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岁岁青莲 Blooming Days 第19話「ひな鳥の争い」 世子・賀連儲(ガレンチョ)の嫉妬深さを利用し、わざと銃を差し入れた呂北逸(リョホクイツ)。 賀連信(ガレンシン)は誰かに見られたらまずいと世子を諌めたが、運悪く総管・于徳常(ウトクジョウ)がやって来た。 「世子、王爺がお呼びです…ぁ、その銃もお持ちください」 その時、安(アン)王の天幕にはちょうど幼い九弟・賀連倹(ガレンケン)がいた。 賀連儲は父王への献上品を横取りしたことが露見、自分が愚かだったと謝罪した。 しかし息子を見直したばかりだっただけに、安王の失望は大きい。 「そなたが失敗しても袁百里(エンヒャクリ)や学友、使用人を責めてきた ここまで横暴になった原因は全てこの私にある… ふっ、この銃をお前が手に入れたところで何が撃てるというのだ?」 すると安王は賀連倹に銃を渡し、世子と射撃の腕を競うよう命じた。 賀連倹は机に並んだ茶杯を標的に選んだ。 すでに銃の撃ち方を習った賀連倹は見事に命中させ世子に銃を渡す。 「次は二哥哥です、どうぞ」 賀連儲はここまで自分を辱めるのかと嘆いたが、安王は撃たなければ負けだと鼻であしらう。 父王のあまりの仕打ちに賀連儲は逆上、銃を発砲したが…。 幕舎から安王の悲鳴にも似た怒号が聞こえた。 「誰か!医官を!」 外に控えていた賀連信たちが慌てて幕舎に入ると、安王が腹から血を流す九弟を抱きしめていた。 安王は老九が急病と偽り医官を呼んだ。 呂北逸から話を聞いた賀連修(ガレンシュウ)は肩を落とし、まだ父王が世子を守るつもりだと知る。 「世子に放った火種が小さ過ぎたようだ、薪をくべる方法を考えないと」 しかし呂北逸はすでに薪を用意していた。 安王の幕舎に世子の侍衛が現れた。 実は死を覚悟で上奏すべき儀があるという。 侍衛の告発を聞いた安王は呆然、しばらく独りになりたいと出て行った。 …世子がこうおっしゃいました、世子を廃されるくらいなら先手を打つと… 安王は山道をしばし馬で走った。 そこで偶然にも畑仕事に精を出す駱青蓮(ラクセイレン)と出くわす。 苦境の中にあっても元気そうな青蓮。 「そなたを信じているが助けてやれぬ、私を恨むか?」 「まさか、曲涼(キョクリョウ)の主だからこそ意のままにならぬことがあると分かっています」 すると青蓮は草影で死んでいた小さなひな鳥を見つけた。 死骸を見た安王は親が運んでくる餌を巡って奪い合い、憎み合うひな鳥たちに息子たちの姿が重なり、何とも虚しくなってしまう。 「強欲なままでは災いを招くだろう…」 安王は別れ際、別院に薪を届けさせると言ってくれた。 しかしなぜかその必要はなかったと考え直す。 「そのうち別院を離れる日が来るだろう…ではな、そなたももう行きなさい」 青蓮は叩頭して安王を見送ったが、どうにも安王の言葉が引っ掛かる。 「はっ!公子が危ない…」 日が暮れてもまだ医官は狩り場に到着しなかった。 賀連儲は公子でいられるのもあとわずかだと絶望したが、賀連信はとにかく謝罪に行くよう背中を押す。 すると呂北逸が幕舎を出ようとした世子を呼び止め、羽織をかけた。 「真摯に反省して見せれば厳罰は免れます」 賀連信はこの期に及んで己の心配しかしない世子に憤っていたが、仕方なく様子を見に行くことにした。 賀連信が父王の幕舎へ向かう途中、突然、暗がりから駱青蓮が現れた。 2年ぶりに再会を果たした青蓮と賀連信。 しかし旧情を温める暇もなく、青蓮は安王が賀連信の逆心を疑っていると警告した。 「王爺に会ったの、餌の奪い合いで死んだひな鳥を見て″強欲は災いを招く″と… あなたと世子のことよね?私が別院を出られるとも言っていた 主の許しなく出られるはずがない、つまりあなたが…」 その頃、安王の幕舎の前では賀連儲が伏兵に捕まっていた。 伏兵は拘束した賀連儲の羽織から匕首を発見、これが決定打になってしまう。 …賀雲朔(ガウンサク)は長年、溺愛してきた息子の姿にわずかな望みも打ち砕かれた もはやこの曲涼の地や皇帝との誓いをこの者には託せぬと… ↓またしても俺?!何でだろう〜何でだろう〜♩ 賀連信は駱青蓮のおかげで救われた。 もしや青蓮の心に自分への情があるのでは。 しかしそんなわずかな期待もあっさり裏切られてしまう。 「身分を回復したいから助けたの、公子が無事ならそれでいい」 「一度だけでも私を想ったことはないのか?」 その時、公子を探していた蘇南春(ソナンシュン)が駆けつけ、青蓮は慌てて帰ってしまう。 