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先日
『無限の造形』パウル・クレーを入手した。 これはずっと探していた希少本。 噂のとおりの高値で上・下でウ、ウン万円。 そんなことはどーでもいー。 “線”の秘密を知ることが急務なのだ。 第401夜『文様の博物誌』吉田光邦 この中に「古代の紐」という短い“覚え書き”がある。 ここには、縄文から弥生に変わる時期に現代の文様に通ずる意識が生まれたのではないかと書かれている。 まず“紐”とは何か、その紐を“結ぶ”とは何か、からはじまる。 古代において紐というものはとても神聖かつ重要なものだった。 その神聖な紐を押捺して文をつくったものが初期の縄文土器。 その重要な紐を直接粘土でつくって表面に貼り付けたものが中期の縄文土器。 弥生時代に入るとその土器の様式がガラリと変わる。 立体的な紐の文様が突然絵画的になる。 この時期に人間の精神構造の変化があったに違いない。 二次元に写実や抽象を描出するという創造心理の変化。 これはいったい何なのか。 もっと驚いたのは、このときにトリミングが発生したということ。 銅鐸という支持体に幾何学な視点で世界を切り取るということが発生した。 そこに引かれたのは鋸歯文や波線や直線。 かつての聖なる紐が人間によって引かれた線となった。 線は空間を切り取るための道具なのだ。 『文様とデザインの力にはいまなおマジカルな工夫があるはずで、それを今日のデザイナーたちがいささか見失っているのではないかという心配をしている。つまりデザインが「しきたり」をつくれなくなっていることに、やや失望をしているわけなのだ。』 線もマジカルを見失っている。 ここから『無限の造形』を読まなくてはならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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