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カテゴリ:七時吉祥(シチジキッショウ) 全38話
七时吉祥 Love You Seven Times(全38話) 第12話 いよいよ寧(ネイ)王・修茗(シゥミン)へ嫁ぐ日を迎えた宋祥雲(ソンシャンユン)。 花嫁を乗せた輿は何事もなく門へ到着し、祥雲は赤い絨毯の上に降り立った。 …陸長空(ルーチャンコン)、絶対に来ては駄目よ… 祥雲が大殿に到着、修茗は美しい花嫁を迎えるため玉座から立ち上がった。 その時、突然、修茗めがけて長刀が飛んで来る。 修茗は瞬時に避けて無事だったが、これを合図にすでに大殿に潜入していた反乱軍が寧王の前に立ちはだかった。 するとついに長空が現れ、祥雲の手を取る。 「祥雲…」 「来るべきではなかったのに…」 「来なければ一生、後悔する」 しかし修茗は長空が来ることを見越して伏兵を配備していた。 「陸長空、ここへ来たということは命が惜しくないということだな… 皆の者、王妃を救い、逆賊の首を取れ!」 兵士は大殿の門を全て閉鎖、長空たちの退路を断った。 劣勢を強いられながらも応戦する長空、しかし巻き込まれた祥雲は長空と手が離れ、兵士に連れ去られてしまう。 すると無事に祥雲を取り戻した修茗がここで射者隊を投入し、長空を狙った。 一方、陸家軍に加勢した紫輝(シキ)と鶯時(オウシ)は宮道で死力を尽くしていた。 しかし仲間が全滅、追い込まれた紫輝は霊力を使って鶯時を守ったが、鶯時は紫輝をかばって長刀に突き刺されてしまう。 長空は祥雲の目の前で矢を受け、背後から斬りつけられた。 焦った祥雲は侍衛の帯刀を奪って修茗を刺したが、本気で殺せるはずもない。 修茗は自分に何があっても王妃を傷つけるなと号令し、ただし陸長空だけは必ず殺せと叫んだ。 「やめてっ!」 祥雲は思わず自分の首に短刀を突きつけた。 「あなたを殺さない、でも陸長空を死なせるわけにいかないの」 すると修茗はやむを得ず攻撃を止めた。 祥雲は傷だらけの長空に歩み寄り、説得した。 「陸長空、辺境で別れた時に私は決めたの、残りの人生を平穏に生きると…だから離れたのよ」 「どんなに言葉を重ねても私は信じない…私を去らせるために言うんだろう? 生死に関わらず今生は君と一緒だ」 長空は肌身離さず持っている長命玉を出し、これがある限り自分は死なないと訴えた。 「祥雲…私を信じろ」 祥雲は長空との深い絆を思い出し、刀を捨てて長命玉をつかんだ。 長空は祥雲を連れて大殿から逃げ出した。 宮中では後方部隊が到着、衛兵と激戦を繰り広げる中、2人は手に手をとって駆けて行く。 しかし激情に駆られた修茗が長空めがけて大殿から矢を放った。 すると弓矢に気づいた祥雲が身を挺して長空を守り、矢に射抜かれてしまう。 反乱軍が勝利、気がつけば宮中に初雪が降り始めた。 長空は祥雲を腕に抱き、懸命に呼びかける。 「祥雲!…祥雲!」 「やっと分かった…人の情愛とは生死を懸けるものなのね… おじさまとおばさまのこと、本当にごめんなさい…でもこれで借りは返した」 「バカだな、借りなどない、何を返すというんだ」 確かに天界の記憶がない長空に祥雲の言葉の意味が分かるはずもない。 「あなたに消えて欲しくない…」 「私は消えたりしない」 「私の言葉を忘れずにしっかり生きて… ウッ…今生の恩と憎しみはあまりに複雑だった、先に逝くわね」 すると祥雲は舞い落ちる雪を見て力無く手を伸ばした。 「まるで海棠の花のよう、きれい…」 祥雲は最期に宋家の海棠の木を思い出しながら旅立った。 一方、摩羅(マラ)山では護法・錦蓮(キンレン)が紫輝と鶯時の別れを見守っていた。 愛する紫輝のため犠牲となった鶯時。 錦蓮もまた人の情愛が生死を懸けるものだと知ったが、その時、天界へ戻る鶯時の元神が実は行方知れずだった聖女だと気づく。 「ここにいたのか…」 実は錦蓮の双子の妹・錦蘿(キンラ)は鶯時の身体を乗っ取り、本当の姿を隠していた。 しかし長らく鶯時として過ごしたせいか、うっかり歴劫に出て正体がばれてしまう。 「残念だったな、どこへ逃げても無駄だ」 祥雲は歴劫を終えて天界に戻った。 紅塵(コウジン)井では紅線翁(コウセンカク)と転命星君(テンメイセイクン)が出迎えてくれたが、祥雲の様子がおかしい。 「人間界では本当に大変だった…初空(チュコン)戦神にきっと仕返しされる」 「でも身代わりに矢を受けたのは感動的だった、戦神も意地悪しないわ」 転命星君はうっかり口を滑らせ、祥雲の歴劫が酒の肴になっていたとばれてしまう。 焦った転命星君は祥雲が苦労したのも李(リ)天王のせいだと責任転嫁、けじめをつけさせようと煽った。 すると祥雲はそれより自分が死んだあとの長空が見たいという。 …長空は祥雲との約束通り生きていた しかし祥雲を失った衝撃から白髪となり、今日も墓前で悲しみを酒で紛らせている するとふいに誰かの気配を感じ、手を伸ばした 『祥雲?…もしそこにいるなら姿を見せてくれないか、ひと目だけでいい そうすれば独りではないと分かる』 その時、長空の手のひらに涙が一粒、落ちた… 祥雲は転命星君にもう一度だけ長空に会いたいと頼んだ。 しかし今回の歴劫が終わって宋祥雲と陸長空の縁も切れたという。 「無理やり会えばこの世の秩序が乱れてしまうの」 祥雲は姻縁閣に戻った。 寿命が長い神仙にとって歴劫などほんの一瞬のことだと思っていたが、いざ修行してみるとよく分かる。 そこで過ごす時間も出会う人も全ては縁で決まっている。 決して逃げられない運命なのだ。 …あれから人間界では第1皇子が新帝となった 父皇を操り、陸家を陥れた修茗は謀反の罪で投獄されてしまう… 出会った時からすでに物語は始まり、そして結末がどうなるかは経験しなければ分からない。 転生によって本来の自分と相反する者になることもあれば、温厚で優しい君子が愛のため片意地になり、代償として命を捨てる、そして傲慢な戦神は死ぬまで変わることなく愛のために人生を送った。 祥雲は長空が心配で転命星君を頻繁に訪ねていた。 転命星君は戦神を本当に好きになったのかと怪しんだが、祥雲は慌てて否定する。 そしてついに長空としての寿命を全うした初空が天界へ戻った。 初空は出迎えた神仙たちの中に祥雲の姿を見つけたが、声もかけず通り過ぎてしまう。 つづく ( ๑≧ꇴ≦)ちょっと!祥雲の巨大な頭のせいで話に入れなかったわw でも今回の白髪は良い白髪⭕️ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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