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カテゴリ:七時吉祥(シチジキッショウ) 全38話
七时吉祥 Love You Seven Times(全38話) 第10話 宋祥雲(ソンシャンユン)と別れた陸長空(ルーチャンコン)は安涼(アンリョウ)で叔父・解嵐(カイラン)と合流した。 しかし先に逃したはずの鶯時(オウシ)がまだ戻っていないと知り、必ず見つけると約束する。 実は安涼には長空の知らせのおかげで逃げ延びた父の配下や文康(ブンコウ)の避難民たちもいた。 「我らは陸将軍と夫人のためにここに集まりました、敵を討ちましょう!」 すると解嵐は自分の軍である飛勇(ヒヨウ)隊の令牌を託し、今後は長空の号令に従うと言った。 その夜、宋家に突然、祥雲が戻って来た。 宋勤文(ソンチンウェン)は長空の身に何かあったのかと心配したが、祥雲は2人で話し合って決めたと安心させる。 しかし陸放(ルーファン)の位牌を抱きしめる翠碧(スイヘキ)の姿を見ると胸が痛んだ。 翠碧は小姐の責任ではないと訴え、気丈にも留守の間の様子を教えてくれる。 実は宋勤文は陸家の一件で病になっていた。 さらに使用人の間にまで宋家を中傷する噂が広まり、宋勤文は使用人たちに暇を出したという。 宋家の衰退を目の当たりにした祥雲は翌日、第3皇子・寧(ネイ)王を訪ね、宋家の現状を尋ねた。 修茗(シゥミン)の話では宋統領が人望ある陸将軍を妬んで陥れたと誤解され、弾劾する上奏が届いているという。 祥雲は陸家が陥れられたように宋家が沈む日も近いと気づき、肩を落とした。 しかし修茗は宋家を救う方法があるという。 「そなたが私に嫁ぐのだ、あ、ただの方便だよ そなたが嫁げば宋家が皇帝の一族となり、両親の命も守れる」 「でも、王爺まで巻き込むことになったら…」 「気にしないよ!宋家をこのまま見過ごせない、ひとまずこの難局を乗り切れば別の手がある」 天界の記憶がある祥雲は冷静に考えた。 …あの両親は私のために多くを費やしてくれた、この転生は宋家の平穏に捧げよう… 「はお、嫁ぎます」 その頃、隠れ家で目を覚ました鶯時はいつの間にか寝台に潜り込んだ男に気づいて蹴り飛ばした。 しかしその男が紫輝(シキ)だと分かる。 「イタタタタタ…あなたが抱きかかえて床の上に置いたのですよ?」 実は紫輝は床で見つけた紫色の石の精霊で、修行で霊気を集めて人像(ヒトガタ)になったという。 「つまり私の独り言とか、着替えとか、全部、見ていたの?!」 「まさしく…」 すると鶯時は紫輝に殴りかかった。 長空は陸家軍を旗揚げ、その威名のおかげか道中の町の兵は戦わずに降伏した。 この勢いなら半月もあれば都に攻め込めそうだが、敵軍はなぜか晋(シン)州あたりに止まって動かない。 すると戦術会議中に都の急報が届いた。 皇帝が病の床に臥し、今や政も戦も寧王任せだという。 「寧王だと?」 「あの病弱な寧王です、宋家の賊の娘も父親と同じ、栄華を求めて寧王に嫁ぐとか…」 長空は思わず立ちくらみを起こし、首から長命玉が落ちた。 しかし動揺を悟られないよう長命寿を拾い、策士の寧王なら兵を動かさない理由があると気づく。 実は8年前、晋州では回龍の堰(セキ)が切れて洪水が起こっていた。 もし寧王が堰を壊せば上流の陸家軍も下流の民にも甚大な被害が出るだろう。 「目的は私の足止めだ、都に戻らせないよう天下を盤面にして迫っている 民と祥雲のどちらを選ぶのかと…」 その夜、離れ離れになった祥雲と長空は同じ月を眺めながら互いを思いやった。 祥雲の手には長空から贈られたかんざしが、そして長空の手には長命玉がある。 