Mさんの悩み
ある日の放課後,隣の学級のMさんが,社会科室にやってきた。 Mさんはまじめで優しい性格。成績優秀,スポーツ万能,おまけに長身でイケメン,男女とも友人も多い。とほぼパーフェクトな生徒。うちの学級には,存在しないキャラクターでもある。 そのMさんが,思い詰めたような顔でやってきて,言った。 StudentM: 悩みがあるんです。・・・教えてください。 へ!?Mが?なんで私に? ??? 確かに社会は教えてるけど,担任じゃないし,部活も違うし,これといった接点もないけど。 まぁ,それでもいいなら,話を聞きましょ。 あんまり難易度の高いモノじゃありませんように・・・(Shineの力量を悟ってくれ・・・) Shine: Mさんは,何を悩んでいるのかな?私にどんなことか話してくれるかな? StudentM:ほかの人に言いふらさないでくださいよ。約束してください。(←パターン) Shine: 内容にもよるけど,原則は秘密だから大丈夫だよ。 どうしても他に知らせる必要があるときは,Mさんの許可を得てからにするから。 ~ しばし沈黙 ~ StudentM:あの~。ずっと考えてたけど,わからなくって。 ・・・先生。ケネディって,どうして暗殺されたんですか? あんな立派な人が・・・ はいいいぃぃぃ!?M,悩みって,それか? StudentM:・・・僕には,わかりません。 あぁ,中学生って,いぃなぁ・・・ 額に縦ジワを寄せてうつむくMさんは,真剣そのものである。 いろんな事件が日本を騒がせているが,子どもたちには希望が持てそう。 Mさん,大いに悩んで考えてくれ。 「その答えを探すためにも,いっしょに歴史を勉強してみよう。」などという,月並みな言葉でごまかした私は,本当に考えなければならないことは何か,もう一度自分の胸に訊いてみたのでありました。