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カテゴリ:星河長明 運命の妃と不滅の帝 全25話
星河长明 Shining Just For You 第10話 司寇(シコウ)監は謀反の幇助罪で欽天監(キンテンカン)主事・白露(バイロウ)に斬首を言い渡した。 また七海怜(チーハイリアン)も主犯として同じく斬首を言い渡されてしまう。 しかし晁(チョウ)皇・彧修明(ユーシューミン)は夜北(ヤホク)の長公主を一方的に処罰できないと考え、特別に陳情の機会を与えた。 朝堂に現れた七海怜は御前でもひざまずかず、頑な態度を変えなかった。 「お前は父を殺し、仲間を害した、天誅を受けるべき極悪人よ!和親に誠意を尽くしたのに…」 しかし彧修明は七海震宇(チーハイシンウ)が娘を利用して戦に備える時を稼いだと指摘、藍衣(ランイ)軍の精鋭を滅ぼして戦を仕掛けたと非難した。 「朕を恨むなどお門違いでは? そもそも夜北の内紛による死傷者の数はこたびの戦を上回っている」 七海怜は返す言葉もなく、皇帝の恩情にすがるしかなかった。 「どうか残された同胞を救ってください」 彧修明は寛容にも七海怜と逃亡した仲間を許してくれた。 その代わり民を連れて越(エツ)州に移ることが条件だという。 「葉子(イェズー)は?!」 「そなたの赦免は法外の恩恵、他者のことには口出し無用だ」 朝議が散会すると彧修明は界諸嬰(カイショエイ)を呼んだ。 すると皇帝は七海怜たちを見逃してくれただけでなく、界諸嬰を越州の司馬に任じて夜北の民を任せるという。 「今日より界姓を捨て″諸嬰″と改名を…過去の出来事は全て忘れるのだ」 彧修明は我が子のように見守って来た諸嬰をしがらみから解放、自由を与えた。 七海怜は隠れ家で仲間たちと合流し、皇帝が見逃してくれたと報告した。 しかし越州に移住すると知った楚夜(ソヤ)たちは反発、まだ戦うべきだと訴える。 七海怜はこれも部族のためだと説得し、不服な者とは袂を別つと言った。 翼無憂(イーウーユー)は皇帝が七海怜たちを見逃しながら、葉凌霜(イェリンシュァン)だけ死罪になると知って憤った。 そこで夜北の隠れ家に駆けつけたが、七海怜は皇帝が凌霜の解放には応じなかったと釈明する。 「1人のために夜北の数万の民を死なせるわけにいかないの…ごめんなさい」 七海怜にとっても苦渋の決断だった。 しかし翼無憂は守ろうとした者にあっさり見捨てられた凌霜が哀れでならない。 「…よく分かった、もう君たちには何も期待しない」 翌朝、夜北の決着がついた彧修明はようやく白露を審問することにした。 「白露を呼べ」 しかし斬首を申し渡された白露ならすでに刑場だという。 驚いた彧修明はふと白露の言葉を思い出し、逐幻(チクゲン)宮に天妃・冷天曦(レイテンギ)を訪ねた。 …話すべきことは全て天妃娘娘に伝えました… 冷天㬢は謀反に加担した白露に怒り心頭だった。 しかし皇帝から白露が何か特別な話をしなかったかと聞かれ、白露からもらった錦嚢(キンノウ)を見せる。 「幼い頃に真師に会ったことがあり、真師の錦嚢の図案を真似てみたと…」 錦嚢の刺繍を見た彧修明は驚いた。 …白露も真師に選ばれし者なのか?… 「白露を呼べ」 七海怜は刑場で凌霜の最期を見守ることにした。 ついに刀を振りかぶった執行人、しかしその時、皇帝の侍衛・凌雲(リョウウン)が駆けつける。 「待った!…陛下がお召しだ」 すると凌霜はまるで助かると分かっていたかのように立ち上がった。 神鏡の力が弱まっている彧修明は唯一の頼みの綱である白露を助けた。 そこで3ヶ月の猶予を与え、真師を連れてくるよう命じる。 白露はどこか不満そうだったが、七海怜たちが無事だと知ってようやく緊張が解けた。 その頃、欽天監(キンテンカン)では端木彦(タンボクゲン)がすっかり監正きどりで威張っていた。 しかし予想外に白露が復職、戻って来てしまう。 一方、樊如晦(ハンジョカイ)も皇帝がなぜ白露を許したのか分からなかった。 例え皇帝の独断だとしても朝議で説明すべきであり、このままうやむやにされては法律がただのお飾りになってしまう。 その夜、雲紋(ウンモン)は白露が無事に戻ったとは言え、危うく死ぬところだったと呆れた。 「錦嚢の刺繍に賭けるとは!命知らずなやつめ!」 「彧修明は真師に興味がある、だから一か八か賭けたの」 「彧修明が天妃に会っていなかったら今頃、あの世行きだぞ?!」 しかし白露はどこ吹く風、真師を見つけるため手始めに眠師橋(ミンシキョウ)を探すことにした。 翌日、天妃は白露を呼んで叱責した。 「陛下の信頼を裏切って刺客を逃すとはっ!こたびは″功罪相償う″よ、次はない」 すると天妃は皇帝の配慮だと教え、白露に裏庭へ行くよう命じた。 裏庭では七海怜が白露を待っていた。 抱き合って互いの無事を喜ぶ2人。 凌霜は越州の吉凶を占ったところ繁栄すると教え、安心させた。 「災い転じて福となるかも…」 七海怜は葉子も一緒に越州へ行こうと誘ったが、凌霜は天啓に残って七海蕊(チーハイルイ)を探したいと断った。 翌朝、謝雨安(シャウアン)、樊平(ハンヘイ)は宮中で諸嬰を見送った。 しかし辺鄙な土地とは言え愛する人と一緒、親が決めた相手を娶らねばならない樊平はどこか羨ましそうに見える。 一方、凌霜は城門で七海怜との別れを惜しんだ。 「そうだ、向こうで土伯(ドハク)を探してみては? 古い書物で読みました、河洛(カラク)族から分かれた種族です 夜沼(ヤショウ)に住み、縄張り意識が強く、石を自在に操る術を使って荒れ地をならせるとか 伝説の雪狼(セツロウ)王がいたんです、実在するはずよ」 こうして七海怜は葉子と別れ、愛する人と共に越州へ旅立った。 翼無憂は凌霜が復職したと聞いて安堵したが、念のため宮中にいる密偵に欽天監を監視させることにした。 「満月が近いな、天妃の様子を探るよう指示してくれ」 そこで鶴瑾(カクキン)は天妃のもとに翠碧(スイヘキ)を送り込んだが、音信不通になってしまう。 翼無憂は天妃が皇帝に寝返ったと気づいた。 冷天㬢と言えば奴婢でありながら四皇子の厚意で鶴雪術を習得した経緯がある。 鶴瑾は恩知らずの冷天㬢に憤怒、月噬(ゲッセイ)の発作で苦しめばいいと悪態をついた。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.20 21:48:57
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