賀連儲は世子の爵位を剥奪された。 兄弟たちは父王の逆鱗に触れまいと鳴りを潜めていたが、賀連信だけは賀連儲をかばって嘆願する。 「廃世子は重大事です、どうかご再考を…」 「そなたが謀反に加わらなかったことが私には唯一の救いだ 老三よ、袁百里の二の舞になるな」 屋敷に戻った賀連信は庭園で物思いにふけっていた。 すると沈静容(シンセイヨウ)が娘を連れてやって来る。 「青蓮のおかげで公子が助かったと聞きました」 「確かに、だが青蓮の真意は他にあった」 賀連信は落胆したが、沈静容は誰にも本心までは分からないものだという。 すると蘇南春が実は織月(ショクゲツ)から預かっているものがあると明かした。 「公子を悲しませると思って隠していました…」 蘇南春が差し出したのは駱青蓮が出産前に刺繍した手巾だった。 手巾には青蓮がひと針ひと針、想いを込めて糸を通した″信″という文字が…。 一方、駱青蓮は毛大(モウダイ)と毛二(モウジ)のために膝当てを縫っていた。 この2年、家族のように仲良く暮らしてきた青蓮と兄弟たち。 しかしその夜、兄弟は駱青蓮に毒入りの汁物を差し入れてしまう。 様子がおかしい兄弟を訝しんだ青蓮は汁物を飲まずに無事だったが、2人の裏切りに憤慨した。 すると兄弟は命を盾に脅され断れなかったと釈明する。 「二度と裏切らないよ、誰に頼まれたのか言う…」 その時、毛大の胸に暗器が命中、口封じに殺されてしまう。 兄弟が駱青蓮の暗殺に失敗したと知るや刺客たちが留院に乗り込んだ。 李塘(リトウ)と毛二が応戦、そこへちょうど呂北逸が現れ、刺客を排除してくれる。 しかし毛二は首を斬られて虫の息だった。 「毛二!しっかり!」 「ゥッ…南如珍(ナンジョチン)」 青蓮は黒幕が南如珍だと知った。 「東籬(トウリ)、李塘…帰る時が来たわ」 賀連信は駱青蓮が刺客に襲われたと聞いて別院に駆けつけた。 公子の来訪を知った慕海瑶(ボカイヨウ)は必ず自分に会いにきてくれると信じて疑わなかったが、いつまで経っても賀連信の姿は見えない。 その頃、賀連信は留院で我を失った青蓮の姿に衝撃を受けていた。 李塘の話では以前から呆けていたが、昨夜の恐怖でついに自分たちの顔まで忘れてしまったという。 無邪気な少女に戻った駱青蓮。 賀連信は自分を蘇南春だと思っている青蓮に思わず本音を漏らした。 「公子は一度も会いに来なかったことを後悔しています… 今の小姐の姿に心が引き裂かれんばかりでしょう、そしてとても恋しいとも…ウッ」 その時、賀連信は青蓮の首が赤くなっていることに気づいた。 「この首飾りははずしましょう、傷になります」 「ダメ!これは公子からもらったの、外さないで」 賀連信が首飾りを引っ張り出すと、割れた指輪を直して紐を通したものだった。 青蓮が思い出の指輪を今も大事にしていたと知り、思わず抱きしめ涙する賀連信。 一方、慕海瑶は来るはずのない公子をいつまでも待っていた。 賀連信は駱青蓮の世話をするため別院に通い詰めた。 不満を募らせる嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)と南如珍だったが、公子を黙って見送ることしかできない。 そんなある日、李塘は公子が公務で数日、曲涼を離れると報告した。 すると青蓮は蘇南春に薬が切れたと伝えるよう命じ、また公子を足止めしてしまう。 実は世子が空位となり、兄弟たちが爵位を継ごうと躍起になっていた。 痺れを切らした慕海瑶は留院を訪ね、青蓮のせいで公子が賀連修に先を越されてしまったと嘆く。 「今や修公子は曲涼を掌握し、安王や高官たちも絶賛しているわ!」 「姐姐、それは違います…」 賀連信は駱青蓮のため曲涼を離れられず、兄弟たちが熱望していた仕事を辞退した。 好機が舞い込んだと満足げな賀連修。 まさか邪魔者だと思っていた駱青蓮が踏み台になってくれるとは意外だと笑う。 しかし呂北逸は賀連修が留守にすれば数日後に迫った王妃の墓参りに賀連信が帯同すると警戒した。 確かに駱青蓮のせいで賀連信はせっかく築いた土台を半年でほぼ失っている。 実は呂北逸は別院を訪ねた時、青蓮に何が狙いなのか聞いていた。 「いずれ分かるわ、今こそ勝敗の分かれ目よ」 つづく ( ˙꒳˙ )沈静容本人はもちろん娘も侍女も可愛い!、なぜ厚遇されないのかw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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