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2024.07.07
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)
第13話

人間界の歴劫を終えて天界に戻った初空(チュコン)。
しかし出迎えの神仙たちの中に祥雲(シャンユン)を見つけながら、声もかけず通り過ぎてしまう。
祥雲は感傷的になって思わず涙ぐんだが、初空は密かに仙術を放って涙を拭った。
その時、一緒に転生していた帝休(テイキュウ)族の皇子・修茗(シゥミン)が帰って来る。
すると修茗は出迎えの神仙たちを下げ、祥雲だけ呼び止めた。
「人間の修茗に代わり私が償おう…本意ではなかった、どうか許してくれ」
「分かっています、あれは李(リ)天王が書いた筋書きのせいです」
修茗は祥雲にわだかまりがないと分かり、これからは一緒に苦労した友だと笑った。
「それなら友の私に説明してもらおうか」
その声は引き返して来た初空だった。

初空は修茗を連れて瀟雲(ショウウン)殿に戻った。
「″忘川の水″があれほど効くとは…記憶があればお前にあんな残忍なことができるわけない
 確かに多くの罪を犯したが、お前の修行を助けたくて転生したんだ」
すると修茗は人間界の第3皇子に代わって謝罪し、初空に許してもらった。

一方、姻縁閣に戻った祥雲はまだ陸長空(ルーチャンコン)への想いを引きずっていた。
紅線翁(コウセンカク)はまた縁を結べば良いと励ましたが、祥雲にとって初空と長空では天と地ほどの隔たりがあるという。
「だが初空仙君はお前を深く想っていたぞ?」
「でも長空じゃないもん」
その頃、李天王は初空戦神に呼び出され、歴劫で散々な目に遭わされたと責められていた。
まさか知らぬ間に筋書きが変わっていたとは言えず、愛が深いほど元神が回復するものだと取り繕う。
「転生後の気質はしばしば心の奥底に潜んだものが現れます
 神仙が転生先で何をするか、どんな結末を迎えるか、結局は神仙の気質で決まります」
李天王は上手く乗り切ったと安堵したが、初空は意味ありげに笑った。
「ふっ…李天王、聞いたぞ?古の術・逐浪九峰(チクロウキュウホウ)を会得したとか、見てみたい」
「いえ、とてもお見せするようなものでは…」
すると初空は李天王の手首を締め上げた。
確かに逐浪九峰という術を知る者は少ないが、初空を騙すのは難しい。
「この術を会得すると霊気が巡って手首が光る、だが痛みで耐え切れない
 筆も持てず、馬鹿げたあらすじも書けぬはずだが?」
「イタタタタ…仙君、真に受けませんよう、あ、急用を思い出しました!٩(¨ )ว=͟͟͞͞ ピュー!」

初空は独りになると李天王の言葉を思い返した。
…転生後の気質はしばしば心の奥底に潜んだものが現れます…
果たして宋(ソン)祥雲は心から陸長空を好きだったのか、それともただの修行に過ぎなかったのか。
一方、祥雲は未練を断ち切れず、長空からもらったかんざしだけ持ち帰っていた。
「大したことじゃない、ただ少し悲しいだけ…ゥッ」
その頃、転生先で祥雲と結ばれなかった修茗は過去の苦い経験を思い出し、憤っていた。

…3万年前のこと、修茗は昊軒(コウケン)帝君から滄海(ソウカイ)が魔道に落ち、帝休族を殺し尽くしたと聞いた
しかし幸いにも初空が元神の半分を犠牲にして滄海を無界へ追いやり、討ち滅ぼしてくれたという
『修茗殿下、帝休族の敵は討った、世の民はついに救われたのだ』
『残念でならない、我が手で″敵″を討てなかったことが』
修茗は憎しみを込めながら昊軒に言った…

そして修茗はついに探し続けていた滄海を見つけた。
「二度と悲劇は繰り返さない、必ずあなたを守る」
すると修茗は心血を注いで砕魂箭(サイコンセン)を作らねばならないと奮起する。
「あなたのために危険を除き、恨みを晴らす」



李天王がようやく姻縁閣に顔を出した。
祥雲はこれまでの鬱憤を爆発させたが、李天王は自分に手を出せば逐浪九峰で怪我すると脅す。
しかし祥雲はただの見栄だと知っていた。
「何が逐浪九峰よ!できもしないくせに!」
兄妹のような2人は取っ組み合いになったが、そこへ思わぬ知らせが来た。
「また公主が来たわ!」
祥雲は慌てて姻縁閣を逃げ出したが、李天王は仕返しに祥雲なら向こうに逃げたと公主にばらしてしまう。

