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スタバではグランデを買え! 昨日のブログは、この本を読んでいて「起業のうまくいかない根本的な理由は自分自身にあったんだ」と思ったので書きました。 それ以外にもいろいろと気付かされることがある良い本だと思います。 本のタイトルにある、「スタバではグランデを買え!」というのは釣りタイトルのようです。私たちの身近な商品の値段について洞察しており、経済格差や医療費無料の問題について書かれています。 「ヤバい経済学」という本もおもしろかったんですが、経済学って、こんなにおもしろかったんだと気付きました。そういえば、日本では経済学は文系ですが、海外ではどちらかといえば理系なんですってね。社会現象を数式で分析しているという点では、なるほどなと思います。 ・お茶のペットボトルはスーパーで120円、コンビニで150円、100円ショップで100円とか場所によって値段が違います。それは、顧客の利便性の差ですが、顧客に商品+サービスを売っているという意味もあるんですね。 コンビニや自動販売機は料金が高めですが、いつでも冷えたものや熱いものが買えるという利便性があります。私たちは遠くのスーパーへ行って重い荷物を運んでくるという負担をしなくてもすみます。その分のサービスの料金を負担しているわけです。 ・DVD映画の値段戦略の話 DVD映画を売る時に値段をどうするか?安く売ればたくさんうれますが利益は少ないです。高く売れば量は少ないです。 そのDVDを買う市場を考慮すると、高く買ってくれる人もいますし、安くないと買わない人が売れます。またDVDの価値は本当は映画によって異なるはずですが、人によって異なりますし一番利益があがる値段をいくらに設定すればいいかは難しいです。 そこで、最初にフィギャアやメイキングなどの特典をつけて高めに売ります。そうすると価値を高く判断してくれる人が買ってくれます。そして特典なしのものを少し安く売ります。半年ぐらい経って、特典なしのものをもっと安く売ります。 DVDなどの原価は値段に比べればずっと安い(たぶんパッケージ含めても100円ぐらいでしょう)ので値段は自由につけることができるでしょう。 特典そのものにかかった費用はそんなに大したことはないと思うし、特典なしの製品でも発売直後に買った人としばらく後に買った人では、直後の方がサービスとしては高めに設定されている。 なるほど、製品の値段とサービスというのをユーザーは買っているんだなと思いました。逆に言えば、利便性を自分で負担すれば安く買える。その選択をユーザーに委ねられているんですね。 コンピューター関係の仕事で考えると、ほぼすべてサービスなんですが、商品的なものと利便性にわけることができるかもしれません。 メールサーバーを構築するにしても、 メールサーバーそのものと、それをいかに使いやすくするかというサービスですか。 メールサーバーそのものに値段の差はあまりないかもしれませんが、 安定性や管理しやすさだったり、Webからもアクセスできたり、携帯からもアクセスできたりする。その方がサービスがいいですよね。 そういうことも当たり前になってきているので、トラブル解決や利用法など相談できるというのが、サービスとしてはいいのかもしれません。 お客さんがそういったサービスを受けず自分で済ますこともできますが、お金を出してサービスを受けると自分の手間を減らしたり、その分他の仕事ができます。 当たり前のことですが、こういったサービスの余地はずっと残るんですね。 ・子どもの医療費無料のこと この8月から名古屋市では小学生の医療費は無料になりました。 我が家でも息子は月1万円ぐらいの医療費がかかっていましたから、それが無料になるのはとてもうれしいです。 だけど無料になると、医者へ行きやすくなります。少し風邪をひいただけで、薬を買うよりも医者へ行った方が安いからといいだしますと、医者が混みます。 医者が混むと、半日や1日かけて医者へ行くことになり、会社を休んだりしなくてはいけません。 しかも、医療費は無料になっても税金で補てんしているだけなので、誰が払うかという点が変わっているだけで全体としてのコストは変わりません。 会社を休んでいくことになれば、仕事で得るお金の機会損失になり、結局は損することになります。 果たして医療費は無料にした方が得でしょうか。それならば1割ぐらいの支払いにした方がまだましな気がします。 同じことが老人医療費についてもいえるかもしれません。 ・ソフトバンクのホワイトプラン ウィルコムが最初2900円でウィルコムどおしどんなに電話を話しても同じという定額制を始めました。ソフトバンクは、夜9時から1時を除く定額制を始めました。電話のパケットは夜9時から1時がピークを迎えます。そのときには実は電話をかけるのを少なめにしてもらうと、パケットが限界を超えずに済みますので設備投資の費用をおさせることができます。 ソフトバンクにとっては980円の定額制というのは、利益をあまり得られないという制限がありますが、シェアが少ないのでドコモやauや一般電話からかけてもらったり、かけたりする機会の方が多いので定額制の損失を一定の範囲で抑えることができます。ドコモやauから電話がかかってくれば、ソフトバンクは一定の通信料を得ることができるからです。 さらにその魅力的なプランは、登録者数を増やす大きな宣伝効果と他のパケットなどの収入を大きくすることができました。夜のホワイト家族の無料も家族間は実際は長電話をしないので、宣伝効果が大きかったといえます。 このあたりのバランスが、埋蔵金を発掘するような感覚で面白いなと思います。 株もそうですが、人間の心理と利益のバランスを考えるとまだやるべきことが残っているんですね。こういうことは得意な人は多いと思いますけれど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.11.01 22:12:47
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