一方、修茗は碁盤を眺めながら自分の勝利を確信していた。 「幾千もの民と祥雲とのはざまでそなたは何を選ぶかな?」 その頃、長空はふと思い立って幕営に戻った。 「堰へ向かう馬車と船を調べろ、爆薬はすでに運ばれている」 宋勤文は娘から寧王との縁談話を聞いて大反対した。 婉娘(エンジョウ)も自分の幸せを大事にすべきだと説得したが、祥雲の決意は変わらない。 「分からないのか?あの寧王は…」 宋勤文は何か言いかけたが、その時、寧王が結納品を持ってやって来た。 皇帝からの勅命で祥雲との婚儀が10日後に決まり、祥雲は今から宮中に入って礼儀を学ぶ必要があるという。 一方、鶯時は紫輝が霊力を使うと石に戻ってしまうと知り、武術を学んで身を守るよう勧めた。 「影流剣法か…でも短期で習得できるかな?」 「長ければ5年、天賦の才があっても2年かしら…」 しかし鶯時の予想に反し、紫輝は見事な才能を発揮した。 長空は晋重(シンジュウ)山と回龍の堰の間に細道があると突き止めた。 その道は堰ができて川となり水没したが、今は貯水期のため水量が減って再び通れるに違いない。 「弓にたけた一隊を選び、待ち伏せする!」 翌朝、修茗は運び込ませた火薬が全滅したと知った。 準備を任されていた馮(フウ)都尉は万死に値すると平謝り、しかし修茗はまだ死ぬ時ではないという。 入内(ジュダイ)した祥雲は教育係のもと、礼儀作法を学んでいた。 その日は香袋を手作りしていたが、ふいに寧王が様子を見に来る。 「良い匂いだ、それは誰の分だ?」 「殿下と両親と…それから私の分です」 寧王は香袋をもらうと、急用ですぐに帰った。 教育係は寧王の嬉しそうな姿を見て、しみじみ祥雲を深く想っているのだという。 「殿下は誰にでも優しいわ」 「真心がなければ命まで懸けません」 実は寧王は香りを受け付けない体質で、寧遠(ネイエン)宮では肉桂(ニッケイ)など絶対に出すことはないという。 「今頃は恐らく湿疹が出ているかと…」 祥雲は縁談がただの方便ではなかったと知り、もし本当に情があるのなら婚姻はできないと焦った。 …でも断ったら宋家はどうなるの?ともかくはっきり伝えなくては… 祥雲は寧遠宮を訪ねた。 すると殿内から第2皇子の声が聞こえ、話が終わるのを回廊で待つことにする。 実は第2皇子は朝廷を掌握した修茗に血の繋がりに免じて母妃を助けて欲しいと懇願していた。 しかし修茗がこれまで自分を蔑んできた2兄に情けをかけるはずもなく、一蹴された第2皇子は激高して思わず声を荒らげる。 「お前はやり過ぎだ!宋家の娘を手に入れるため策を練ったな?! 父皇に献策して宋家に陸家を滅ぼさせて窮地に追い込んだ、娘をお前に頼らせるためにな お前は悪辣だ、宋祥雲が全てを知っても嫁ぐかな?」 第2皇子は自分たち母子を地獄に落とせば道連れにすると言い放ち、出て行った。 思いがけず第2皇子に弱みを握られた修茗。 その時、外から太監の声が聞こえた。 「これはこれは、祥雲姑娘?殿下に何か御用ですか?!」 修茗は慌てて回廊へ出たが手遅れだった。 全てを聞いてしまった祥雲は呆然、寧王の腕に湿疹が出ていることを確認して帰ってしまう。 『なぜなの?まさか私のせいで?』 『祥雲、私が欲しいのはそなただけだ』 『つまりこれは方便ではなく、私を騙していたのね? 宋家も陸家もあなたの手のひらで転がされていたなんて…』 『祥雲…』 つづく ( ̄▽ ̄;)まだ2回目なのにどこまで続くの?w お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.02 07:51:08
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