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NHK「プロフェッショナルの流儀」を1週間遅れで視る。 中小企業経営者で「多品種小ロット織物生産システム」を作った、片山象三さんが今日(先週)のプロフェッショナルだ。 http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/080219/index.html ググるとこちらでも紹介されており、こちらは番組で取り上げられなかった台風で泥まみれになってしまっても諦めずに開発を再開したという話も載っている。 http://www.jmf.or.jp/monodzukuri/world/09.html 番組で取り上げた繊維産業をはじめとして、国際競争にさらされている事業は没落しているものが多い。かつては鉱山、重工業、繊維など一度は就職したい会社としていつもベスト10に入っていたり時代を極めたが、いまはそうでもない。 鉱山は鉱山そのものが日本ではコスト高。資源もあまりない。 日本人の人件費は世界で一番高いといわれる。ヨーロッパも同じだろうと思う。 中国、インド、東南アジア、中南米、東欧などはだんだんと先進国に近くなりつつあるけれども、それでも人件費は数分の1。人件費が全うにかかる労働集約産業は本当につらい。人件費を減らして事業が継続できるように、自動化して人件費を減らす織物機を考案する。 番組では、片山さんがなんとか地元の産業を救いたいという気持ちで、新しい織物機を開発した。彼は繊維機械の商社で、開発メーカーではない。 縦糸を自動的に結ぶということで、縦糸の交換をしなくてもよい。それで人件費はかなり減らせるというのは斬新な発想であった。普通は縦糸をセットするのにどうやってやるかということを考えるだろう。ただ斬新な発想であっても、それは難しいことだと考えて敬遠してきたことかもしれない。 彼は自分が「素人」 なので何かを実現したいと思えば、いろいろな人を巻き込んでいくしかない。「素人」だからこそまとめていけたんだろう。製造者、ユーザー、研究者などのそれぞれの視点に位置すれば、その立場で考えることになる。マネージャーとするには、それぞれをバランスよくみる立場が必要だ。かといって、それぞれの分野のことを知らないでいればいいというわけではない。そこそこの知識が必要であるし、できればすべてのことを把握するのが理想だ。しかし専門家すぎては、それぞれの立場の人よりも自分の考えが優れていると思って置き換えてしまっては、そもそもチームプレイが成り立たない。 知っていても知らない振りをして、その人を自分でするように仕向ける。 彼はそれに徹していたと思う。 しかしそもそも協力者を集めて、一緒にやっていくことが大事。協力者の興味を持たせて、それを維持することが難しい。彼は興味を持たせるように実際に顔を合わせて、とことん巻き込むことに精力を払った。その人が時間が足りなければ、自分にできることはやるという姿勢を見せる。そして、「なんとかやってくれ」と無理強いせずに、相手が自分からやるという姿勢を見せるまで待つ。
もうひとつは本人が諦めないこと。
いつもの「プロフェッショナル」とは少し趣が違っていた。登場人物は天才的なすごい人が多かったが、彼は努力の人。私たちの行動を少し変えれば到達できそうな人。しかし決して諦めないというのは、できそうでできないことだろう。
彼が灯した火を消さないためには、継続してアイディアを出し続けて、新しい製品をつくっていくことだろうと思う。すでに中国をはじめとする、同業他社は機械を分解して中身を分析していると思う。数ミリの誤差でできたりできなかったりするノウハウはあるだろうが、やがて追いつかれる。そのときは新しいアイディアを導入して、また一歩先んじていること。 そして彼と彼の協力者だけを努力させるのではなく、別の人が別の協力者と一緒になって別の形のものを作り上げること。そういういろいろなグループがたくさんできてくれば、お互いが刺激になっていって、繊維産業そのものが明るくなると思う。
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Last updated
2008.02.27 12:23:00
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