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カテゴリ:覆流年〜復讐の王妃と絶えざる愛〜全30話
覆流年 Lost Track of Time 第15話 穆川(ムーチュアン)は太平倉(タイヘイソウ)に陸安然(ルーアンラン)を案内、封印の紙に一言書いて欲しいと頼んだ。 …天下太平倉廩(ソウリン)実ちる… そして2人は一緒に国璽を押し、この倉を開けずに済むよう願う。 久しぶりに権謀術数から解放され、子供のようにはしゃぐ安然。 そこで穆川に瀚京(カンケイ)を離れるつもりはないのか聞いた。 穆川は近郊の水利が整うまでは離れられないと言ったが、確かに二兄にとっては都にいない方がいいのかもしれない。 すると思いがけず安然が瀚京を離れるつもりだと知った。 「じぇんだ?!あの時、君はもう少し待ってと言ったね…つまりその時が来たと?」 安然の笑顔を見た穆川はその意味を悟り、今度は安然が少し待つ番だと笑った。 「いいわ、今度は私が待つ」 一方、蕭驚雀(ショウキョウジャク)の登場で追い詰められた陸欣然(ルーシンラン)は下策に出た。 穆澤(ムーヅー)に媚薬入りの生姜湯を届け、強引に寵愛を得ようとしたのだ。 普段なら警戒心の強い穆澤だったが、欣然の哀れな姿が非業の死を遂げた母と重なり、うっかり生姜湯を飲んでしまう。 すると急に頭に血が上り、身体の様子がおかしくなった。 「殿下の子供が欲しいのです、お願いです!」 欣然は慶(ケイ)王にしがみつき懇願したが、穆澤はもうろうとしながらも護衛を呼んで難を逃れた。 穆澤が正気に戻った頃、穆川がやって来た。 慶王妃の騒ぎを耳にした穆川は、婚姻を道具にすれば相手が二兄を寄る辺だと見なすのは仕方がないと諌める。 「二哥、私はあなたの幸せを望んでいる…せめて家では警戒を解き、心を許せる相手が必要だ」 しかし穆澤にとって婚姻は権力と地位を守る手段、安心感を与えてくれるのは情ではなく権力だと信じていた。 「もしそんな相手と出会えたら私も俗世の喜びを味わってみるとしよう、で、本題は何だ?」 「あ、そうだ、今日は太平倉で最初の封印式を執り行ったんだ」 穆川は嬉しそうに記念の品を見せたが、穆澤は安然が書いた封印だと知って内心、穏やかでない。 一方、安然の屋敷にも翠翠(スイスイ)から慶王府で騒ぎがあったと知らせが届いた。 …もうすぐ全てが終わるのね… 安然の計画もいよいよ終盤に来ていた。 軟禁された陸欣然をよそに慶王府は側夫人の輿入れを盛大に祝った。 そして安然の提案通り、婚礼のあとは高貴な婦女たちを招いて宴が開かれる。 蕭驚雀は大胆にも正室だけに許される鳳凰のかんざしを挿し、この機に自分こそ本当の女主人だと知らしめた。 一方、令宮の欣然は今日が側夫人のお披露目の宴だと知り激高した。 「私は嫁いで久しいのに慶王妃を知る貴族はいない…誰も私の顔を知らないわ!」 すると翠翠が計画通り欣然を煽った。 「王妃、側夫人などたかが武将の妹、一目見ればどちらが真の女主人か分かるはずです」 「そうよ、その通りだわ!」 陸欣然は見張りに金をつかませ、側夫人お披露目の宴に乱入した。 欣然と驚雀は客人の前で嫌味の応酬、やがて欣然が驚若の鳳凰のかんざしを引っこ抜いてしまう。 宴席は騒然となったが、そこへ騒ぎを聞いた穆澤が駆けつけた。 「やめよ!…欣然、そなたの行いがどんな結果を招くか分かっているのか?」 「殿下は私を殺せない、だって陸家との繋がりが断たれてしまうもの」 穆澤は仕方なく慶王妃が病で乱心していると謝罪し、侍女に欣然を寝殿に連れ帰るよう命じた。 安然は宴をあとにする翠翠に目配せした。 そこで翠翠は予定通り蔡望津(サイボウシン)の部屋を訪ね、助けを求める。 「王妃が変です!すぐ来てください!」 陸欣然は蔡望津だけには本音を打ち明けられた。 「知って欲しかったの、一度でいいから私がいるということを…私こそが王妃なのよ? なぜ誰も私の姿が見えないの?」 「…少なくとも私には見えています」 欣然は選んだ相手を間違えてしまったと後悔し、思わず蔡望津に抱きついて泣いてしまう。 するといきなり蕭驚若が婦人たちを引き連れ乗り込んで来た。 「あらあらあら…皆さん、ご覧になった?」 一方、安然は回廊で全てが終わるのを待っていた。 その時、王妃の寝殿から欣然の断末魔のような叫び声が聞こえてくる。 …晴らすべき恨みは全て晴らした… 慶王府の醜聞はあっという間に広まり、慶王は皇帝の逆鱗に触れた。 「これがお前が戦功と引き換えに娶った賢妻か?! いいか、間男と淫婦はまとめて打ち殺せ!」 しかし穆澤は処罰すればかえって噂を認めることになると訴える。 「密通が真実ではないものの、王妃は自ら生家に戻ると申しております」 「勝手にせよ!」 陸欣然は見事に慶王府の面目を潰してくれた。 このまま陸家が瀚京(カンケイ)に留まれば噂を長引かせるだけ、穆澤は安然に1日も早く都を離れるよう命じる。 「陸家を見逃してくれるなら私の力で償います、今後は殿下に忠誠を… 都での商いを辞め、港も手放します」 「分かれば良い、下がれ」 安然はついに穆澤との縁を断つことに成功、帰ることにした。 しかしふいに穆澤が呼び止める。 「陸安然…私が最も残念に思っていることは何だと?」 「殿下、ご教示ください」 穆澤は何か言おうとしたが、結局、そのまま安然を帰した。 安然は陸欣然を引き取って屋敷に戻った。 錯乱した欣然は怯えて食事を取ろうとしなかったが、安然の説得でようやくまともな料理にありつける。 「いずれにせよあなたのお陰で陸家は泥沼を抜けられた でも私たちのしこりは今世では消えないわね」 …醜聞は疫病のように瀚京に広まった 陸家は貴族たちから唾棄され、その名声は地に落ちたが、陸安然はようやく皇室との関わりを断てた ついに幕を下ろした花朝節の夜に立てた計画 しかし陸家を守れたと安堵した頃、運命は安然のあずかり知らぬ所で危険な罠を仕掛けていた… つづく ( ๑≧ꇴ≦)えーっ! アンラン、嬉しそうに帰って行ったのに…どうなるの?! いよいよ後半戦!お楽しみに〜(←誰?w お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.02.02 14:13:06
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