この「王の男」、韓国で去年からすごい話題になっていて、ぜ
ひ、一度見てみたかった映画です。
この映画で主演したイ・ジュンギの美しさに見せられたファンも
すごい加熱ぶりらしい。彼の人気はアジア中で凄いんだよね。
ストーリーは簡単にいうと、この舞台は燕山君時代の朝鮮で、
暴政の象徴のようになっている燕山君(チョン・ジニョン)と食
べるにも事欠くカリスマ芸人のジャンセン(カム・ウソン)と女性
よりも美しいコンビ芸人のコンギル(イ・ジュンギ)の織り成す
狂気的なそれでいて美しく悲しい同性愛の物語。
これから公開なので、これ以上は語らない方がよさそう。
でも、「王の男」の魅力は、イジュンギのみならず、カム・ウソン
とチョン・ジニョンの三人が織り成す三者三様の迫力ある演技
だ。この二人の演技力は凄いパワーを感じた!
カリスマ芸人で愛する男を守る強い男をカム・ウソンが好演
すると、淋しくも狂気的な暴君の王をチョン・ジニョンが迫真の
演技で見せてくれる。その二人に愛され揺れる女性のように
美しい男をイ・ジュンギが、彼の嵌り役ともいえる妖艶な演技
で観客を魅了する。
ジュンギの横顔は評判通り、化粧もあるが色白で鼻筋が通っ
ていて、瞳は魅惑の一重。まさに女性よりも美しい!
それだけではなく、同性愛を扱った映画の暗さやじめじめした
嫌らしさがないといった方がいいもしれない。
また、二人の得意のロープ芸が、彼らの波乱万丈な人生を表
しているよう。断崖のようなロープの高さが、死と紙一重のよう
な人生の儚さと明るいスリル感もあり、上手い演出だなと思った。
京劇モチーフの芸も披露され、メイクやカラフルな衣装やセット
映像もとても豪華で綺麗だった。
ある種、通常の映画と違う世界感を感じるので、これは、今年
お奨めの映画かもしれない。