|
岁岁青莲 Blooming Days 第15話「仕組まれた散歩」 駱青蓮(ラクセイレン)の懐妊が安(アン)王の知るところとなった。 青蓮は仕方なく曲涼(キョクリョウ)を去って子供に穏やかな暮らしをさせたいと明かしたが、賀連信(ガレンシン)の期待に反し、安王は自由にすればいいと許して席を立ってしまう。 しかし青蓮は安王の悲しそうな表情に胸が痛み、思わず後を追った。 「王爺!…時間をください」 安王を見送った賀連信は駱青蓮を漣微居(レンビキョ)まで送った。 青蓮は自分の子さえ利用するつもりかと不快感をあらわにしたが、賀連信は自分も父親として子を守りたい一心だったと訴える。 「これまで己の感情を抑えてきた、だが今は怖い、子を失えばそなたを失ってしまう どうやらお前に本気のようだ」 賀連信は青蓮を引き寄せ、口づけした。 駱青蓮の懐妊の噂はすぐに広まった。 袁百里(エンヒャクリ)は世子への寵愛が亡き王妃の身代わりである駱青蓮の赤子に奪われると焦り、賀連儲(ガレンチョ)に発破をかける。 一方、賀連修(ガレンシュウ)の嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は密かに静姝(セイシュ)館を訪ねた。 南如珍(ナンジョウチン)は外出が難しく報告が遅れたと謝罪したが、阮之湄は庶室に昇格したならもはや駒ではないという。 賀連信の真心を知った駱青蓮は少しずつわだかまりが解けて行った。 毎日のように漣微居へ届く賀連信からの贈り物。 しかし公子の寵愛を独り占めする駱青蓮に側室・李浅陌(リセンバク)は激しく嫉妬していた。 駱青蓮は沈静容(シンセイヨウ)を誘い、久しぶりに棲雁(セイガン)楼を訪ねることにした。 しかし許寄柔(キョキジュウ)は独りでどこかへ出かけたという。 すると侍従・林照(リンショウ)は具合が悪い主が心配だとうっかり口を滑らせ、侍女・花扶(カフ)にたしなめられてしまう。 「病気なの?」 「ご心配なく、ただの風邪ですから」 棲雁楼からの帰り道、駱青蓮は侍女の様子が変だったと怪しんだ。 沈静容は慕海瑶(ボカイヨウ)と手を組んでいた許寄柔をどうしても信用できなかったが、青蓮はもう過去のことだという。 「寄柔夫人とも力を合わせられたら心強いわ」 「もしや私が嫉妬したと思ったの?…確かにあなたは思慮深くて私は浅はかね」 すると沈静容は先に帰ってしまう。 「姐姐が警戒するのも当然ね…ただ気位が高い寄柔夫人が卑怯な人には思えないの」 その話を偶然、裏庭の蔵から戻った許寄柔が聞いていた。 許寄柔は何も知らずに自分を信じる駱青蓮に困惑した。 「愚かね…」 すると背後から歩いてきた方懐蕊(ホウカイズイ)に独り言を聞かれてしまう。 「誰が愚かなの?」 「私です、真夏にこんな厚着で日陰を歩いているなんて…着替えてきます」 方懐蕊はそれ以上、追求しなかったが、慕海瑶の失脚後に急に駱青蓮と近しくなった許寄柔を訝しんだ。 賀連信はどんな贈り物にも興味を示さない駱青蓮に困惑していた。 「食も容姿も興味はない、あとは何だ?…権力か?」 すると侍従の蘇南春(ソナンシュン)が庶室に昇格してはどうかと助言する。 「うむ…父王のために孫を産んでくれれば正室もやぶさかでない だが屋敷を離れたがっていて難しいしな」 「公子、それが姑娘の考えが変わったとか、屋敷に残るようです」 その話を偶然、方懐蕊が聞いていた。 沈静容は駱青蓮と仲直りしようと漣微居(レンビキョ)を訪ねた。 しかし許寄柔の姿に気づき、声をかけずに様子を見守る。 実は許寄柔は自分の懐妊中に手縫いした衣を青蓮に差し入れていた。 