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こんな題名の本を紹介するとまたスパムが増えるかもしれないけれどね。
書名: セックスボランティア 著者: 河合香織 出版: 新潮社 値段: 1500円+税 内容は衝撃的だった。 しかし読み始めてみると、人間としてごく普通のことであるとわかる。 私たち人間は、男として生まれ、女として生まれれば、普通の性衝動はある だろう。それは食べること、寝ることという、人間として普通の欲求である からだ。 健常者は、ごく普通の男は女と結ばれたいし、女も男と結ばれたいという気 持ちがある。障害者だって同じで、身体が全く動かない障害者だって普通な んだと。しかも、手足が動かなくても性器と大脳が機能していれば、健常者 と同じ性欲がある。 私たちはそのことに目をふさいでいたかもしれない。 確かにもし子どもができた場合育てていけるのか?税金で育てることになっ て負担をかけるのではないか?生まれてきた子どもは健常者だろうか?子ど もが成長したときに、親をどう思うか? "I am Sam"という映画を思い出す。 主人公は知的障碍者で7歳の知能しか持たない。ホームレス女性に襲われ て、子どもができた。その女性が子どもを育てられないというので、無理や り押し付けられて一緒の生活が始まる。同じ知的障碍者と一緒に育てていく。 愛情は持っているけれども、子どもが小学校に入ったときに子どもの知能が 親を上回ってしまった。児童福祉局から「育てるのは無理だ」ということで 取り上げられてしまう。 知的障碍者ではないけれど、ハンセン病を隔離したという歴史があった。隔 離するだけでなく子どもが生まれないように子宮摘出手術なども行い、強制 的に堕胎手術を行った。人権からみればひどいことだけれど、社会的にみれ ば周りの人たちがそれに対処できたかどうかという問題もある。 この本は障碍者も普通の人間だよということを説得している。 その性行為をするためにいろいろな努力をする。自慰をしたいが、手が動か ない場合は他の人にやってもらう。ただ本人のとっては介護は恥ずかしいこ とで、自慰の手伝いはもっと恥ずかしいこと。その意味は言われるまでわか らなかったが、当然のことかもしれない。 私も身体が動かなくなったら、下の世話などは恥ずかしくて頼めないかもし れない。しかし頼まないことには生活に困ってしまう。 出張ヘルスを頼んだり、ソープランドへ行ったりする。そのために酸素ボン ベなしで努力する。酸素ボンベを外して生きていけるのは2時間ほど。命が けで行う。女の人は仕事といっても怖くて拒否する人がいる。 人間として生まれたからには恋もしたいし、セックスもしたい。 単にこういった性行為に関することが美談として終わるのはつまらない。そ ういう気持ちがあることが人間なんだと、再発見した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.13 11:58:56
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