(アンシロウ)に相談する。 確かに中眷裴(チュウケンハイ)家の一族と河東公府の難しい関係を思えば如才ない侍女が必要だった。 さらに琉璃は洛陽にある裴行倹の資産を密かに調査して欲しいと頼む。 一覧を見た安四郎は莫大な資産に驚いたが、洛陽で長年、店を営んでいる琉璃の大叔父に現状を調べてもらうと安心させた。 琉璃は実家から嫁ぐため、婚礼の前日に庫狄府に戻った。 河東公府に嫁ぐと決まった珊瑚(サンゴ)は媵妾(ヨウショウ)とは言え県令の妻より上だと無視していたが、曹(ソウ)氏が娘の尻を叩く。 「大長公主の命があるでしょう?」 「(はっ!)そうだった!忘れてた!」 庫狄延忠(コテキエンチュウ)は今頃になってやっと珊瑚が裴如琢(ハイジョタク)に嫁ぐと伝えた。 琉璃は父が決めれば良いことだとあえて何も言わなかったが、珊瑚には嫁いでも分を守るよう釘を刺しておく。 すると曹氏がこれまでの償いとして婚礼祝いに侍女を贈ると言い出した。 しかし阿春(アシュン)と阿桃(アトウ)は身なりも身のこなしも上品で明らかにただの奴婢ではない。 珊瑚は伯父が探してくれたと嘘をついたが、琉璃はこれが珊瑚に縁談を持ち込んだ大長公主の目的だと分かった。 「伯父上が仕込んだ侍女なら琉璃が頂くわけにはいかないわ、珊瑚が連れて行くべきです」 その時、安四郎が琉璃を訪ねて来た。 明日の婚礼を前に安四郎も琉璃に侍女2人を贈った。 焦った珊瑚は反対したが、安四郎になぜだめなのかと怪しまれ、口ごもってしまう。 その時、琉璃は侍女が阿霓(アゲイ)と小檀(ショウダン)だと気づいて驚いた。 阿霓は如意衣装店の番頭、琉璃は侍女にできないと断ったが、安四郎は阿霓が自ら申し出たと教える。 実は阿霓は以前、高陽(コウヨウ)公主の側仕えの宮女として公主府を管理していた。 しかし駙馬(フバ)の夜伽を断ったせいで不興を買い、人買いに売られたところを安四郎に救われたという。 臨海大長公主は琉璃が自分の間者となる侍女を断ったと聞いて激怒した。 崔(サイ)夫人はこれで珊瑚との縁談を破棄できると期待したが、大長公主は琉璃と犬猿の仲なら使い道があるという。 「どうやら庫狄琉璃は痛い目に遭いたいようね…」 翌日、裴行倹は花嫁を迎えに庫狄府へ向かった。 琉璃は皇帝から賜った宝飾品で美しく着飾ったが、最後に母の形見である腕輪と耳飾りをつける。 …喜びの日なのに阿母がそばにいないなんて、この心の痛みは言葉にできない …天から見守っていてね、愛する人と出会えて私は幸せよ その頃、花婿一行が庫狄府に到着した。 しかし花婿が迎えに来ても、慣例によりなかなか花嫁とは会わせてもらえない。 まずは花嫁の部屋を探し出し、次に立派な雁(カリ)を贈る。 そして美しい詩を詠んで客人たちが認めると、やっと美しい花嫁が姿を現した。 裴行倹と琉璃は裴府に入り、拝礼の儀が執り行われた。 そこへ宮中から孫徳成(ソントクセイ)と順子(ジュンシ)が駆けつけ、昭儀・武媚娘(ブメイニャン)からの祝辞と祝いの品を届ける。 「しっかりやるのだぞ、もう義父も武昭儀もいないのだからな」 「ご安心を、琉璃はこの裴行倹が守ります」 琉璃は義父に拝礼して感謝を伝えることにしたが、孫徳成はひざまずこうとした琉璃を止めた。 琉璃と裴行倹は晴れて夫婦となった。 2人は固い絆で結ばれ、永遠に離れることはない。 終わり 終わった~!・:*+.\(( °ω° ))/.:+/.*・ って…え?!終わってねぇぇぇぇ~! そうです!実は2季があるんです! もしかすると裴行倹が実在の人物だけに検閲でダメだったのかもしれませんねえ~ ※続編となる「風起西州」は秋に日本上陸、順次デジタル配信予定 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[風起花抄~宮廷に咲く琉璃色の恋~全40話] カテゴリの最新記事
|