|
カテゴリ:ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ あらすじ
偷偷藏不住 Hidden Love 第1話 「小さな泥棒さん?」 その日、桑稚(サンジー)は数年ぶりにある人と再会した。 …人生には忘れられない″時″がある もっと正確に言うと、止まったままのシーンがある これほど近くで彼を見たのは今回が2回目 時間は魔法使いだ 私たちの身長差と距離をあっという間に縮めてしまうなんて… あれは桑稚が中学2年生の時だった。 思春期の少女はなかなか授業に身が入らず、窓の外をぼうっと眺めたり、退屈でノートにいたずら書きをしているうち、教師に叱られてしまう。 「明日、親御さんを呼んできなさい!」 実は親の呼び出しはこの半月で2度目のことだった。 桑稚は大学生の兄・桑延(サンイエン)に親の代理を頼むことを思いついた。 そこで早速、学校帰りにメッセージを送信したが、あっさり断られてしまう。 …哥哥、明日、久しぶりに帰って来ない?会いたいな …No (,,Ծ‸Ծ,,)<薄情者!大傻狗! しかし家に到着してみるとママから兄が戻っていると聞いた。 「え?!帰って来たの?!」 桑稚は喜んで2階の兄の部屋に入った。 すると久しぶりに会った兄がすっかりイケメンになっている。 「哥!…整形したの?」 「整形後の顔はカッコいいかい?」 桑稚が見惚れていると、背後から桑延が入ってきた。 桑稚が整形した兄だと勘違いしたのは桑延のルームメイト・段嘉許(ドワンジアシュー)だった。 「俺たち似ているかな?整形したかって聞かれた」 「何だって?!小鬼(シャオグイ)、お前の頭はどうなっているんだ?」 すると桑延はいつもの調子で妹をからかい泣かせてしまう。 娘の喚き声を聞いて仕方なくキッチンから駆けつけたママ。 兄を廊下へ連れ出し、幼い妹をいじめるなと叱っている。 段嘉許は呆気に取られていたが、兄妹喧嘩の光景は微笑ましかった。 兄に親代わりを頼むはずが喧嘩になってしまった桑稚。 しかし目の前にちょうどカッコいい兄の親友がいた。 「哥哥、明日は暇?」 「明日?…忙しいと言ったら?」 「ダメ!絶対に暇を作ってくれなくちゃ だって整形の話をしなければ喧嘩にならずに頼み事ができたのに」 桑稚は兄のふりをして担任と面談して欲しいと懇願した。 しかし段嘉許は了承できず、バイトがあるため帰るという。 桑稚は玄関で段嘉許を引き留めていたが無駄だった。 すると桑延が現れ、子供を相手にするなと妹をからかいながら先を急ぐ。 「子供じゃない!もう中学2年よ!」 「…中学2年生?じゃあ14歳か」 「背が低いからそう見えないんでしょう?ふん」 しかし段嘉許は桑稚の年齢を知ると、ふいにどこの学校の何組かを確認した。 「また今度、″今度″がいつかは分かるだろう?じゃあな!」 …今度っていつ?結局、来てくれるの?はっきり言ってよね… 〓第一篇 ~待つ~ 言えない秘密〓 桑稚が学校の支度をして1階に降りると兄がいた。 1ヶ月ぶりに実家に戻った桑延だったが、年頃になった桑稚はもはや兄に見向きもしない。 無視されるとそれはそれで寂しい桑延。 実は桑延はメインキャンパスの学生寮に引っ越すことになり、父の車を借りに来ていた。 母はメインキャンパスが娘の高校に近いと思い出し、放課後に迎えに行くよう頼んだが、桑延は子供の世話など嫌だとからかう。 「もう高2だもん、必要ないわ」 しかし桑延がルームメイトの荷物も一緒に運ぶと聞いて桑稚の態度が一変した。 「手伝いに行ってもいい?!放課後に行く! ママ~パパ~、哥哥ったら全然、帰ってこないでしょう?すごく会いたかった! 私も成長したし、役に立ちたいわ~」 ( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)お前ってやつは… 兄の大学にやって来た桑稚。 するとハッチバックを開けたまま停まっている父の車を見つけた。 桑稚は車に積まれたぬいぐるみを抱き上げたが、その下にある本に挟まった付箋に目を止める。 …段… 「小さな泥棒さん?」 驚いた桑稚が振り返ると、段嘉許が立っていた。 「桑稚?数年ぶりで分からなかったよ、なぜ俺の荷物を?」 「あなたのぬいぐるみなの?あ、ごめんなさい、知っていたら触らなかった」 「なぜ俺のだと触らないんだ?冷たいな~昔、俺が助けたこと忘れたの? 冗談だ、気に入ったのならあげるよ」 桑稚は段嘉許と一緒に学生寮へ荷物を運んだ。 5階にある兄の部屋は4人部屋。 嘉許哥の他にも2人の同級生・銭飛(チェンフェイ)と陳駿文(チェンジュンウェン)がいる。 段嘉許は自分の机を簡単に片付け、桑稚に椅子を勧めた。 「小妹妹(シャオメイメイ)、ここに座って」 「…小さくないもん(ボソッ」 「ふっ、そうだな、妹妹」 桑稚は憧れの段嘉許の机を興味深げに見まわした。 すると書類の間からのぞく段嘉許の学生証がある。 …修士課程 推薦 コンピューター学科… しかし大した話もできないまま、段嘉許は急いでアルバイトに出かけてしまう。 桑稚は段嘉許がくれたぬいぐるみが彼女からのプレゼントではないかと心配した。 すると銭飛が失笑、段嘉許に恋する暇などなく、ぬいぐるみは何かの懸賞で当たったものだという。 安堵した桑稚はかばんの中身を開けて大事なぬいぐるみを入れ、教材は手で抱えて帰ることにした。 桑稚は段嘉許の机に忘れ物をした。 その夜、バイトから戻った段嘉許は桑延の携帯を借りて桑稚に連絡、明日の朝にでも桑延に届けさせるという。 「まだ書いてないの…きっと作文は間に合わない」 「正直に先生に謝るんだ」 「・・・」 「ふっ、何時に登校するんだ?…分かった、バス停で待ってる、作文を書くのを手伝うよ」 翌朝、早起きした桑稚は時間通りバスに乗って6時40分に到着した。 しかしバス停に段嘉許の姿はない。 …なんでまだ来ていないの?本当に来る?… 桑稚は段嘉許を待ちながら、かつて兄の代役を頼んんだ時も同じようにやきもきしていたことを思い出した。 あの日、桑稚は段嘉許が学校に来てくれるのか確信を持てないまま授業を終えた。 「桑稚、親御さんと職員室に来なさい」 …マズい、どうしよう… つづく ( ๑≧ꇴ≦)ジアシュガー! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|