カテゴリ:出会い
新しい勤め先からレンタカーを支給して貰ったリチャードはオイラの家には泊まらないで日夜どこかで飲み明かしてさ、さよならも言わずにノースダコタへ行ってしまったんだ。一応次の日に電話があったんだけど過度な酔っ払いには関わりたくなかったからスルーしたんだよ。せっかく奇妙な出会いで知り合って友達になれそうだったのに...パソコンでホームページが上手に作れたり、料理も上手で隠れた才能を持った人間だったのに...空軍時代は秘密情報管理の任務まで任されていた信用のある人間だったのにね。
正直、オイラの人を見る目がない事に後悔をしてたんだ。もう彼のことは気にしないと思っていた矢先に昨日、リチャードから電話があったんだ。車の運転中だったから再びスルー。 車を止めてオイラは電話をかけ直してみた。 「Yo!ビリングスの近くにでも来たのか?」オイラが聞くと現在はカリフォルニアを走っていて次はオクラホマ州へ向かうそうな。 だけど直ぐにリチャードがオイラに謝ってきたんだ。 「本当に自分勝手な行動をして恩を仇で返す様なことをして済まなかった。奇跡的な出会い、俺に希望ある時間を与えて励ましてくれた君に気分の悪い思いをさせてしまって本当に済まなかった。許してほしい。君との縁を大切にしたいから友達でいて欲しい...」 オイラはこう答えた。 「いいよ。気にするなよ。うれしくて羽目を外しちゃった気持ちはわかったからさ。それより今は飲んでないんだろ仕事中だし。」 「うん、さすがに今は仕事での運転中だからね。だけど不思議なことに新しい仕事を始めたとたんにいろんな会社から仕事のオファーが相次いで入ってきているんだ。給料も今の会社より貰えるんだけど、しばらく安定するまでは今の会社に務めるけどさ。運気があがったよ。君のおかげだよ。ありがとう。俺、頑張るからさ。ビリングス付近には多分1ヶ月後に走る予定だからその時は一緒に釣りでもしようよ。前もって計画を立ててさ。」 「オイラはなにもしてないよ。お前が頑張って生活を立て直しているだけじゃないか!釣りをするしないは別としても近くに来たら顔だけでも見せてくれよ。オッケー?」 リチャードは涙ぐんだ声で何度も繰り返し「ありがとう」を日本語で答えて電話を切った。 ここでブログの読者のみんなに誤解してもらいたくないんだけど聞いてくれ。オイラの信念は来る者は拒まず去る者は追わず、だけど悪気なしにノーとも言えるからね、嫌な時は。その時はちゃんと理由は言うよ。 兎にも角にもなんとなく気分が良い一日を電話の後は過ごせたんだ。 リチャード頑張れ!オイラも頑張れ! 明日はどんな事が起きて、どんな出会いがあるのかな?ワクワクしちゃうよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.04.04 11:53:05
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