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岁岁青莲 Blooming Days 第14話「新たな火種」 呂北逸(リョホクイツ)を追いかけ、ねぐらにまで押しかけた賀元雪(ガゲンセツ)。 呂北逸の憂さ晴らしの酒に付き合いながら、彼には忘れられない想い人がいることを知るのだった。 翌朝、駱青蓮(ラクセイレン)は且歌苑(ショカエン)の寝台で目を覚ました。 賀連信(ガレンシン)は侍女の東籬(トウリ)を呼んで世話を頼み、すでに出かけたという。 「小姐、飲み過ぎですよ?」 すると青蓮はおぼろげながら昨夜の失態を思い出した。 確か賀連信から短剣を渡され、酒の力を借りようと杯を空けたが、そのまま泥酔して醜態を晒したらしい。 青蓮は居たたまれなくなって急いで帰ろうとしたが、その時、東籬が卓上にある封書を見つけた。 …夫婦円満を望まぬなら自由にしよう、これより各々の道を行く… 賀連信は屋敷に寄り付かなくなった。 そんな中、朝議では世子・賀連儲(ガレンチョ)と賀連信が調子を合わせ、賀連修(ガレンシュウ)の居場所がなくなってしまう。 賀連修は復活を誓うが、何より自分には賢妻である阮之湄(ゲンシビ)がいた。 駱青蓮は近頃、食欲を失くしていた。 東籬は公子を追い出したからだと揶揄したが、そんなある日、流雲小築(リュウウンショウチク)がにわかに騒がしくなる。 青蓮が様子を見に行ってみると、すでに妻妾たちが集まって門から中の様子をうかがっていた。 「王府は耳が早いわね、慕海瑶(ボカイヨウ)が去るや否や新入りが来たわ ご覧なさい、″湖底の魚″も飛び出して来た」 妻妾たちは呆れたように解散すると、新たな妾・南如珍(ナンジョウチン)が青蓮に気づいて挨拶にやって来た。 駱青蓮はその足で驚秋(キョウシュウ)院へ向かうことにした。 それにしても南如珍は美しく賢そうで話も上手い。 その完璧さがかえって駱青蓮を警戒させた。 すると且歌苑で急に火の手が上がり、屋敷は騒然となる。 青蓮は密かに小火を出した宝物庫に飛び込んで賀連信の大事な羽織を救ったが、その様子を南如珍が見ていた。 賀連信は火事があったと聞いて慌てて屋敷に戻った。 そこで真っ先に懿(イ)夫人が縫ってくれた羽織を確認したが、無事だと分かって安堵する。 すると火消しを手伝ったのか、ある女が疲れて居眠りしていた。 「そなたは?名は何という?」 その女は新たな妾・南如珍だった。 その夜、李塘(リトウ)は偶然、火付けの下手人を見つけ、駱青蓮に報告した。 「昼間の火事の時、付け火を疑われる者と出くわしました 先ほどまた見かけたので後をつけたところ…南如珍の侍女でした」 駱青蓮は且歌苑を訪ねた。 喜んだ蘇南春(ソナンシュン)はすぐ主に報告しようとしたが、南如珍がいることを思い出して困惑する。 「あの者がいるのね?」 すると南如珍の侍女・剪雨(センウ)が現れ、公子が主を気に入ったので明朝にでも出直して欲しいと門前払いされてしまう。 …たかが小火よ、寵愛を得たら付け火くらい何でもない… 駱青蓮は帰りに沈静容(シンセイヨウ)を訪ねた。 恐らく付け火は公子に近づくための手段、自分が口を出す筋合いではないという。 「妹妹ったら、何だか妬いているみたい、クスッ」 「考えすぎよ、私の想い人が誰か知っているはずよ」 すると青蓮は手巾を忘れたまま帰ってしまう。 一方、賀連儲は老三にすっかり骨抜きにされ、女色に溺れる毎日を送っていた。 翌朝、方懐蕊(ホウカイズイ)は南如珍が公子の寵愛を賜ったと早合点し、且歌苑に褒美を届けた。 妻妾たちは南如珍の得意げな様子を門から冷ややかに眺めていたが、その時、二日酔いで目覚めた賀連信が水を求めて外へ出て来る。 「これは何だ?」 ようやく事情を飲み込んだ賀連信は駱青蓮への未練で酔い潰れたとも言えず、面目を守るため南如珍を庶室に昇格させ、静姝(セイシュ)館を与えてしまう。 すると寝殿の前に落ちている青蓮の手巾に気づいた。 「蘇南春?もしや青蓮姑娘がきたのか?」 「はい確かに」 しかし如珍夫人がいたので侍女が断ってしまったという。 実はその手巾は沈静容がわざと置いたものだった。 喜んだ賀連信は漣微居(レンビキョ)に駆けつけた。 しかし主の体調がすぐれず眠っているため会えないと東籬に門前払いされてしまう。 同行した南如珍は公子を拒まぬよう助言し、昨夜のことは自分が悪いと謝罪した。 「まるで小姐がわがままで拒んでいると言いたげですね?小姐は病なのです」 「分かった分かった、治るまで待ってやろう 3ヶ月も待ったのだ、扉が開くまでここを動かぬ」 南如珍は公子の心にいるのがやはり駱青蓮だけなのだと思い知らされたが、その時、寝殿から染雲(ゼンウン)が出て来た。 「大変です!小姐が倒れました!」 賀連信は慌てて呂北逸を呼んだ。 すると駱青蓮は病ではなく懐妊だと分かる。 賀連信はすっかり舞い上がり、早速、褒美を揃えに出かけて行った。 その間に呂北逸は安胎薬を飲ませることにしたが、青蓮は拒む。 実は懐妊と聞いて真っ先に青蓮の目に浮かんだのは暉児(キジ)の非業の死だった。 「ここで生をうけることが幸せとは限らない…出て行くわ」 しかし運悪くその言葉を賀連信が聞いていた。 賀連信は激怒したが、青蓮は母親として子を守るためだと譲らない。 その時、蘇南春が駆けつけ、賀連倚(ガレンイ)が急ぎの用だと伝えた。 「駱青蓮、いいか?お前とお前の持つ全ては私のものだ 私の許しなく勝手に奪うことはできぬ!」 仕方なくその場をあとにした賀連信。 呂北逸はともかく薬を飲むようなだめ、去るか残るかは自分で決めろと言った。 「私がそばにいる」 信宅に突然、安(アン)王がやって来た。 すると安王は青蓮に褒美を授け、改めて医官の脈診を受けさせる。 「おめでとうございます、王爺」 実は賀連信は青蓮を引き止めるため、父王に孫が増えると報告していた。 つづく ( ゚ェ゚)で湖底の魚って誰? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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