すると駱青蓮は臨月用の衣がまだ新しいことに気づく。 「私のお腹に子がいたのは6ヶ月までだったから…」 沈静容は結局、来訪を伝えずに引き上げた。 一方、許寄柔は6ヶ月用の青い衣に着替えて散歩へ行こうと駱青蓮を誘い出す。 「流産の話は初耳です」 「私も最初は妾で、身ごもって庶室になったの でも子供は6ヶ月で流産、娘だった、仕組んだのは葉秀(ヨウシュウ)よ」 許寄柔はそれが原因で子を産めない身体になっていた。 許寄柔は駱青蓮を庭園に連れて行った。 青蓮は屋敷へ来て初めての場所だと喜んだが、許寄柔はどこか上の空、急に早く帰ろうという。 しかし合図の鳥の声が聞こえ、許寄柔は逃げるように青蓮を置いていなくなった。 「寄柔夫人?寄柔夫人?」 青蓮は大きなお腹で許寄柔の後を追ったが、そこに牙を向いた犬が現れる。 驚いた青蓮は恐怖でその場から動けなくなった。 その時、呂北逸(リョホクイツ)が現れ、犬を蹴り飛ばし青蓮を救う。 すると方懐蕊たちと駆け付けた賀連信が怯える青蓮を抱きしめた。 呂北逸は逃げようとしていた男を捕らえた。 賀連修は妻妾たちが見守る中、自ら審問、男が聴瀾(チョウラン)閣の侍従と知る。 焦った李浅陌は自分と無関係だと訴えたが、実は正夫人の侍女・酔柳(スイリュウ)が全て見ていた。 酔柳は聴瀾閣から慌てて飛び出して行く侍従を目撃、後をつけた。 すると裏庭の荒れた古い蔵からどう猛な犬を連れ出し、駱青蓮が散策している庭に放ったという。 酔柳は恐ろしくなって正夫人へ報告に戻ると、ちょうど賀連信が居合わせたのだった。 賀連信は正直に白状すれば家族を見逃すと約束し、侍従を懐柔した。 すると侍従は主に命じられたと告白し、いきなり短剣を取り出して自害してしまう。 賀連信は嗣子(シシ)の殺害を図ったとして李浅陌の身分を剥奪、永寒閣での幽閉を命じた。 おかげで方懐蕊は時児(ジジ)の養育を任され、危うかった正室の座を守る。 これで一件落着かと思われたが、その時、呂北逸がひとつ確認したいと訴えた。 呂北逸は駱青蓮を散策に連れ出した許寄柔を怪しんだ。 そこで許可を得て許寄柔に近づくと、思った通り青蓮と同じ粉薬の匂いがする。 実は駱青蓮を助けた時、かすかに妙な香りがしていた。 犬を訓練する時、何度も同じ香りを嗅がせることで攻撃を指示できるようになるという。 しかし青蓮は許寄柔をかばった。 「あの男とは出がけに会い、その時に粉薬を付けられたのでしょう その香りが一緒にいた寄柔夫人に移ったのです」 その時、賀連信は確かに青蓮が見慣れない青い衣を着ていると気づいた。 「初めて着ました、新しく縫ったのです」 「おかしいな、裁縫している所を見たことないぞ?誰が縫った?」 すると咄嗟に沈静容が自分が縫ったと答えた。 駱青蓮は寝宮の前で沈静容を呼び止め、怒っていながら自分を助けてくれたと感謝した。 「助けたのはあることを知ったからなの、あの日…」 そこへ許寄柔が現れた。 駱青蓮たちはひとまず寝宮に入った。 すると許寄柔がいきなり叩頭、青蓮を害そうとした謝罪と助けてくれたお礼だという。 「借りは嫌いよ、助力が必要なら全力で借りを返すわ」 その時、思いがけず呂北逸がやって来た。 「噬心(セイシン)毒、いつからだ?」 この毒は服毒すると徐々に五感が失われ、1年以内に死ぬという。 つづく |ω・`)壁に耳ありジョージにメアリー…え?w お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[恋心が芽吹く頃~Blooming Days~あらすじ] カテゴリの最新記事
|