祥雲は呆気なく鶯時(オウシ)公主に捕まった。
そこで筋書きにちょっとした手違いがあったとごまかしたが、思いがけず鶯時は初空との縁をあきらめたという。
「愛は経験しないと分からない…うまくやってくれたわ」
実は鶯時は歴劫で紫輝(シキ)と縁を結んでいた。
紫輝はただの石ではなく、あの女媧(ジョカ)石の化身だという。
「女媧石はもともと私の物、これで貸し借りなしね…でも紫輝に手を出したら許さないから!」
「誰を許さないのだ?」
その声は初空戦神だった。

初空は姻縁閣の者に因縁をつけるなと鶯時に釘を刺した。
すると鶯時は天界に戻ってもまだ祥雲を守るのかと失笑する。
「人間界でも手を尽くして守っていたものね、まさか本当に恋に落ちたのかしら?
 3万年も情愛に疎かった戦神が堂々とイチャつくとはね~」
鶯時は父親の威光を笠に着て怖いものなし、初空を散々、揶揄して帰ってしまう。

祥雲は初空が長空のように自分を助けに来たことが嬉しかった。
しかし初空はつい″歴劫の相手を死なせるわけにはいかない″とそっけなくしてしまう。
「そうですよね…修行の邪魔にならないよう気をつけます」
祥雲は落胆し、気まずそうに帰って行った。

初空は兄の昊軒帝君に謁見、歴劫は元神の回復にかなりの効果があったと報告した。
「あと数回、行けば元通りに…」
「安心した、だが姻縁閣のあの仙女に不満があると聞いたが?」
初空は歴劫から戻った時に祥雲を無視したせいだと分かった。
「いいえ、素晴らしい相手です」

実は祥雲は今回の転生で元神を損なっていた。
孫(ソン)天王は帝君に転生を続ければ仙女が命を落とすと報告、すると昊軒は仙女をすぐ呼ぶよう命じる。
一方、側仕えから帝君が祥雲を呼んだと聞いた修茗は驚き、蓬莱(ホウライ)居を飛び出した。

昊軒帝君は祥雲の顔を見て驚いた。
「真の姿は何だ?」
「3000年前、漂う彩雲だった私を紅線翁が人像(ヒトガタ)に…」
帝君は術で仙女の真身を確認したが、確かに彩雲だった。
「弟の情劫相手がどのような者か会いたかった…お前を見ると亡くなったある者を思い出す」
すると帝君は褒美として祥雲の官位を2段階上げ、″縁結び仙女″という称号を与えた。



祥雲が長寧(チョウネイ)宮を出ると修茗が待っていた。
「昊軒神君に会ったのは初めてかい?」
「ええ」
修茗の心配をよそに祥雲は官位が上がって俸禄ももらえると喜び、期待に応えるべく務めに戻った。

修茗は祥雲の背中を見送りながら、命より大事にしているあの玉を出した。
実は修茗が持っている玉は摩羅(マラ)族の神器・天穹玉(テンキュウギョク)。
かつて滄海が贈ってくれた玉だった。
『少し私の力が込めてある、身につけるように』
『そんな貴重な物を頂けません』
『持っていて、身体を強くして元神を養うから』
…天穹玉の色が暗くなった、滄海、今度は必ずあなたを守る…

姻縁閣に戻った祥雲は親代わりの紅線翁に昇格を報告、ここまで育ててくれた恩に感謝した。
すると初空戦神が祥雲を呼んでいると知らせが届く。
(꒪ꇴ꒪〣)<翁翁…行きたくな~い
祥雲は思わず紅線翁の手首をつかんで助けを求めたが、あえなく指を引き剥がされてしまう。

祥雲は渋々、瀟雲殿を訪ねた。
初空は昇格した祥雲が当然、自分に感謝してくれると思ったが、期待を裏切られてしまう。
「これも紅線翁や姻縁閣のおかげ、何より修行に耐えることができた自分に感謝です!」
「それから?」
「それから?…あ!天界という暖かな家庭にも感謝しています」
初空は何も分かっていない祥雲に頭を抱えた。
そこで自分からも褒美だと言って卓上に写経一式を召喚し、これでうぬぼれを戒めるよう命じる。
「数日、お待ちを…姻縁閣のお務めがありま…仙君nnnnnn!」
しかし初空は祥雲の懇願を無視して出かけてしまう。
( ತ _ತ)<神君は聡明で立派なのに、実の弟は小さいわ~
<100回、追加!  (꒪ꇴ꒪〣) ゲッ!




祥雲が写経を終えると、初空が戻って来た。
「仙君、怠けずに書き終えました、他にご用がなければ失礼します」
「駄目だ」
「(ホントしつこいんだから)もしかして私を懲らしめたいとか…」
「…人間界でお前は何度も″懲らしめるな″と言った、天界の記憶を持っていたな?』
「(チッ!やっぱり仕返しか)根に持たないと言ったのに…
 人間界で約束しましたよね?懲らしめないと」
「私は陸長空ではない」
「なんであれ私は初空仙君をかばって矢を受けました」

つづく


( ๑≧ꇴ≦)これは…帝君が怪しい!





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最終更新日  2024.07.12 13:41:31
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