日本には遠い国のことなのでなかなか伝わってこないが、トルコとイランが
大変な状態である。
先日イランとロシアは大統領どおしが会った。この2国は決して仲が良くな
いが、共通の敵アメリカとイランとロシアの間にある国アゼルバイジャンや
グルジアなどの国を押さえ込むことや石油や天然資源の利害が一致している
ようだ。
イスラム原理主義のイランがチェチェンなどを後押ししていることが問題
だったが、ロシアが押さえ込んだので既に問題とはならなくなっているかも
しれない。
ところでトルコの問題。
日本から遠い国ではあるが、トルコでは日本は日露戦争でロシアに勝利をし
たとき日本ブームが起き、日本贔屓であることはあまり知られていない。
海戦のときの東郷元帥の名前はトルコ人はみんな知っている。20年前にト
ルコに行ったときは非常に親日的であったので、居心地がよく3ヶ月も滞在
してしまった。
そのトルコに行って初めて知ったことがある。
「アルメニア人虐殺問題」
20世紀の始まる前後、オスマントルコは崩壊しつつあった。
オスマントルコではトルコ人が権力者であることには違いないが、一般の社
会では人種の差別はさほどなく人種が入り混じって住んでいた。それがギリ
シャが独立を果たしたりロシアの南進で、トルコ内部にいるアルメニア人が
クーデータを起こす恐れが出てきた。
そのためアルメニア人をトルコからロシアへ強制移住させることになった。
そのとき数百万人のアルメニア人が虐殺されたらしい。
トルコでは現在、アルメニア人はトルコ西岸にあるイズミールという都市に
3万人が残る程度だという。アメリカにはアルメニア人が多数住んでいるの
で、毎年「アルメニア人虐殺問題」を持ち出している。トルコ政府は公式に
認めていないので、「南京大虐殺」と同列に扱われているのではないだろうか。
アルメニア人もWikipediaで知ったのだが、世界中に散って有名な人を輩出
している。テニスプレーヤーのアンドレ・アガシや「剣の舞」のハチャトリアンなどいろいろいるようだ。有名アルメニア人。
その点ではユダヤ人、パレスチナ人、華僑、印僑と同じかもしれない。世界中に散らばっていて優秀な人材として根付いている。弁護士や医者、商人は多い。
トルコ国内のアルメニア人は減ったので国内問題は減ったが、クルド人問題
は残る。イラク国内のクルド人がトルコに進出してきているので、先日トル
コ軍がイラクの国境を越えて攻撃した。
ちょうどこの辺りも石油が取れたり、ロシアやイランからのパイプラインも
あるそうで、原油が90ドルを越えているのできな臭くなってきた。
来週はブラックマンデーの再来かもしれない。
ところでトルコは徴兵制が敷かれており、たくさんのクルド人も軍隊に属し
ている。そのクルド人が軍隊の一部を掌握できないのは、トルコではクルド
人など東部で徴兵した人は西部に回され、イスタンブールなど西部の人が東
部に回される。それで軍が力を持っているにも関わらず、分離独立を起こし
にくいようにしていると聞いたことがある。
日本は何もしてあげられないのか・・・・