May
メール嫌いの君が僕に尋ねてきた。
「メールの文章、どーやって思いつくん?」
僕はつまらない嫉妬を覚えた。
メール嫌いの君がメールを続かせようとしている。
僕はそれがたまらなく気に入らなかった。
だけど僕はそんなことを君に伝えたりしない。
そんなことを言えば、君は機嫌を損ねてしまうのを知っているから。
僕はただ君の話に相槌を打つしかしなかった。
僕は君にメールを送らない。
僕は君が嫌がることを知っている。
だから、僕は君にメールを送らない。
何にもしなきゃ、何にもなんない。
君が僕以外の誰かを大切に思う日が来るのならば…
僕は君よりも早く、大切な誰かに会いたい。
君よりも大切だと思える人に出会いたい。
僕は君が誰かを大切に思う姿を見たくない。
僕はわがままだ。
僕が君を思うように、僕は君に思われたい。
僕は君以外の大切だと思える誰かに出会いたい。
だけど、僕は君が僕以外の誰かを大切に思う日が来てほしくない。
僕から君に電話したのは久しぶりだった。
たいした会話もせずに電話を切った。
5分後には君の隣にいた。
やり直せるかどうかなんて必要ない。
ただ僕は君に会いたい。
ただ気になって仕方がない。